忍び寄る非日常
1と1/3 銀の天使と泣き虫鬼王 開かれた世界 第22部 お願いは聞けません のややおとなしめバージョン
おれ、ヤドカリみたいなもんだけどリアルでも生きている。一応ね。
大学が始まる9月にはまだあるにしても、一日中ネットにもぐりこんでいては生活ができない。
銀行から部屋に戻ってくると、二人の男性がドアの前で待っていた。警察用ヒュプノスを示しながらおれに近づいて言った
「結城舞さんですね、早田亜紀さんについてお聞きしたいことがありますので署まで同行お願いします。」
おれは舞モードで答えた。
「その名前に心当たりがありませんがどういったご用件でしょう。」
「この娘です今日こちらへ来たはずなんですが。」
浮かび上がる立体画像。
「確かにその人でしたらここに来ました。初めての方ですのでホームセキュリティの記録が警備会社に残っているはずですからお調べください。」
「任意提出してくださるのですか?」年上の刑事さんが驚いて言った。
「はい、何についてお調べなのかは分かりませんが、彼女との接点はそれだけですので、見ていただいたほうがよいかと思います。」
「早田亜紀さんはあなたのへやをおとずれたあと急に自殺しようとしました。現在意識不明です。」
セキュリティの高度化と生活の自動化によって、警察官の実物を見ることは、ふつうに暮らしているとほとんど無い事だ。おれはワクワクしながら二人の車に乗りこんだ。
取調室で見た画像は舞が部屋でメールをみるときから始まる。メールも記録されている。
”舞ちゃん5分後に行くから鍵あけといてね。from 橘勇気”
舞は玄関から入ってきた少女をリビングに通し、オレンジジュースをだす。
少女は1/4ほど飲んでグラスを置いた。
「あんまり、平然としてられると張り合いがないんだけどな。友達がこんな格好しててなんとも思はない?どう?これ。」
いきなり服を脱ぎだす少女。
壁際にたっている舞に体を押し付けている。
「なにしにきたんだ?」
「パックの石化をといて欲しくってね。お礼はするよ、ジョンさん。あれぼくのセカンドキャラなんだ。」
「その娘完全に食ったのか?」
「もちろん。ぼくの体からはもうネットに入れないからね、この娘がちょうどあいてたんだ。」
「残念ながらおまえのお願いは聞けないな。」
「それは残念ね。」
このあと服を着てにこやかに少女が出て行くところまでが写っている。
まったくわけが分からないという顔をした刑事が言った。
「説明をお願いできますか?」
こわいですね~
こいつ余裕みたいですけどどうするんやろね。




