人は焦ると素顔を隠したがる
「それで、この大きなひよこを連れてきたの?」
「……はい」
『こんにちは!』
「「「「「…………」」」」」
果てなき森の一角に正座をしたチャラ男と、堂々と座っているでかいひよこがいた。
ガンナはペル(でかいひよこ)を仲間の元へと突然連れてきた事で怒られていた。そして、その問題となっているペルは元気に挨拶をしていた。
飼い主はまだ現れない。
「全く、そのひよこが手強い魔物だったらどうするの?下手したら私達の内一人は不意打ちを受けたかもしれないでしょ?」
「はい、申し訳なく………」
『あなた達は人ですよね〜、何してるんですか〜』
「……森の調査」
「「「「え?」」」」
すると、さっきほどからペルにしがみ付いていた金髪で褐色肌の少女は、ピヨピヨなくペルの言葉がわかるかの様に答えた。
「貴女、この魔物の言葉がわかるの?」
メレルがそう尋ねると、不思議そうに首を傾げて
「うん?」
「「「「………」」」」
『おお〜、ご主人以外で話せる人初めてです!』
「そうなんだ」
『はい〜』
「主人はどんな人なの?」
『ご主人はーーー』
ペルと楽しく会話をし始めたロゼットを勇者パーティーは、困惑しながら見ていた。
「貴方の妹はテイマーの才能があったの?」
メレルがレルにそう尋ねると、
「たまに動物と話してるのは見た事あるので、多分そうなんじゃないかと……」
「いいじゃないか、ロゼットがあんなに楽しそうなのは滅多にないんだからな!そうだろ!ガンナ」
「まぁ、俺が言える立場ではないけど、確かにそうですね」
「……仕方ない、ロゼットがこの魔物との話が終わるまで待つとしよう」
勇者パーティーで話がひと段落した頃、その様子をかなり遠くから眺めていたユースは一言漏らした、
「アイツ何やってんだ」
一緒に様子を見ようと決めた瞬間に駆け出した、何故か飛ばないペットが、単独行動をして馴染んでいる様子に呆れていた。
「しかし、なんか顔面がなんかもうアニメくらい整ってる人ばっかりだな」
勇者パーティーは、強さは勿論世間に知られている。そして、もう一つ知られているのは美男美女の集まりとしても噂になっている。
勇者であるメレルは、クールで堂々とした姿から『美麗王子』、クレルは明るい性格から『太陽姫』、ガンナはその強さから『剣聖』、レルは聖父の様な性格から『聖人王子』、ロゼットは寡黙ながらも、美しさと可愛らしさを兼ね備えた容姿から『宝石姫』と呼ばれている。
ユースは前世は、モデルや容姿がかなり整った人とは関わることはなく、どちらかと言えば人付き合いは少ない方であった。
そのため、勇者パーティーの姿が更にユースが話しかけるハードルを上げていた。
(それに、ペルが疑われている中、更に野生人の様な格好をした自分が出たらますますややこしくなるだろうな)
ユースは五年間の生活で、元々あった服は全てボロボロになり、森の素材を頑張って加工した服しかない。お世辞にも服か怪しいラインにある服であり、それも出るのを躊躇わせる要因の一つであった。
勇者パーティーは基本的に性格は良いので、素直に出れば多少疑われるがそれだけで済むが、それを知らない且つ、日本人特有の変な気遣いがあったユースは、斜め上の行動に出た。
勇者パーティーのすぐ近くにバレずに潜伏し、全員が注目するタイミングを図って、
「うちのペットがどうしましたか?」
「「「「………」」」」
『あっ!ご主人様〜、遅かったですね〜』
「ん?あれがご主人なの?」
(アイツなに呑気にしてんだ)
思わず突っ込んだユースだったが、
「でもなんで、人の体に双頭熊の顔をしてるの?」
本人もたまたまあった魔物の顔の剥製を頭に被って登場しており、自身もツッコまれる行動をしていた。
『ご主人どうしたんですか〜?』
その結果、
「全員戦闘体制!魔族かもしれん!気を抜くなよ!!」
「「「了解!!」」」
勇者パーティーを変に刺激してしまった。
「…やべ、やらかした」
『ご主人様〜頑張れ〜』
主人の危機なのに、ロゼットに撫でられながら呑気にしているペルだった。
【描写の書き方】
この小説では漢字表記のものと、カタカナ表記のものがあります。
これは作者の感覚で決めており、洋風の世界なのに漢字、和風なのにカタカナ、など違和感が少しあるかも知れませんが、そこは「異世界パワー(なろうだから許して)」としてご了承して下さい。お願いします!




