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マリア・ファムファタールの楽園(エデン)  作者: 砂之寒天
1年生

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12/23

第12話 リヒトと

 8月初め。太陽は眩く輝き、熱い日を注ぐ。アスファルトは蜃気楼を上げ、人々を歪める。


 昼休み。

 ベリー達5人が集まっている所に、近付く影があった。


 影、リヒトはベリーの腕を掴む。


「ベリーくん、一緒にご飯食べよう」


 ベリーは驚き、目を見開く。


「……あら、リヒトさん」


 マリアはスっと目を細める。


「こんにちは、マリアさん。ベリーくん、貰ってっていい?」


 リヒトは笑みを浮かべる。

 マリアは何となく嫌な気持ちになったが、気のせいだろうと放っておく。


「ベリーが選ぶことだわ」

「……あ、そう。ベリーくん、私とご飯食べよ?」


 ベリーは顔を歪め、悩む。

 もう一押しだ。リヒトは静かに笑う。


「ねぇ、私ベリーくんとご飯食べたいなぁ」

「わ〜、分かった、分かった!ごめんね、皆!今日はリヒトちゃんとご飯食べる!」


 ベリーは観念した。


「えぇ、気にしないで。行きましょう、皆」


 マリアは特に気にしない風で、そう言った。

 リヒトは笑った。


 ベリーとリヒトは、マリア達とは反対方向に歩き出した。


 振り返り、遠ざかるマリア達の背をベリーは見る。


 もう、戻れない所まで来てしまったのかもしれない。


 ベリーは少し後悔を感じた。


 リヒトが腕を引っ張る。


「もう、どこ見てるの。早く行こう」

「う、うん!」


 そう言うので、考えるのはやめにしたのだった。


 昼食を取り終え、教室に戻ってきた時。


キャハハ!!


 マリアの笑い声が中から聞こえた。


 ビクッ、とベリーは肩を揺らす。


「?どうしたの?中に入ろう?」


 リヒトはベリーの服を引っ張る。

 ベリーは物凄く……教室に入りたくなかった。


「ねぇ……リヒトちゃん。このまま授業、サボっちゃわない?」


 ベリーは視線を横にずらしながら、リヒトの手を掴む。


 リヒトは目を見開き、そしてクスッと笑う。


「……いいよ。サボっちゃおっか」


 そう笑うので、ベリーは安堵した。


 2人はそのまま、ゲームセンターに行った。


「ねぇねぇ、ベリーくんはクレーンゲーム得意?」

「うん、得意だよ〜☆」

「ほんと!じゃあさ、あれ取ってくれない?」


 指さすのは、少し不格好なぬいぐるみ。マヌケな顔で、歪な縫い目。


「いいけど……ホントにこれでいいの?」


 ベリーは狼狽える。


「うん、これ"が"いいの」


 リヒトはベリーの腕を掴んで、笑った。


 その笑みが……なんだか、放っておけなくて。ベリーは眉を顰めた。


「じゃ〜、ボクがちゃちゃっと取っちゃうね!」

「やっちゃってくださいよ〜、ベリーくん!」


 そして、ベリーはスイスイっとぬいぐるみを2つ取った。


「わ、かわい〜!!ありがとう、ベリーくん!」

「い〜え〜☆」

「これ、1個はベリーくんのね」

「、ボクの?」

「うん。お揃いに、しよ?」


 ぬいぐるみを1つこちらに突き出して、首を傾げるリヒト。


 ベリーはゆっくりと手を伸ばして──────────ぬいぐるみを、手に取った。


「ふふ、お揃い♫」

「……うん!やったね〜☆」

「あ、カバンに付けようよ!」

「、いいね〜!!最高じゃん、それ!」


 2人はカバンにぬいぐるみを付けた。


 その後ひとしきりゲームで遊び、気がついたら夕方だった。


「ねぇ、屋上見に行かない?」


 リヒトは階段を指して言う。


「屋上?うん、いいんじゃない?」


 ベリーも同意した。


 2人は階段を上る。


 タン、タン、タン。規則的な足音が、静かな階段に響く。


 扉を開くと、ぶわりと風が入ってきた。


「きゃっ!風強い〜」

「気を付けてね!落ちないように」


 ベリーはリヒトの肩を支える。リヒトはベリーを見上げ、頬を染めた。暗くて、ベリーには分からなかった。


 リヒトは柵の前まで行き、街明かりを見下ろす。

 日は沈み、オレンジ色の夕焼けだけが残る。


「ベリーくんは、高いところ苦手?」


 リヒトは街を見下ろしながら聞く。


「ううん!ボクは高いところ得意だよ☆リヒトちゃんは?」


 ベリーはその少し後ろで言う。


「……ベリーくんとなら、どんな所も怖くないよ」


 リヒトは振り返った。


 夕暮れを背景に、リヒトは手を差し出す。


 ベリーは迷う。


 そして───────その手を取った。


 リヒトはベリーを抱き寄せる。


「、わっ」


 顔が近づく。息が触れる。ベリーはドキリとした。


「ねぇ……」


 リヒトはベリーの目を見つめる。


「私達……付き合おっか」


 そう、告げた。

 空が暗くなってくる。夕焼けは消えていた。


 ベリーはもう、悩まなかった。


「……うん。付き合お」


 そうして、2人は付き合った。


〜〜~


 夏休みは8月初頭から、9月末までだ。


 マリア達4人は夏休みの課題をこなす為、喫茶店に集まった。

 ベリーは、いない。


「……最近」


 マリアが小さく呟く。フィリアは視線を上げ、続きを促した。


「……ベリーくんが遊んでくれなくて、寂しいわ」


 本人には言わない、マリアの本音。

 それは静かで、少し痛ましかった。

 暫し沈黙が走る。


 フィリアはチラリとマリアを見る。


「……では、遊ぶ予定を立てますか?」

「……そうね。そうしましょう」


 マリアはペンを置いて、スマホを取る。


 ベリーにメッセージを送る。


『ベリーくん、今何してるの?』


 既読はすぐついた。


『リヒトちゃんとまったりしてる!どうかした?』

『最近、お話しないじゃない?だから、話したくって』

『え〜!!ボクも話したかったよ』

『ふふ、あら、そう?あのね、明後日、空いてる?久しぶりに皆で遊びましょうよ』


 ベッドの上で、ベリーは暫し固まった。

 スマホの画面を、隣で寝転がっていたリヒトが当然のように覗く。


 ベリーは返事を打ちかけて、指を止めた。


「あ、いいんじゃない?私も行きたい」


 リヒトはなんでもないようにそう言った。


 ベリーは一瞬だけ視線を逸らした。


「……うん、じゃあそう言ってみるね☆」


 ベリーは返事を打ち直した。


『もちろん〜☆リヒトちゃんも一緒に遊びたいって言ってるんだけど、良い?』


「……ですって」

「ふふ、おやおや……リヒトさんも、意地悪なことをなさる」


 マリアは呆れてしまった。フィリアも穏やかに笑うが、内心静かに怒っている。


 だが、断る気にもならない。


「……仕方ないわね。皆、それでもいい?」

「僕は構いませんよ」

「俺は行かない」

「僕もパス」

「……あら」


 凛とケイネラは行かないらしい。


「どうして?」

「マリア以外の女の子と遊びたくないかな」

「全くもって同感だ」


 ということらしかった。


「……そう」


 マリアは、別に不安でもなかったが、安心した。


「じゃあ、私とフィリアだけね」

「お供しますよ」

「ふふ、頼りにしてるわ」


 ということで、4人で遊ぶことになった。

★評価、ブックマーク、コメント、レビュー、リアクションお待ちしております。よろしくお願いします。


た、退廃的〜!!書いてて苦しかったです。暗い!!頭が痛くなります。

リヒトの下り、2000文字しかないのにこんなに密度高いのなんで!?その後も500文字しか増えてないのにこんなに重苦しいのなんで!?あと匂わせ辛いです。やめてください。

ということで今回は約2500文字でした。いつもより少ないですが、そう感じましたか?私は思いませんでした……。

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― 新着の感想 ―
あかん、どんどんみんな狂ってく……!!
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