師を倒すために 2
新しく力を手に入れたが、これをいきなり使って師匠に勝てる筈がない。この力は使えれば確かに強力だ、けれどもこの瞬間に関しては枷にしかならない。
幸い魔法は師匠に通じる事はわかった。しかし、奇襲をしても先程と同じように受け流してしまうだろう。しかも、一度魔法の奇襲をしてしまったので、死角からもう一度しても無意味だろう。
師匠なら簡単に躱す。ここから先は魔法を牽制兼本命として上手く剣術に組み合わせるしかない。
まず最初に、師匠に向かって再び『火属性』の魔弾を死角から放った。
すると、見えていたかのように『流眼』を使って逆に受け流してきた。
「二度通じるとでも思ったのか?」
跳ね返ってきた魔弾を当たる直前にわざと爆発させた。
「?!」
師匠は、まさかの弟子の自爆に一瞬の隙を見せた。
その瞬間に死角と正面から『雷属性』の魔弾を2つ放った。
「くっ?!」
両方とも上手く流されてしまった。しかし、雷属性を選んだのは、
「……手が少し痺れるな」
魔弾に触れるだけで感電させる事ができるのだ。
今の実力だとスタンガン相当のものしか出来ないが、亜神である師匠でも、このレベルなら少し痺れさせれると踏んだが、当たったらようだ。
「流石にそっちだけが遠隔攻撃するのは、フェアではないのぉ?弟子よ見とけよ?」
そう言われた瞬間、寒気が体を駆け巡りその場から全力で離脱した。
「『塒巻き』」
次の瞬間、先ほどまでの場所の近くにあった木が蛇に絞められるように潰れていき、爪楊枝の細さになった。
「……えげつねぇ」
「これは『塒巻き』という遠隔攻撃じゃ。この目の力を手に入れたお主なら使い熟せるじゃろ。これよりも、そっちの爆発の方が危ないじゃろ」
ど正論だった。
「ほれ、ぼーとしてると痛い目に遭うぞ?」
先程と同じ寒気が再びしたが、今度はただ避けるだけでは駄目だと師匠のにや笑いから察して、『土属性』の魔弾を使い砂の煙幕をばら撒き、全力でその場を離れた。
「無駄に感のいい弟子じゃの、ほれ、『土石流』」
煙幕代わりの砂は凄まじい唸りに呑み込まれ一瞬で吹き飛ばされた。幸いかなり横に避けていたので当たらなかったが、後ろはかなり抉られていた。
「………」
初めて見た、師の技に畏怖の念を抱いていると、
「ちっ!外したか、あやつの絶望の顔を見たかったのじゃがな、ってうぉ?!」
思わず『火属性』の魔弾を3つ連続で放ったが悪くない筈だ。絶対あの世に送ってやる。




