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告白


「……弟子よ、話がある」


 男が修行して約100年近く経つ頃、いつもと同じ朝練を終えると神妙そうな顔をしたネルがいた。


「どうしたんだ?師匠がそんな顔するのは過去に女に振られた話をした時ぐらいだろ?」


 男がそういうと、いつもならネルが怒って軽い喧嘩が起きるのだが、その時は違っていた。


「……付いて来い」


「………」


 男は並大抵ではないことが起こる、と修行の副産物で手に入れた第六感が騒ぎ始めた。


 二人は100年間一度も出た事がない、重々しい雰囲気で家のリビングに向かい合って座った。


「……話とは?」


 男が躊躇うように静かに、だが、芯の込もった声で尋ねた。


 ネルはすぐに口を開こうとしたが、まるで走馬灯のように二人での生活を思い出し、静かに閉じてしまった。


 男も空気を読んだのか、それともネルの出す雰囲気に当てられたのか、無言を保った。


 そして、暫くの時を経て、ネルはその口を開いた。


「最初に話す事は、お主はもうここを去る資格を得た」


「?!、ということは!」


「あぁ、もうお主に教える事はない。わしの全てをお主に伝承した」


 男が100年もネルの元にいたのは、転生での約束でネルの万水流を免許皆伝するまで、修行することだった。


 男は感慨深く、その瞳に確かに歓喜の色を浮かべて


「……やっと、世界を見れるのか……!」


 ネルはその姿を見ると一瞬微笑みを浮かべたが、()()()()()()()を思い出し、直ぐに元の様子に戻った。


 男もネルがまだ話す事が残っている事を察して、再びネルと向き合ったーーー




 長い沈黙を破るように男は尋ねた


「……それで、師匠の話は?」


 次の言葉を聞いた瞬間、ネルの今までの目的は偽りで()()()()()は別にあったのだと気付いた。


 男はその言葉を聞いた後、驚くほど冷静でまるで100年過ごしていたのかと疑うほど無関心な顔を浮かべたが、手に乗った雪のように消え、真剣な顔をして質問をした。


「それはどうして?」


 ネルは弟子が初めて見せた顔を見て酷く驚いたが、それよりも大切な事を話さなければ、という思いがその考えを押し潰した。


「それはーーー






















            ()()()()()()  」



 
















 


少し急展開かもしれません

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