特訓2
あれから数日...
私の体から少しずつアザが減るようになりました。
代わりに....
「くっ!!!」
レオの体に攻撃が当たるようになりました。
レオの言った『舞剣姫』の話を思い出し、私の得意分野のダンスっぽく剣を振るったところ、剣が上手く振れるのです。
私の成長にレオは満足げに微笑んだ。
だんだんレオのキツイ顔が緩んできてくれて一石二鳥。
「少し...休まないか?」
さらに数日後...
だんだんレオから先に根を上げるようになりました。
その時には私の体からアザはほとんど無くなっていました。
「思ったより成長が早過ぎる...。」
「レオのおかげです。」
私はレオの隣に座った。
「次は...術のトレーニングだ。」
「体、大丈夫なの?」
「これくらい座ってでもできる。」
レオは目の前に金の山を作る。
「これは本物か?」
「いや...偽物よね?」
「では...これでもか?」
レオは金の一つを手にとる。
私も慌てて手にとると金と同じ重さを感じた。
「うそ.....」
「人間は脆い。
たった一言だけで嘘か本物か分からなくなる。」
気がつくと金は消えうせていた。
「偽...物...」
「高度な術師になると、空気一粒のレベルの幻影を創り出す。
だが本質を忘れるな。
幻影とは、人の目に入って初めて起こる...では次はどうだ?」
レオは今度は剣を投げつけてきた。
「(これも幻か―)」
突如、額に衝撃が走る。
「痛いッ!!!」
剣が額を切り裂き...
(欺いてこそ術師なり...)
違う、これは...
「石を投げたわね?レオ?」
「正解だ。よく騙されなかったな。」
「術の本質は欺くもの。
だから分かりました。」
「(この手の術の見極めは得意らしいな...)では...」
レオはニヤッとする。
「俺の目の前に俺が今、欲しいものを創れ。」
無理難題な要求を突き付けてきた...。
レオ:「ちなみにだが、俺とフローラは同い年らしい。」
フローラ:「へぇ....ってええええぇっ!?」
レオ:「俺の歳は十...」
フローラ:「やめてぇ~っ!!」
レオ:「最後まで言わせないと俺ら、十歳になってしまうぞ...?」
フローラ:「あううぅ...」
レオ:「ちなみに俺は16歳。
この世界では16歳で成人するのが普通だ。」
フローラ:「あううぅ...」
レオ:「ちなみに俺と、俺と関わった人間はみんな歳をとらなくなるからな。」
フローラ:「よかった~」
レオ:「よくないと思うが」