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D.N.A配列:ドラゴン  作者: 吾妻 峻
第五章 近衛兵・ジンウェイビン
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その思惑/桑折真夜

「明崇のヤツ……何見てんのよ」

「アキ君ずっと真夜ちゃんの事見てたよ」

「は、何あいつ……きもいんですけど」

と言いつつ、顔がカッと熱くなるのを感じる。もう目を合わせられない。明崇から目を逸らす

「んふふ、真夜ちゃん。顔もっと赤くなったね」

何よ。亜子の癖に。

「ませた事言わないの」

むぎゅっと、そのほっぺをつねる。

「うふぉあっ、痛ひよ真夜ひゃん!」

すると背中に、別の種類の視線を感じた。明崇の向けてくる見守るようなそれではない。

「お疲れ桑折ちゃん」

近衛、六華。

「どうだった?三位君の前だと、緊張しない?」

「しませんよ」

むしろ、安心する。そう言いたくなるのを、ぐっと抑える。

「私はやっぱり緊張しちゃうかなぁ!ゾクゾクしちゃう」

――私は、この女が好きになれない。

全ての発言が、真夜を苛立たせるために言っているように聞こえる。ただ明崇の事を狙っているわけじゃない。直感的にそう思う。普段の接しやすいキャラも、何かを隠す仮面なのだろう。

――あんたの目的は、何。

「緊張すること、無いと思いますけど」

――明崇はあんたに、興味ないんだし。

挑むように、睨む。

彼女は、悠然と睨み返してきた。そして。

「桑折ちゃん。三位君は、あなただけのものじゃないよ」

「は、あんた、何言って」

思わずの口調の後、感じた違和感。そして振り返ると……

「明、崇……。どこ」

明崇がいない。さっきまで剛のとなりにいた明崇が、いない――。

「何をしたの」

近衛六華は、依然、その傲慢に見える笑みを浮かべている。

真夜は自覚しないまま、教室を飛び出してしまっていた。


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