防衛戦 北区
少し描写を変更しました。
「テメェら!!気合い入れてけよ!!!」
「「「「ウォオオオオ!!!」」」」
冒険者達が振り分けられた北区では、魔物を上回る怒号が戦場に響き渡っていた。
兵士は壁上で侵入を食い止め、また遠距離攻撃を持つ者も壁上から地上戦をしている近距離戦闘員に支援をしていた。
「クナラさん!魔力回復しました!」
「了解、第二陣は次の攻撃で交代します!」
B級冒険者のクナラと呼ばれる男が指示を出した。彼は魔法隊のリーダーをしている最高戦力の一人だ。
「交代完了しました!」
「地上部隊に当てないように威力は弱くてもいいので、遠くに当たるようにして下さい!回復部隊はどうですか!?」
「今の所は大丈夫です!」
北区では魔法使い全体のリーダーとしてクナラ、地上部隊にザクナという男をリーダーとして、それぞれに最高戦力であるB級の冒険者を付けていた。
(この襲撃は恐らく魔王軍のもの。つまり、奴らが潜んでいる可能性が非常に高い。警戒しとかないとな)
クナラは魔法使いであるが、どちらかと言えば中距離が一番力を発揮できるが、今回は全体を監視して奴らが出現した時に対処できるように遠距離から指示を飛ばしていた。
「脆いぞ!魔物ども!!」
地上部隊の戦闘では大剣を振り回して魔物を殲滅していく男がいた。
「ザクナさん!第二陣と交代しますよ!」
「了解!もう少し粘ってから戻る!!」
ザクナは得意の大剣で殿を務めた。
「テメェら!一度でかい一撃を撃つ!!その瞬間に交代しろ!!」
「「「おう!!」」」
すると、ザクナは剣を水平に持ち全力で横に振り抜くと同時にスキルを発動した。
「死に晒せ!『振動』!!!」
その瞬間にザクナを中心として扇形状に象ほど重そうな敵を吹き飛ばす程の衝撃波を放った。
敵はドミノ倒しにより、侵攻が少し遅れた。その結果、交代は怪我人なしに行われた。
「ザクナさん流石です!」
「まあな!しかし、奴らは何処に潜んでいる?」
彼もまたクナラと同じように警戒をしていた。本来ならスキルを使わずに全体が強力して行えば良い交代も、奴らに対して最高戦力であるザクナが抜けても大丈夫なように、全体の体力を温存させた。
「奴らとは?」
ザクナの近くで休んでいたまだ少し若い青年が尋ねた。
「ん?何って魔族のことだよ」
「やっぱりいるんですかね……」
「恐らくな」
冒険者は情報の速さが大切だ。そうなれば勿論この戦闘に参加している冒険者は魔族が出る可能性を知って参加している。
その理由は様々だが、その心の奥底にあるのはこの街を守りたいという思いがあるのは違いないだろう。
「大丈夫だ、もし現れても俺たち『竜撃』が魔族を討伐してやるさ!もし駄目でも、幸いなことにこの街には勇者がいるんだからな」
ーーー魔物の群れの中にてーーー
「ーーーりょ〜か〜い。そろそろ出陣ね」
そこには子供のように小柄な人のような姿があった。
「ーーーうんうん、わかってるって。気を付ければ良いんでしょ?」
魔物の群れの中にいてはすぐに殺されてしまうだろう。ただ、その子供が普通であるなら、の話だが。
「ーーも〜うるさいな!じゃ行きま〜す」
その子供には本来なら存在しない部位、魔族しか持たない悪魔のような翼を生やしていた。
「さて、虐殺していこうかな?」
小さな怪物はついに動き出した。
彼女の去った場所には、子供が粘土を作るように身体を歪に付け加えられた、生命への侮辱とも言える作品が残され、生臭い匂いが当たりを彷徨っていた。
しかし、これはまだ始まりに過ぎない。
本当の悪夢はこれから起きていくのだからーーー




