最終手段はやっぱり暴力になってしまう
互いに緊張した空気が流れる中、心の中で自問自答していたユースがついに開き直った。
(めんどくさい、無力化してから話した方が早い)
そう考えたユースは、すぐに動いた。
「相手が動い、がっ?!ふ?!」
パーティーの中でも動体視力に優れていたガンナが声を変えようとしたが、言い切るより前に後ろを取られ鳩尾を強打された。
「まずは一人」
「「「?!」」」
極限まで鍛えられたユースの肉体は、元々超人的であったが、五年間森の中で暮らす内に、魔物の様子を狩りの際、よく注視していたことで、体の使い方をより深く理解して更に強くなっていた。
本人にとっては不本意だろうが。
そのおかげで、爆発的な初動を出せるようになり、万水流の唯一の弱点と言える初動の課題をいつの間にか解決していた。
初動が決まってしまえばここからは独壇場である。
「『挑発』!」
クレルがすぐにスキルを使い、盾役としてユースの足止めをしようとした。
ユースが斬るのに合わせて、受け流しをしてそのままナックルでカウンターを入れようとしたが、
「なっ!いつの間に剣を!」
ユースはフェイントを盾で受け流させていたので、体勢を崩さずにナックルを避け、そのまま猫騙しをした。
剣で攻撃されると考えていたクレルは、一瞬硬直してしまい、不意打ちという形で受けてしまった。
ユースは猫騙しの際に、卓越した魔力操作により、振動する音に魔力を乗せてインパクトが発生する程の音を鳴らした。
「っ……」
本人は魔力で耳を保護していたので無傷だが、まともに受けたクレルは脳震盪を起こし、気絶した。
「二人目」
『流石、ご主人様〜。狩りのとき練習していたのが役にたちましたね〜』
某アニメに影響を受けて、実はカッコ付ける為に練習していたユースであった。
「あの人凄い、あんな正確に魔力操作を操作できるんだ」
ロゼットは魔法使いであるため、ユースの凄さに気付いた。
しかし、勇者であるメレルも魔法を使うので勿論気付いており、更に警戒させる要因になっていたのは、気付いていないだろう。
「すぐに癒しを……!」
ユースの死角に回り込んでいた、レルは密かに回復魔法を練り上げていた。
「レル!回避!」
「え?」
魔力操作が長けた者程、魔力感知が優れているのは魔法使いの間では常識である。
平時ではそれを踏まえて行動をしているレルだが、焦りもありただの死角で魔法を放とうとしたため、すぐに気付かれて鳩尾を強打された。
「がっ?!」
「三人目」
体外に魔力を放出する時に、変換(火、水など)をしない場合はかなりの練度がなければ魔力がすぐに分散する。
簡単に例えると水滴を一つ一つコントロールして、相手の目や鼻、口に全て入れてるような感じです。




