第10話_魔法少女の必殺技は止められない
あれから数週間後。
今日は――
原作アニメ二期中盤のクライマックス。
いわゆる、
ボス戦である。
六芒星魔法陣。
バスターシュート。
本来なら、
この回で初めて発動するはずの切り札だ。
……はず、なのだが。
俺は今、
夜の街を見下ろす魔法少女アリスの背中を、
ビルの上から眺めている。
彼女の足元には、
円形魔法陣。
その上に重なるように六芒星魔法陣。
さらに外周に――
重なるように見覚えのない、複雑な魔法陣。
(……なんだよ、あれ)
(強化…六芒星魔法陣?
いや、もう別物だろ)
原作にも、
設定資料にも、
そんな形の魔法陣は存在しない。
完全オリジナル構成。
(知らんぞ……)
(原作に無かった魔法陣ですやん……)
まさか。
ここから。
ボスを。
一撃で。
撃ち抜いて終わらせるつもりなのか?
俺は、その背中を見ながら、
嫌な予感しかしなかった。
(これ、早期決着ルート入ってないか?)
アリスの立ち姿は、
すでに「最終決戦仕様」だ。
静かで、
迷いがなくて、
覚悟が決まっている。
「……まあ」
俺は小さく息をつく。
「魔法少女が強い分には、問題はない……はずだ」
だが。
問題は、もう一人の魔法少女。
エリザだ。
本来の流れでは、
エリザが強くて、
アリスがそれを追いかける。
それが、原作の構図だった。
だが今は違う。
(逆になっている……)
(エリザが追う側になる展開……)
そうなると。
魔結晶集め。
願いの動機の解明。
キャラの分岐イベント。
全部ズレるか…。
(最悪……)
(魔結晶、集められないでルート入るぞ……)
俺は、
未来の分岐図を脳内で並べて、
一気に冷や汗をかいた。
(これ、完全に)
(原作と別ルートじゃね?)
夜景の中で、
魔法陣の光だけが、
やけに眩しく見えた。
作者( ゜Д゜):ディバインバスター!は言わないよ!




