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マリア・ファムファタールの楽園(エデン)  作者: 砂之寒天
1年生

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24/27

第24話 新年の挨拶

〜お知らせ〜


カクヨムコンテストに応募するにあたって、結果が分かるまでなろうのエデンは非公開にいたします。1/18からです。読んでくださる方は、カクヨムhttps://kakuyomu.jp/works/822139841956638962

の方によろしくお願いします。

今回の件は私の確認不足の致すところです……。

折角読んでくださる方がいるのに、非常に申し訳ないです。ありがとうございます。カクヨムコンテストが終わるまで、お待ちください。

 新年。


 まだ半顔の初日の出に照らされながら、吐いた息が白く曇る。


 5人は初詣に行った。


 凛が1番最初に集合場所に来ていた。


 続けてマリアもそこに来る。


 マリアは、悴む指先に息を吐く。


 それに気付いた凛が、手を差し出す。


「マリア、手を」

「ありがとう」


 マリアは冷たい指先を絡めた。

 触れた先から、じんわりと熱が伝わる。


「ふふ、凛の手は温かいのね」

「あぁ、体温は高い」


 凛の手を撫でる。


「フィリアは冷たいのよ」

「夏にはいいな」

「えぇ、ふふ」


 凛の柔らかな肯定が温かかった。


 5人が集まった。


「今年もよろしくお願いします」


 顔を合わせた皆は、挨拶をし合った。


「マリアちゃん、着物かわい〜!!」


 ベリーがパシャパシャと写真を撮る。


「そうでしょう?フィリアと柄を揃えたの」


 二人の着物には、月と兎が。マリアが月で、フィリアが兎だ。


「えー!!すご!!じゃあ二人並んで!!」


 ベリーは二人を合わせて写真を撮った。


「凛さんも、男らしいですね。深い紺色、貴方らしい選択だ」

「あぁ、ありがとう。フィリアも似合っている」


 2人は賞賛し合った。


 参拝中。並んでいる5人に声をかける影があった。


「あ、フィリアくん!マリアちゃんも!」


 モモちゃんだ。


「あら、モモちゃん。明けましておめでとう。その編み込み、綺麗ね。自分でやったの?」


 マリアがモモの後ろ髪を指す。


「うん!!明けましておめでとう!モモ、手先器用なんだ!」


 モモはニコ!!と笑った。


「それは素敵ですね。よく似合っていますよ」

「っ!、ありがとう!」


 思わず顔を赤くする。モモは未だに、フィリアに淡い恋心を抱いていた。

 叶わないことは分かっている。だから早く収めたいのに、中々収まらないのだ。


 先に、モモを含めた6人でおみくじを引いた。


「……中吉」


 マリアはつまらなそうに呟く。


「おや、去年は大吉でしたよね。なんと書いてありますか?」

「……男に気をつけなさいって」

「おや……」


 5人は神妙な顔をしてしまった。


「ぷー!!!!マリアちゃん、男に気をつけろってwwwあはは!可笑しいの!!」

「ちょっと、笑いすぎよ、モモちゃん。そういう貴方は?」

「……恋、叶わず」

「あっははは!」


 マリアは釣られて大きく笑ってしまった。モモは少し驚く。だが、すぐ笑った。


「やだ、初笑いこれだったわ」

「ふふ、いいじゃん!今年もよろしくね、マリアちゃん!」

「えぇ、よろしくね」


 モモは少し喜んだ。


 笑い合う二人を、ベリーはカメラに収めた。


 順番が来たので、参拝する。


「フィリアくんも祈っていいの?異教徒じゃない?」

「神は寛容ですから、新年くらいは許してくださるでしょう」

「へー、そういうものなんだ」


 皆で手を合わせて、お祈りする。


「マリアちゃんは何お願いした〜?」

「言わないわよ。……ベリーくんは?」

「えー、秘密!!」


 (マリアちゃんともっと距離を縮めたい、なんて言えるわけないよね〜〜!)


 ベリーは手に汗をかいた。真冬なのに、体が暑い。


 マリアも少し視線を逸らしていた。


 マリアは別に言える願いだったが、言えなかった。少し恥ずかしかったのもあるし、言ったら叶わなくなるのが怖くもあった。


(……皆とずっと一緒にいたい。それだけよ)


 本当に、それだけ。誰にも言わなかった願いを、神に一度だけ零した。


 見上げる。雲が速かった。


「フィリアくんは?」

「僕は、マリアと一緒に居たいと願いました」

「ボク達は?」

「あぁ……忘れてました」


 フィリアはとぼけた。


「えー!!酷い!!!」


 ベリーは泣いた。

 まぁ1年目のフィリアはそんなもんである。


「来年に期待だな」

「えぇ。凛さんは?」

「……言えない」


 下心しかない願いだったので。凛は気まずそうに目を逸らした。


「なに、言えない人ばっかじゃない」


 マリアはつまらなそうに言う。


「マリアちゃんもでしょ!」

「そういうモモちゃんは?」

「とりあえず、神様ふざけんな!って言っといた!!」


 空中を殴りながら、モモは叫んだ。


「ぷっ、あははは!本当に面白いわ、貴方。お笑い芸人にでもなったら?」

「マリアちゃんがコンビ組んでくれる?」

「ふふ……嫌よ」

「知ってる!言ってみただけ!」


 はしゃぐ二人。フィリア達は温かい目で見ていた。


(初めはどうなる事かと思いましたが……)


 事が済めば、随分平和なものである。相性が悪いと思われた二人は、本当に仲良くなった。


「ねぇねぇ、モモちゃんも入れて、皆で写真撮ろうよ!!」

「いいよ!!!」


 ベリーが思いついたように言う。モモはハツラツと了承した。


「寄ってよって〜!!はい、チーズ!!」


 パシャリ。


「うん、サイコーの1枚!」


 ベリーは喜んだ。


「ベリーくん、私にも送っといて!」

「おっけ〜♫Lumiで送るね!」

「ありがとー!!」


 モモは通知を確認して、微笑んだ。


「じゃ、そろそろ行くね!またね!!」

「えぇ、また」


 モモはブンブン手を振って、別れた。


「……今年も、良い年になるといいですね」

「えぇ、ほんと」


 フィリアとマリアは、どちらともなく手を繋ぐ。


「……マリアの手は温かいですね」

「ふふ、皆のお陰よ」

「そうですか」


 フィリアの手は相変わらず冷たい。


 その姿を、ベリーは寂しそうに見ていた。


 まだ、他の人がマリアと仲良くしてるのを見ると、胸が痛む。


(……これからだよね!!)


 せっかくの新年だ。明るく行こう。ベリーは微笑んだ。


「ケイネラは何をお願いしたの?」


 マリアが、気づいたように振り返る。


「僕?僕は───────」


 ケイネラは微笑んだ。


「─────皆のために、僕は僕であり続ける。そう誓ったよ」


 そう言って。


「!!へぇ、面白いのね。神様にお願いじゃなくて、誓いを立てるなんて」

「ケイネラさんらしいですね」

「ほう、面白いな」

「さっすがケイネラくん!」


 皆口々に賞賛する。そんなケイネラが、皆好きだ。


「あと、マリアの幸せをね」

「それは皆さん願うでしょう」

「そうだな。必須項目だ」

「そ、そうだよね〜!!」


 自分の欲ばかりで、それを願い忘れたベリーは反省した。


「それじゃあ……今年もよろしくね、皆」


 マリアが微笑む。登りきった初日の出を背景にした彼女は、いつもより一層輝いていた。


(眩しいな──────)


 今年も、その光を写真に収めること。それを許されることにベリーは感謝した。


 そうして、初詣は終わったのだった。

★評価、ブックマーク、コメント、レビュー、リアクションお待ちしております。よろしくお願いします。


これ新年に書いたら、マリアの初笑いと私の初笑いと同じでした。モモちゃん、やるな。


モモちゃんに似合いそうなきょくは、なる/みやさんの「可愛い/あの子が/気に/ゐらない」ですね。

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