第11話_強化魔結晶って裏技は止められない
魔法少女アリスシリーズ一期から四期、これは、
小学生編。
中学生編。
高校生編ときて。
――そして、大人編だ。
四期には、アリスが時空管理局に正式入隊し、
エースとして戦う時代の物語。
素晴らしい。
完成度も高い。
アリスがいる魔法部隊と敵組織の全面対決。
……だが、今回の話はそこじゃない。
エリザの問題だ。
四期で敵が使い始める新兵器に、
高濃度魔力から作った魔結晶を、
さらに錬成・加工して作られる上位結晶。
強化魔結晶がある。
それを生み出したのが、
天才科学者にして、四期ボス枠の博士。
装備した敵は――
とにかく、クソ強い。
四期は基本、
「人 VS 人」だからな。
(……で、だ)
(ふと思ったんだが)
ちまちま魔結晶を集めるより。
俺の超高濃度魔力を使えば。
(最初から、強化魔結晶作れんじゃね?と。)
裏技発想である。
原作後半技術を、
序盤素材で再現する暴挙。
(いや、理論上はいけるはず……)
そんなことを考えながら、
最近の俺は――
なぜか。
エリザ中心の生活になっていた。
気づけば、
小早川エリザと話す機会も増えて。
二人きりの時は、
「エリザ」って呼ぶ仲にもなっている。
……まずい気もするが。
……深く考えないことにした。
――放課後
「……ん?」
ふと、視界の端に影。
近づいてきたのは、
有栖川だった。
「ねぇ」
少し間を置いて、彼女は言う。
「最近……エリザと、近くない?」
「……いや、そんなことないけど」
反射的に、
素っ気なく返してしまった。
「……」
一瞬。
空気が止まる。
「……!」
あれ?
有栖川の目が。
潤んで――
「アリス……」
俺が名前を呼ぶ前に。
たたたっ。
彼女は、そのまま走り去ってしまった。
教室の出口が、
やけに遠く見えた。
(……やっちまった)
魔法少女は、
戦うだけじゃダメだ。
メンタルケアも重要。
原作でも、
何度も描かれている。
分かってる。
分かってるのに。
(どう言えばよかったんだよ……)
答えは出ない。
俺はその場に立ち尽くしたまま、
小さく息を吐いた。
魔法の問題より――
今は。
人間関係の方が、
よほど厄介だった。
作者( ゜Д゜):涙目アリス!イイネ




