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防衛戦 南区


「全軍!敵を殲滅せよ!」


 冒険者の殆どが北区に配置されたことにより、南区には大量の兵士達が集まっていた。


 元々、魔王軍が攻める可能性は考えられており、国は一ヶ月前から大陸内でも名が轟く二大騎士団の一つ、クルス王国第四騎士団が駐屯していた。


 第四騎士団団長であるファル・レリナは、世界で有数の強者として有名であり、クルス王国最強である。


 実は勇者のメレルは彼女のもとで修行しており、勇者の師匠としても有名な指導者であった。


「レリナ団長!相手の戦力の把握が終わりました!」


「報告!」


「は!相手の兵力の過半数がゴブリンです。そのゴブリンをオーガが率いているとの情報です!また、ゴブリン上位種はその中に紛れ込んでるとのことです!」


「やはり、魔王軍か……続けよ」


 本来、他種族を率いることは魔物では殆どなく、魔物と会話が可能な魔族以外ではあり得ない為、レリナは魔王軍と断定したのだ。


「残りの魔物については、『果てなき森』に生息していた、ナイトスパイダー、ブレッドボア、クレイジーモンキーと、浅い層に生息する魔物ばかりです!」


「わかった。警戒対象について教えろ」


「は!中層でも上位に入るリッチ2体、劣化竜(レッサードラゴン)3体、トロール6体、魔眼蝙蝠(イビルバット)が10体います」


「警戒対象を全軍と共有し、現れた時は近くにいる隊と合同して戦闘に当たるように通達せよ!」


「は!」


「団長、まだ魔族は現れてないみたいですね」


 レリナと共に話を聞いていた副団長であるクルックは、絶対に潜伏しているであろう存在について尋ねた。


「恐らくまだ戦線に出てないだけであろう。出てきたらその時は私が出陣をする。その時は騎士団への指示はお前が代われ」


「了解しました」


 レリナは徐々に激しくなっていく戦線を横目に、その奥に潜んでいるであろう存在を()()()()


「全く、すぐに出てくるとはせっかちな奴だ」


「団長、指揮の交代の任務を承ります」


「頼む。私は()()討伐にでる」


 そう宣言すると、15メートルある壁上から飛び降り、馬の全力を越える速度で駆け始めた。








 その様子を魔物に紛れて見ていた、口が裂けている男が、()()()()()()()()()()()()()




「全く、外れくじを引いたみたいですね。いや?もしかしたら大当たりかも知れませんね〜。これから『武王』と名高い()()()()()()ことができるのですから」


 そう言って、魔族の男は恍惚な顔を浮かべ、彼女(獲物)を待ち構えていた。



 

 何故か先程までいた魔物達は消えており、彼の周りだけ奇妙な空間がポツリと開いていた。



 天気は彼の口が上がると共に雲が太陽を隠し始めた。




 

 ーーー南区にて悪夢が蠢き始めたーーー











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