第24話 新年の挨拶
〜お知らせ〜
カクヨムコンテストに応募するにあたって、結果が分かるまでなろうのエデンは非公開にいたします。1/18からです。読んでくださる方は、カクヨムhttps://kakuyomu.jp/works/822139841956638962
の方によろしくお願いします。
今回の件は私の確認不足の致すところです……。
折角読んでくださる方がいるのに、非常に申し訳ないです。ありがとうございます。カクヨムコンテストが終わるまで、お待ちください。
新年。
まだ半顔の初日の出に照らされながら、吐いた息が白く曇る。
5人は初詣に行った。
凛が1番最初に集合場所に来ていた。
続けてマリアもそこに来る。
マリアは、悴む指先に息を吐く。
それに気付いた凛が、手を差し出す。
「マリア、手を」
「ありがとう」
マリアは冷たい指先を絡めた。
触れた先から、じんわりと熱が伝わる。
「ふふ、凛の手は温かいのね」
「あぁ、体温は高い」
凛の手を撫でる。
「フィリアは冷たいのよ」
「夏にはいいな」
「えぇ、ふふ」
凛の柔らかな肯定が温かかった。
5人が集まった。
「今年もよろしくお願いします」
顔を合わせた皆は、挨拶をし合った。
「マリアちゃん、着物かわい〜!!」
ベリーがパシャパシャと写真を撮る。
「そうでしょう?フィリアと柄を揃えたの」
二人の着物には、月と兎が。マリアが月で、フィリアが兎だ。
「えー!!すご!!じゃあ二人並んで!!」
ベリーは二人を合わせて写真を撮った。
「凛さんも、男らしいですね。深い紺色、貴方らしい選択だ」
「あぁ、ありがとう。フィリアも似合っている」
2人は賞賛し合った。
参拝中。並んでいる5人に声をかける影があった。
「あ、フィリアくん!マリアちゃんも!」
モモちゃんだ。
「あら、モモちゃん。明けましておめでとう。その編み込み、綺麗ね。自分でやったの?」
マリアがモモの後ろ髪を指す。
「うん!!明けましておめでとう!モモ、手先器用なんだ!」
モモはニコ!!と笑った。
「それは素敵ですね。よく似合っていますよ」
「っ!、ありがとう!」
思わず顔を赤くする。モモは未だに、フィリアに淡い恋心を抱いていた。
叶わないことは分かっている。だから早く収めたいのに、中々収まらないのだ。
先に、モモを含めた6人でおみくじを引いた。
「……中吉」
マリアはつまらなそうに呟く。
「おや、去年は大吉でしたよね。なんと書いてありますか?」
「……男に気をつけなさいって」
「おや……」
5人は神妙な顔をしてしまった。
「ぷー!!!!マリアちゃん、男に気をつけろってwwwあはは!可笑しいの!!」
「ちょっと、笑いすぎよ、モモちゃん。そういう貴方は?」
「……恋、叶わず」
「あっははは!」
マリアは釣られて大きく笑ってしまった。モモは少し驚く。だが、すぐ笑った。
「やだ、初笑いこれだったわ」
「ふふ、いいじゃん!今年もよろしくね、マリアちゃん!」
「えぇ、よろしくね」
モモは少し喜んだ。
笑い合う二人を、ベリーはカメラに収めた。
順番が来たので、参拝する。
「フィリアくんも祈っていいの?異教徒じゃない?」
「神は寛容ですから、新年くらいは許してくださるでしょう」
「へー、そういうものなんだ」
皆で手を合わせて、お祈りする。
「マリアちゃんは何お願いした〜?」
「言わないわよ。……ベリーくんは?」
「えー、秘密!!」
(マリアちゃんともっと距離を縮めたい、なんて言えるわけないよね〜〜!)
ベリーは手に汗をかいた。真冬なのに、体が暑い。
マリアも少し視線を逸らしていた。
マリアは別に言える願いだったが、言えなかった。少し恥ずかしかったのもあるし、言ったら叶わなくなるのが怖くもあった。
(……皆とずっと一緒にいたい。それだけよ)
本当に、それだけ。誰にも言わなかった願いを、神に一度だけ零した。
見上げる。雲が速かった。
「フィリアくんは?」
「僕は、マリアと一緒に居たいと願いました」
「ボク達は?」
「あぁ……忘れてました」
フィリアはとぼけた。
「えー!!酷い!!!」
ベリーは泣いた。
まぁ1年目のフィリアはそんなもんである。
「来年に期待だな」
「えぇ。凛さんは?」
「……言えない」
下心しかない願いだったので。凛は気まずそうに目を逸らした。
「なに、言えない人ばっかじゃない」
マリアはつまらなそうに言う。
「マリアちゃんもでしょ!」
「そういうモモちゃんは?」
「とりあえず、神様ふざけんな!って言っといた!!」
空中を殴りながら、モモは叫んだ。
「ぷっ、あははは!本当に面白いわ、貴方。お笑い芸人にでもなったら?」
「マリアちゃんがコンビ組んでくれる?」
「ふふ……嫌よ」
「知ってる!言ってみただけ!」
はしゃぐ二人。フィリア達は温かい目で見ていた。
(初めはどうなる事かと思いましたが……)
事が済めば、随分平和なものである。相性が悪いと思われた二人は、本当に仲良くなった。
「ねぇねぇ、モモちゃんも入れて、皆で写真撮ろうよ!!」
「いいよ!!!」
ベリーが思いついたように言う。モモはハツラツと了承した。
「寄ってよって〜!!はい、チーズ!!」
パシャリ。
「うん、サイコーの1枚!」
ベリーは喜んだ。
「ベリーくん、私にも送っといて!」
「おっけ〜♫Lumiで送るね!」
「ありがとー!!」
モモは通知を確認して、微笑んだ。
「じゃ、そろそろ行くね!またね!!」
「えぇ、また」
モモはブンブン手を振って、別れた。
「……今年も、良い年になるといいですね」
「えぇ、ほんと」
フィリアとマリアは、どちらともなく手を繋ぐ。
「……マリアの手は温かいですね」
「ふふ、皆のお陰よ」
「そうですか」
フィリアの手は相変わらず冷たい。
その姿を、ベリーは寂しそうに見ていた。
まだ、他の人がマリアと仲良くしてるのを見ると、胸が痛む。
(……これからだよね!!)
せっかくの新年だ。明るく行こう。ベリーは微笑んだ。
「ケイネラは何をお願いしたの?」
マリアが、気づいたように振り返る。
「僕?僕は───────」
ケイネラは微笑んだ。
「─────皆のために、僕は僕であり続ける。そう誓ったよ」
そう言って。
「!!へぇ、面白いのね。神様にお願いじゃなくて、誓いを立てるなんて」
「ケイネラさんらしいですね」
「ほう、面白いな」
「さっすがケイネラくん!」
皆口々に賞賛する。そんなケイネラが、皆好きだ。
「あと、マリアの幸せをね」
「それは皆さん願うでしょう」
「そうだな。必須項目だ」
「そ、そうだよね〜!!」
自分の欲ばかりで、それを願い忘れたベリーは反省した。
「それじゃあ……今年もよろしくね、皆」
マリアが微笑む。登りきった初日の出を背景にした彼女は、いつもより一層輝いていた。
(眩しいな──────)
今年も、その光を写真に収めること。それを許されることにベリーは感謝した。
そうして、初詣は終わったのだった。
★評価、ブックマーク、コメント、レビュー、リアクションお待ちしております。よろしくお願いします。
これ新年に書いたら、マリアの初笑いと私の初笑いと同じでした。モモちゃん、やるな。
モモちゃんに似合いそうなきょくは、なる/みやさんの「可愛い/あの子が/気に/ゐらない」ですね。




