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悪魔は夜集う
広い空間の闇をいくつかのかがり火が照らしている。
揺らめく炎に、異形のものたちがその影を落とす。
よく見れば真ん中の一匹に周りを取り囲む悪魔たちが武器を向けている。
ひときわ大きい気配を放つのがもっとも小さな黒いネコ。それが中心の悪魔と対峙する。
そのネコがしわがれた声で真ん中の悪魔に命令する。
「わが主がおいでになる椅子から降りて跪け。」
若い女の声がそれに答える。
「雨の神よソロモン王でもお出ましになるのか?」
背中には黒き翼、色の無い色としか表現できない衣装をまとった姿は女性のようだ。ヤギの形をしたヘルメットの下で、赤い美しい唇がニッと歪む。肘掛にもたれて頬杖をついた姿は、ネコが命じたのにもかかわらずその形を変えない。
「我をバアルと知ってまだその態度を変えぬか。」
ネコの下半身が蜘蛛のそれとなり、首の後ろから王冠をかぶった老人の上半身が現れる。
蛙のような老人の瞳が座ったままの悪魔をつらぬく。
「さっさと主とやらをつれて来い。」
取り巻く悪魔たちから吹き上がる瘴気がその場をいっそう暗くする。
「主には申し訳ないが、身の程と言うものを叩き込んでやろう。」
約50匹の悪魔たちの輪が縮まる。
お気に入りが増えたので、あいつめが喜んで調子に乗っているみたいです。
さてこれはなんなんでしょうかね?




