勘違いはどうでもいい理由でよく始まる
(私以外全滅か……、予想以上に歴然の差がある)
メレル以外は既にユースによって昏睡させられた。
(切り札を使う必要があるな。今後で不利になる可能性があるが、今生き残らなければ意味がない!)
勇者パーティーでも頭一つ抜きん出たメレルに、警戒して様子を観察していたユースであったが、メレルの雰囲気が変化したのを感じとった。
「残りは一人だ」
ユースが牽制してそう言うと、
「…そうだな、だが私はそう簡単にやられないぞ?」
そう言うと同時にメレルが『スキル』を使おうとすると、
「多くの魔物がこっちに来てる!」
『ご主人様〜、いつまで遊ぶの〜?』
傍観していた二人が危険を察知して戦いを終わらせた。いや、一人は飽きただけだった。
「「…………」」
対面していた両者は、それでもしばらく構えていたが最初に剣を下ろしたのはユースの方だった。
「諦めたのか?」
「いや、これよりも魔物の処理をした方がいいだろう」
「何?魔物を操る能力を持つ魔人が、魔物を好んで狩るのか?」
「ん?」
「え?」
実は魔人が所有する共通の特徴として、魔物を率いることが挙げられる。
魔人は言うなれば魔物の上位互換であり、一部を除く魔物よりも力が強く、且つ知能も高い為、魔物を率いることが多くある。歴史にもなっており、世界の常識とも言える。
しかし、そもそもユースは魔人ではない。当然魔物を率いることなどできない。
この時、メレルはやらかした可能性に気づいた。
「……もしかして、魔物を操る能力はないのか…?」
「そりゃそうだろ、ただの人が魔物を操れる訳ないだろアイツらは殆どが凶暴性を持つからな」
やらかした可能性ではなく、やらかした。
「………」
「え、もしかして……」
そして、ユースもそう言う魔物に間違われていたと気付いた。先程までは不審者と間違われているだけだと思い、話す前に戦闘になった為、静かにさせれば聞くだろうと思ってたが、そもそも魔物と思われていたと気付いた。
魔物の顔を被る人はこの世界の人からしたら奇行以外の何でもない。その発想すら出てこない人が多いのだから、この結果になったのは必然以外の何でもない。
どちらかといえばやっぱりユースが悪いが、勇者が一般人を攻撃したと言う信用問題を考慮すると、両方とも悪いという結果になる。
「「……………」」
「……取り敢えず、辞めますか?」
「あ、はい」
その後、『アーティ・バーチ』とかいう魔族が現れたが、ユースが少し本気を出した為、登場して1分で退場、その他の魔物もかなり多かったが、メレル、ロゼッタ、ユースが魔法を中心に殲滅したので一時間後には一部は投げたが、ほとんどを討伐した。
伸びていた勇者パーティーのメンバーは、気絶していたので参加出来ないことは仕方なかったが、ペルはまだ戦ってはいないが、高い戦闘能力を持っている。しかし、三名が戦っている中、応援しかしておらず、ユースに出汁を取られていた。
そのことが原因となり、今後メレルとロゼッタからは食的な目で見られるようになるが、それはまた別の話。




