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日本一のプロゲーマーが異世界転生したら意味わからん強さしてました   作者: Mini
第3章 海底迷宮編

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止まらないボスラッシュ

海底迷宮 25階層にて……

「ハッキの気配が消えたか…」

「結構な手練が来てるな」

「どうでもいい。あいつは弱いものいじめが趣味だったし、んなやつに興味はねぇよ」

赤髪に白いメッシュが入った青少年。目はキリッとしていて猫のような眼球をしている。

「ギラ……俺たちも先に進もう」

「そうだな。ちゃちゃっと30階層にいって待つとするか。」

名はギラ。現在最もSランクに近いと言われている男。そいつはニヤリと笑みを浮かべて迷宮の奥へと向かった。



海底迷宮15階層では……

「この迷宮は少し……面白くなりそうじゃのう」

舌なめずりをする大人びた女性……名はカルラという。

「リーダー……どうなさいますか」

「そうじゃのう。妾が出向いてやっても良い。噂には聞いておった『青炎の魔術師』こちらにも魔力がひしひしと伝わってくる。」

モンスターの死骸に玉座に座るが如く凛々しい姿。その異様とも言える光景を目の当たりにしていたパーティメンバー達は信者のように崇拝し、崇めるように地面に膝をつかせていた。


流星の魔術団は次々と階段をおりていき、5階にたどり着いた。

「あまり強い敵はいなかったわね」

「そうですね。5階刻み、10階刻みは危ないと聞きます。くれぐれも油断しないように」

「わかっています。」

ユーノの言葉に全員が頷き、警戒を高める4人。正人は周りの壁や天井を観察するようにみて何か変な違和感を感じていた。

「どうしたの?」

「あぁ……いや、なんでもない」

「何それ」

シーナはそういいながら両手を頭の後ろに持っていきながら歩く。

(気のせいならいいのだが……)

実際のところ、探知魔術は反応していない。変に警戒しすぎるのも良くないと言う。そんなことよりもっと深刻な問題が正人を襲っていた。


それは───


魔力の増大だ。

風の都から今に至るまで魔術を使い、魔力を酷使してきた。最初はあまり気にしなかったのだが、ここの迷宮に来てから明らかに魔力の増え方が異常だ。

軽く手のひらを握ったり広げたりしながら確認する正人。

体に放出される魔力は静かで抑えることに成功しているがいずれこいつが言うことを効かなくなる可能性だってある。このうちに眠る『青黒い魔力』……そしてユーノが言っていた『いずれ魔力に呑み込まれる』この言葉はおそらく本当だろう。それは身をもって感じている。だからこそ……何とかしないといけない。

(って思ってたけど、解決策がわかんないなら無理だよなぁ)

直後、歩いていた先から邪悪な雰囲気を感じとった正人とユーノ。

「(何かいますね)」

「(あぁ)」

「どうしたのよ二人とも……急に止まったりなんかして」

シーナは覗き込むように前を見るが何が起きているのかまだ理解はできていない様子。ユーノは軽く冷や汗をかき、正人はいつでも迎撃できるように身を構える。

そしてミアは杖を構えながらシーナに言った。

「誰か来ますよ」

「え?嘘……敵!?敵なの!?」

シーナは目を見開き驚くがすぐに戦闘態勢に入る。

「分かりません。ただ……僕たちをここから先には行かせてくれない見たいですよ」

「どうしますか……」

「どうするって……戦うしかないじゃん」

「いや、ちょっと待て……」

正人は三人に警戒態勢をとくように言い、右手から水玉ぐらいの大きさの青い炎を出してそれを邪悪な魔力を発している方へと投げ込んだ。

すると、青い炎が四方に散らばるように小さく爆ぜて、邪悪な魔力は消えた。

「正人さん……これはいったいどういう……」

「あんた今何したの?」

全員が正人の方へと向き、怪訝な顔をする。正人は軽く視線を彷徨わせながら答えた。

「迷宮っつーのは普通のダンジョンと違って変な仕掛けをしているかもって思ったんだ」

(実際、ゲーマー時代オフシーズンの時にそういう系のゲーム少しやってたしな)

「詳しいんですね!正人さん!」

すごいキラキラな目を向けてくるミア。シーナはじっと睨みつけるように懐疑的な目を向ける。

「迷宮……行ったこと無いですよね?」

「まぁ情報だよ情報……それに俺とユーノでここに来るまで変な仕掛けは避けてきたし、まだ5階とはいえ対処出来ない仕掛けが来てもおかしくは───」

そういってシーナたちの方を見た瞬間……壁や地面が流星の魔術団を分断させるように動き始めていた。

正人はすぐ近くのユーノに手を伸ばすが……魔力で強化されたであろう壁が阻んでそれは叶わず、左壁にユーノ、右壁にシーナ……そして地面の下にミアが消えてしまった。

「……クソッ!」

この階層に来た時にきちんと対処しておくべきだったんだ。

この階層はずっと、誰かに見られているような感覚があった。ユーノも初めは気にしていたが時間が経つにつれて気にしなくなっていった。本当に……その程度のものだった。

だが、違った。

5階層に入ってきた瞬間から、猛獣の腹の中に囚われていたんだ。

「そんで、俺を残して……てめぇは何のつもりだ。仲間に何しやがった。」

前方からコツコツと歩いてくるのが見え、次第に黒い影から人の姿が見え始める。

「いや〜さすがですね。」

優しい声が通路全体に響きわたる。その声と同時に軽く拍手のようなものをしてくる人物。

「仲間に何しやがったって聞いてんだよ」

右手を前に出し、青黒い魔法陣を生成……青黒い火花をバチバチとあげながら発せられる声には……『制御』という言葉の欠片も感じられなかった。

「殺しはしていません。それぞれ違う階に放り投げただけの事です。」

スーツ姿に白い手袋……髪は黒く眼鏡をかけている其の人物は続けて言った。

「……運が良かったら、生きているでしょう」

その言葉を聞いた瞬間、正人が出していた青黒い魔法陣から勢いよく青い炎が放出される。その威力は、先程戦っていたハッキたちのパーティとは比べ物にならない。

当たれば確実に消し炭になる……その威力。


だが───


土煙がはれ、傷どころか服に汚れひとつも付いていなかった。

「……まじか」

さすがの正人もこれには目を見開いてしまう。

「青炎の魔術師……噂には聞いておりましたがここまでとは思わなかったですね。」

微動だにしず、眼鏡をクイッとあげるその行動に……正人はイラついて接近する。

男に対して拳をふりかざす。

……が、左手で眼鏡をくいっとあげながら右手で受け止められてしまう。

その瞬間に正人は握っていた拳を広げて青い炎を出すのだが、ボウッという音がなり青い炎の火花が舞うだけで発動されなかった。

そして正人の手のひらを優しく握り、男は語った。

「『あのお方』が目をつけるだけのことはありますね。わたくしもあなたに興味が湧きました。」

「あのお方っつーのは誰のことだ」

「それは言えません。口外してしまえばわたくしは死の呪いで殺されてしまいます。」

「所詮はお前も飼われてるって事ね」

「そうなりますね」

正人の手のひらを優しく握りながら言って、勢いよく握ろうとしたところで───

ユーノから教えてもらった『影魔術』それを利用し自分の影の中に潜りすぐ男の目の前に立つ。

「ほう……これは素晴らしい。炎魔術以外にも、使える魔術があるとは予想外でした。」

ニヤリと笑を浮かべ興奮気味に言う男に対して気持ち悪さと嫌気が全身を巡る。

「もっと……わたくしに見せてください」

正人は頭をポリポリと掻きながら左手で今まで作ってこなかった『炎の剣』を生成した。

青く輝いている炎……そしてその刀身は黒く、バチバチと火花が待っている。

「素晴らしい!素晴らしい!!!具現化まで体得しているとは……これはこれは予想外!」

ハッキよりも強いと感じてしまうほどの魔力を正人は感じ取った。

(感情によって強さが変わるタイプか?なんにせよ、出方を伺うよりこっちの全力をぶつけてみるとしようか)

発揮に続きスーツ姿との対決……ボスラッシュとも言っていいその戦闘に正人はもう出し惜しみをするのを辞めた。



「……ここは、一体……」

先程居た場所よりも薄暗く、おぞましい魔力が漂っている。ユーノは水の剣を生成しそれを片手に探知魔術を全体に張り巡らせる。

「完全に皆さんの元から話されたというわけですか……」

そして探知魔術を使用した時にこちらに近づいてきているとわかった群衆……ゴブリンや狼、そしてその後ろには黒いコートを羽織った人物。その人物を抜いただけでもざっと100以上はいるだろうか……

「いい運動になりますかね……」

体勢を低くしてユーノの周りに無数の魔法陣を展開。そして10以上の魔法陣から水滴を凍らせた氷魔術がゴブリンたちを襲った。



「なんなのよこれぇ……どうすんのよぉ……」

身を縮ませるようにして歩くシーナ。辺りを見渡しながら変な物音がこちらに近づいてきているのを感じてすかさずそちらの方へと振り向く。

だが、物音がした方向に視線を向けてもそこには誰もおらず、シーナは安堵するように手を撫で下ろす。

「『炎の精霊よ。灯火を我に与えたまえ』」

シーナは炎の魔法を唱え、体の前にロウソクぐらいの小さな火が出現する。

「……」

明かりをつけて……シーナは目にしてしまった。

「ねぇ、嘘でしょ?」

先程まで当たりが見えなかったわけじゃない。ただ少しだけ薄暗かっただけのはず……

それなのに───

「なんで、明かり見つけた瞬間囲まれるのよ」

しかも、それだけじゃなかった。シーナを囲うように様々なモンスター達が居たのだが、その後ろには……始まりの街のダンジョンで対峙した……得体の知れないドラゴンのような敵が立っていた。

「……私だって成長したんだから!」

当然、その敵が怖くないわけが無い。昔よりかは怖くないというそれだけの事。

事実、ここで逃げ回っていたらこの先も逃げることになる。そして何より成長した。前とは見違えるほどに。

足も震えてない。

私なら……大丈夫!

そう自分に言い聞かせるようにして……シーナは両手を前に出して魔術を唱えていた。



「……」

「どうする?こいつ……」

「とりあえずリーダーに報告しようぜ」

「そうだな」

白髪の長い髪に左手には回復魔術特化の杖を持っている一人の少女。

見知らのやからに担がれ……白い髪をゆらゆらと靡かせながら迷宮の奥深くへと、連れ去られてしまう。

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