果てなき旅へ...
私たちは有り金を全て服と食糧に当てて、旅の支度をする。
いつ、命を狙われるか分からないからだ。
「じゃあ、ちょっと髪を切ろうか。」
「うん。」
今の私は非常に見つかりやすい。
レオは仲のいい美容師に髪を切らせた。
私の長い髪が切られ、琥珀色の絨毯が広がる。
私はボブカットに切ってみる。
「美しい....」
後ろでレオが思わず出した感想である。
「さっ、行こう♪」
「おぅ...」
私たちは目的地を決めずに歩き出した。
「最果ての国に...私は夢を抱いたことがあるの。」
「へぇ」
気がついたらレオも髪型を変えていた。
おかっぱをやめて軽くカールさせている。
服装はどちらも旅人。
私は動きやすい材質のミドルスカートに薄くて丈夫な上着にショールという格好、レオはチュニックをベースにした勇者風。
「センス最悪だな...俺たち...」
「そうね...」
しばらく、旅をしながら私たちはいっぱい喋り、いっぱい喧嘩した。
(でも肉食系のレオによって丸め込まれるのがお決まり)。
そして、愛を育む。
これ大事。
「なんで人間って、身分を作ったんだろう...そんなものがなければ私たちはもっと早く結ばれたのに...」
長い旅路の途中、私は休憩を挟むようになってきた。
疲れた訳ではない。
それによくお腹がすく。
レオの指導の元、野草から野生生物まで、食べられる物ならなんでも食べた。
何日かして、その疑問が晴れた。
「私...妊娠してる...」
フローラ:「私たちの子供だよ♪」
レオ:「旅立ち早々に妊娠かよ...」
フローラ:「ちょっとは褒めてくれてもいいでしょ!?」
レオ:「済まない..........
妊娠おめでとう。
俺は嬉しいよ。」
フローラ:「(ズッキューン!!!)」