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酒を与えよ、さすれば許してやる


 とある宿に併設された居酒屋にて、


「「「本当に申し訳なかった」」」


 世界で知らない者はいない勇者パーティーに謝罪を受けて、他の客の注目を浴びる獣の男がいた。


『許してあげたらいいんじゃないの〜、ご主人様?』


 ペットこと、ペルと呼ばれる大きなヒヨコがご主人である獣の男に話しかけた。


「え、別に気にしてないし。今ちょっと酒を飲むので忙しい」


「「「………」」」


 謝罪をしたが軽く許されてちょっと困惑している三人だった。


「そうだぞ!メレル、レル、ガンナ!こんな飲みっぷりのいい奴がそんな狭量な訳ないだろ!店長もう二杯追加で!!」


「おうよ!」


 獣の男こと、ユースが久しぶりの酒を楽しみ、既に樽一個飲み干した姿を見て、細かいことを忘れて一緒に飲んでいるクレルは、ドワーフの種族的特徴の一つである酒豪である。


 そのため、実は転生上の都合で体(肝臓)が強化されていたユースと同じ量を飲んでいた。


「それに、こっちが変な被り物してたのも悪かったしな」


「「「「(それは確かに)」」」」


 四人の思考が一致した瞬間であった。


「追加で、この街に滞在の支援もしてくれたし、更に五年間も彷徨っていた森からも出してくれたしな。感謝することはあっても、謝罪される事はないさ」


「しかし……」


 真面目なチャラ男ことガンナは下手したら殺していたかもしれないと言うこともあり、罪悪感が残っていた。


「わかった。この街に滞在している間は支援をしよう。それに話を聞いた限りでは世間にそこまで詳しくないんだろ?」


 すぐに切り替えて妥協案を提案したのはリーダーであるメレルだった。


「おぉ!是非お願いするよ」


「本人も納得している。これでいいな?ガンナ」


「……まぁ、本人が望んでいるなら」


 そこで固くなった空気は分散し、お互いの事を話し合った。


 そこで、メレルにしか話していなかった情報を共有し、ユースにこの世界の情勢についても話した。


「要するに、現在は魔族の王国とこの国が戦争中で、周りの国と同盟を組んで魔族の国に対抗している状態、と」


「魔族は人とは根本的な基礎力が違うからな、彼等に対抗できるのは進化した『四帝皇』、『五賢者』、一応元人間である事から『第四魔人』かな」


「その主力となっているのが、勇者パーティーと」


「そうだ」


「君達は進化はしていないのかい?」


 ユースは転生の特典により進化したので、詳しい事は知らなかった。


「残念ながらな。進化には一応近づいてはいるが、どうしても90レベルの壁を通過するのが難しくて……」


 この世界はステータスは存在している。しかし、それは現在のレベル、そしてスキルしか確認は出来ない。


 この世界のレベルの概念としては、()()()()()()()()と定義されている。


 これは生まれ持ったレベルがそれぞれ異なる事からそうされている。


 レルがメレルが急に黙り込んだのに代わり続けた。


「レベルアップ、この現象についてはまだ詳しい事は判明していません。ですが、各国が発表している条件としては、1『他者の命を奪う事で増える事』、まぁこれは同族の場合は効果は無いんですが……まぁ、その先はご想像にお任せします。2、『体験を積み重ね、実力が一定以上の水準に達すると増える事』、まぁ、こちらの方が一般的には多い事例ですね」


「なるほど、途中なんか闇が見えたが気にしない事にするよ」


「ええ、その方がいいですよ」


 話がひと段落したところで、飲み会は解散となった。宿については勇者パーティーと同じ少し高めの部屋を取ってくれた。


 部屋に着くと、ペルがベットに飛び込む事を予想して、森の中で精度を上げた『熱操作』の魔法により汚れだけ蒸発させた。


 更に、ベットが重さに耐えられるように魔力を流し込み耐久度を上げる『強化』によりベットが壊れないようにした。


 この殆どがペルの尻拭いをやっている内に新しく身につけた力だ。


『とう!!!』


 ボフ!とベットが漫画の様にしなったが、ユースの支援により壊れなかった。


『ご主人!ご主人!!このベット凄く柔らかいですよ!』


「はいはい」


『あとご主人様』


「何だ?」


『……眠たく……zzZZ』


「はや!」


 まさにこの時間約3秒、某メガネ男子の記録に迫る速さであった。


「……はぁ、もう少し晩酌してから寝るか」


 こっちもこっちで、致死量に匹敵する酒を超えて飲んでいた。


 これで前世でもアルコール依存症でないだから驚きである。










 

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