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最終話 魅惑のメロンパン!

 これで完結ですね。

 長いようで長かったこの小説……最後、楽しんで頂けたら幸いです。

 第二レース前。というか愛VS権のレース前。

 他の人達も愛と権の尋常でないオーラに気圧されていた。

 (愛:ぜっっっっったいに勝ってやるっっっ……!!)

 (権:愛ってやっぱり面白っ……他の人達逃げ腰じゃん)

 二人の温度差は尋常じゃなかった。

 

 「よーい」

 凄くやる気の無い声。

 「すーたと」

 愛は走り出そうとした。

 「ごめん、すたーと」

 ((((((生徒とかほぼ全員:言い直すなよ………!!!))))))

 というかずっこけた。

 その際、権が走り出す。彼とは友達関係にあり、こんな感じになる事を見抜いていたようす。彼って有名なマイペースなんですよ。

 そうそう、ハロウィン祭では皆仮装するため、ほぼ全員同じ能力値なのですよ。凝るからね。

 スタートが遅れた愛。涼しい顔の権。

 「くっ……………!!」

 愛は『それ』を発見しました。

 一日20個限定メロンパン。

 メロンパン……それは甘い響き。愛はメロンパンが大好物です。

 思わず力が湧き出てきます。欲しいっ!!

 権も同じだった様子。恐るべしメロンパン。


 ならんだ二人。……それで同じパンを、口でゲットしようとするんですから当然……

 ゴスゥっ!!

 「いたぁっ!」

 「っつぅっ!」

 倒れる際。

 わざとらしく愛の方に倒れてきた権によって……

 二人の口は重なるのでした。ちゅっ。

 愛の顔は酢蛸です。墨ぴゅー?

 権は何か嫌な笑いでした。

 「〜〜〜〜〜〜っ!? ――――〜〜〜!?」

 まったく言葉になってません。

 「「何してるのよっ!? こんな―いや〜!?」? そんなに俺嫌われてる?」

 どうして分かるんでしょう。

 「ラブの力?」

 平然と答えんな。しかもナレーターに向かって。

 愛は口をパクパクさせた後……気絶。

 権は愛を保健室に連れて行く際、メロンパンをもぎ取っていきました。

 生徒唖然。

 「すーたと」と言った彼だけが大欠伸をしていました。


 「……?」

 「起きた?」

 「!?」

 また顔を赤くした愛。そりゃそうですね。セカンドキス寸前なんて……

 「正確に言うと直後だけどね」

 こりゃ失礼。

 「キスで目覚めたお姫様……というか魔女っ娘かな?」

 さり気に腹黒だった権君。四話ぐらいまでは猫被ってたみたいですねぇ。

 愛は気付きました。口の中に例のメロンパンの、甘い味。そして少し軟らかい感触。

 「ああ、口移しって憧れてたんだよね(笑)」

 「はぁっ!?」

 ようやく声を出した愛。高校生でファーストキスまだだったってどーよ?

 「(笑)じゃないわよ! 何でこんにゃっ……」

 「こんにゃく?」

 「違ぁう!」

 「猫?」

 「違うわよ! 何でこんな事したの!?」

 「したかったから」

 愛ちゃん、イッツ自滅。

 「し、したかったって、」

 「好きだよ」

 ぷしぃー。

 愛ちゃん限界。

 「返事は?」

 「へ?」

 ああもう私の口から言わせる気ですかもう分かってるんでしょ気持ちぐらいこれ以上無理だってば展開早すぎだしあああああああああ

 「愛してます」

 何言っちゃってるの私いいいい!!!

 混乱してる愛ちゃん。墨は吐かないでね。

 「良かった」

 ふわりと笑った権。ちょっぴり儚げ。

 少し自信なかったけど、って。嘘でしょ、権。

 ………。

 「ライバルとして」

 「なんでやねんっ」

 いきなり関西弁って何よっ

 ライバルとしてってどうなんだよっ


 保健室からは笑い声が響いていました。ずっと。















 『おまけ』

 「上手くいったかなあ、権」

 「多分ね。根回し完璧だったし」

 「メロンパンゲット大変だったよなあ、梨乃(愛の友達♪)」

 「高かったわよねー、あきら(権の友達♪/マイペースさん)。だって両方意気地なし」

 「僕達の苦労も分かって欲しいよね」

 「こっちはこっちでラブラブしますか」


 …………最後お前等かいっ!!

 クローバー先生、緒田 玲夜先生、どーも有難うございましたっ!

 またやりたいなあとか思いつつ…………そして矛盾点多いなあとか思いつつ…………。

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