表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/18

第13話_将来のため、オコジョをいじめます

俺は授業を受けながら、これからのことを考えていた。

まずは――エリザのことだ。


彼女の事情は、かなり複雑だ。


エリザはハーフで、

母親は魔法世界出身の異世界人。

父親は日本人で、生物学の教授。


母親はかつて、次元のひび割れに巻き込まれ、

この地球へ漂流してきた存在だ。


当時の地球には魔力が存在せず、

彼女の体内にある魔力だけでは、元の世界へ帰ることもできなかった。

使える魔法も、せいぜい微小なものだけ。


そんな中で、教授と出会い、恋に落ち、

そしてエリザが生まれた。


エリザは母親譲りの魔法因子を、生まれた時から持っていた。


父親の勧めもあり、

親子は政府主導の極秘魔法機関に所属することになる。


当時、地球に魔力はなく、

魔法は科学の下位互換としか扱われていなかった。


――だが。


超次元振動以降、世界は一変した。


日本を中心に、世界中に魔力が溢れ始めたのだ。


魔法が使える母親とエリザは、

機関の重要人物になった。


そして――

父親は、野心に囚われた。


機関を私物化し、

ついには「魔法因子を抜き取る研究」に成功してしまった。


実験過程で母親から魔法は奪われ、魔力を無理に抜かれた影響で、

母親は、今も意識不明のまま眠っている。


エリザは、父親に言われるがまま、

「母親を治すため」と信じて、魔結晶を集めている。


本当は――

父親が手に入れた魔法を、さらに強化するためだとも知らずに。


そう。

アニメ二期のラスボスは、エリザの父親だ。


……まあ、俺から言わせれば。


いい歳した大人が魔法を得て、

舞い上がって暴走してるだけの、

勘違い野郎だ。


時空管理局は、

この時期は超次元振動の影響調査と、アリスの監視だけ。


日本政府に接触し、

魔法を公にすることにも慎重論が出ている。


つまり――

エリザの母親の件は、まだ把握されていない。


向こうの世界からすれば、

彼女は「次元漂流で行方不明」扱いだしな。


「……でだ」


昼休み。

俺は学校に潜んでいる“オコジョ”を呼び出し、

笑顔で威圧していた。


「これから俺がやること、もちろん見逃してくれるよな?」


体育館裏。


俺の魔力に晒され、

オコジョ――時空管理局のエージェントは、

短い手足を震わせながら後ずさった。


見た目は愛くるしい小動物。

だが、今の俺には関係ない。


「お前らが『慎重論』なんて言ってる間に、

この世界の裏側じゃ、腐った大人が魔法を玩具にして遊んでる」


俺はしゃがみ込み、

指先でオコジョの鼻先を軽く突く。


「小早川教授。エリザの父親だ。

あいつがやってるのは研究じゃない。

魔法因子を抽出する人体実験だ」


「キュ……キュイ!?(な、なぜそれを……!?)」


目を見開くオコジョ。


管理局は、まだこの事態を把握していない。

事情を知っているのは――

アニメの知識がある俺だけだ。


「驚くのは後だ。

お前がやることは二つある」


俺は指を立てた。


「一つ。

本局にこの件を報告して、保護の準備をさせろ。

……ただし、俺が“合図”するまで動くな」


「二つ目。

アリスとエリザに、俺のことは言うな。

そして、俺の行動は見逃せ」


「キュ……キュ、キュイ(そんな……勝手なことは……)」


「許可?」


俺は立ち上がり、

魔力の出力を一段階上げた。


地面が、ひび割れる。

空気が、震える。


「誰がそんなもん、求めた?」


オコジョは完全に硬直した。

挿絵(By みてみん)


イレギュラーな力を持つ俺の存在――

それ自体が、管理局にとっての悪夢だ。


「……分かったなら、返事は?」


「……キュイ」


小さく、だが確かな同意の鳴き声。


「物分かりが良くて助かるよ」


俺は踵を返し、

魔力の圧を霧散させた。


エリザを救う。

アリスを守る。


そのためなら――

俺は「悪役ヴィラン」の顔だって、使いこなしてやる。

作者( ゜Д゜):主人公のまともな挿絵がついに!

オコジョ:いえ、私の挿絵です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ