第五話 キモチ
遅くなったくせに中途半端なんですが。
どうぞ。
− 保健室 −
うわあ〜ビックリした・・。
あんな事されるとは思っていなかったからねぇ。
「・・・・・・。」
カア〜ッ
「えええええええぇえぇぇ?!」
顔が真っ赤になってしまった愛。先程の事を思い出してしまって、恥ずかしくなってしまったようだ。
鼓動が速くなっていくのが良く分かる。
ドクッドクッ・・・
「い・・愛・・愛!!」
「はいぃ!!」
即座に後ろを振り向くと、権がガーゼと消毒液を持って立っていた。
「さっきまで泣きそうな顔してたのに、何だよその変わり様は。元気そうじゃん。」
「え・・・?」
「人が心配してるのに、損した気分だよ。」
「心配?何で権が心配するのよ。」
驚いた表情の権。
「はあ?!すぐ横であんな事になったら、誰だって心配するに決まってんだろ。」
「そう・・。」
ああ、ほんっと吃驚した。私の事を心配したっていっても誰にだって同じ事するんだよね。
「っていうか傷!大丈夫か?流血してるぞ。」
「え?」
怪我をしている事を完璧に忘れていた愛。人間、忘れていれば意外と痛くないものである。
思い出して足を見てみる。
すると、
「きゃあぁっ!!!」
物凄い量の血が右足から溢れ出していた。
クラッ。
愛の体が倒れていく。
「うわっ!」
パシッ
「・・・ほぇ?」
倒れてない。あれ?
不思議に思ってゆっくりと目を開けてみると、そこには愛の腕をしっかりと持って支えている権の姿があった。
「ほんっとにお前、さっきから如何したんだよ。何か変だぞ?」
倒れたかと思ったのに。
「おい。」
「・・・・・・。」
「おいって!!」
「・・・・・・。」
な・・んか、マンガでこんなの見たような。
「おいっ!!」
「えっはい!!」
「顔、真っ赤だぞ?熱もあるのか?」
「え・・な、無いに決まってんでしょう!!」
「は?」
「こんな事をして、私に勝ったと思わないでよ!!」
「え。膝・・・。」
「ふう、次の競技に行かなきゃ。権も参加するだろうし。」
もう膝の血も止まり、そんなに痛くは無いでも・・なんだかココロが痛い。
「私、悪いことしたっけ?」
こんな事を考えながら、膝を怪我していたんだという事も忘れ、全力疾走する愛であった。
− 保健室 −
「何だアイツ。キモいな。でも面白いかも。」
フッ。
ああ、いけない。鼻で笑ってしまった。
でもあいつ、昨日と様子違ったよな、明らかに。
テレビみたいに・・・・・・。そりゃ無いか。
「それはそれで惜しいな。」
− 運動場 −
「次の競技は・・・」
権が楽しそうに笑っている時、愛は運動場でプログラムをチェックしていた。
『4.綱引き』
は?!
「・・・・・・。」
ええ〜。
「綱引きって事は、権と勝負出来ないじゃん。」
愛と権は同じクラスなので、クラス全員でやる時は競争出来ないのだ。
うわあ、見事なしかめっ面☆
と、その時。
「あ〜勝負出来ないな。残念?」
「当ったり前でしょお?!」
「じゃあ、綱引きの次は?」
ん〜。
《5.ダンス
6.パン喰い競争》
・・・・・・パン喰い・・・くいって漢字、間違ってるし・・・。
バカ?
「あ、あるじゃんパン食い。それで勝負だな。」
え、意外とノリノリ?
「どうかした?」
「いや、別に。」
次はパン食い競争!!
差し歯が心配だけど・・・。
よおっし!!!!!!!!!!!!!
摩璃藻先生に後はお任せして。
でわでわ〜♪




