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初めてのゲーム配信 #2

虚空さんの配信を見ながら彰人は物思いにふけっていた。コメントを確認できるように自分のスマホで虚空さんの配信ページにアクセスし、イルポンのアカウントで視聴していた。


「(確かに人が来るようになった・・・でも、そのほとんどがnyちゃんねらーしかいない)」


おそらくこれは大道寺可憐が推したというのが大きいだろう。彼女は先の配信で手代木花と一緒になって問題を起こした。それでネット上の話題になりnyちゃんねらーが食いついた、というのがある。現に大道寺可憐の配信はnyちゃんねらーが多数見受けられる。


さらにここ3ヶ月間の虚空さんの活動もnyちゃんねらーを呼び込む原因となっていたのだろう。虚空さんのような純粋無垢なキャラクターはnyちゃんねらーにとっては恰好の餌でしかなかった。


彰人は考える。虚空さんの目的はあくまで”楽しい雑談配信”だ。今回はゲーム配信ということもあり、見に来てくれる人にもだいぶ偏りがあるようだった。




土管をくぐり2面がスタートする。デケデケデケ・・・という8bitゲーム特有のBGMとともにステージを駆け抜けていく。


虚空さんもだいぶ慣れてきたようで、ブロックを壊しながら進むステージなのだが、特に迷うことなくプレイしていた。だが一つ問題があって・・・


あんだーそん「しゃべれwww」


惣流「なりふり構ってらんないのよぉ!あんたたちにぃー!」


だいだい「www」


そう、ゲーム実況ということなのだが先ほどから全くしゃべってないのだ。


病んでるとグレてる「コメント見てるー?」


ポッポ時計「みてないっぽいなwww」


彰人はそういったコメントが並ぶのを見てどうにかして虚空さんに喋らせなければ、と思案する。しかし、話しかけてしまえば自分がいることがばれるかもしれない。


そうしているうちにゲーム中盤のリフト地帯にやってきた。ここは無数のリフトが上下から動いており、タイミングを逃すとそのまま死に至るという初心者殺しの地帯だ。


新帝国ニッポンポン「ここ難所だぞ」


だいだい「俺もここでよく死ぬwww」


配管工が立ち止まり様子をうかがう。そのときやっと空がコメント欄を見た。


「あっ!ごめんなさい!ゲームに夢中で見てませんでした!」


クソ汁「wwwww」


二階堂紅しょうが「いいってことよ」


戦慄の旋律「しゃべらないゲーム実況とか初めての体験」


アバターの虚空さんが手を合わせ謝罪する。


「ごめんなさい!・・・ここはどうすればいいですか?」


ミミィ「ぴょんぴょんぴょーん でおk」


ステルス忍者「もたもたしてると死ぬからな」


リフト地帯はまず上方向に向かうリフトに乗り、タイミングを見計らって先にある地形に降りる。そして今度は下方向に向かって降りてくるリフトに乗ってタイミングよく脱出する、というのがセオリーだ。


「ぴょんぴょんぴょーん・・・ですね、やってみます!」


そういって虚空さんは配管工を少し後ろに下げてからBダッシュをして助走しながら走り始めた。


そして勢いそのままにリフト地帯に突っ込んでいく。大ジャンプをして上方向のリフトへ乗り、再びジャンプして降りて中間地点に着地する。そしてBダッシュのまま下方向のリフトへジャンプして飛び乗る。そしてすかさずジャンプをしてリフト地帯を抜けることに成功した。その様子にコメント欄が沸く。


新帝国ニッポンポン「うおおおおおおお!」


カエル軍曹「こえええええwwwwww」


病んでるとグレてる「面白すぎるwww」


「やったー!これでいいんですよね?」


経験者ならばノンストップで走り抜けるプレイヤーも少なくないが、虚空さんは完全初見であり、そのことは視聴者が一番わかっていたことだったのでこの攻略法は度肝を抜いたようだった。


そして土管に入り地上へ戻る。そしてゴールである旗の下のほうにしがみつき、無事ゴールしたのだった。


そして3面に到達。ここでは新しい敵が登場する。だいぶプレイにも慣れたようで順調に進んでいった。すると一匹の敵が歩いてくる。すかさずジャンプしながらファイヤーボールを当てる。しかし、ボムッという音が鳴り、そのまま相手は歩き続ける。


「?」


虚空さんは不思議そうな顔をしていた。その後もファイヤーボールを執拗に当てに行くが相手が死ぬことはない。


二階堂紅しょうが「効かねぇよwww」


病んでるとグレてる「学習しろwww」


やがて地上で至近距離のままファイヤーボールを連打しまくる。


ズモモモモモッというタピオカミルクティーを飲むときの擬音みたいな音が広がっていた。


そのままメットカブットールは配管工にぶつかり、配管工は小さくなってしまう。


あんだーそん「ああああああ」


ニヤ厨「初見でもこれはないだろwww」


ステルス忍者「踏むしかないんだ!踏め!」


混乱しながらもコメントを確認して配管工を操作し、上から踏みつける。そしてそのまま体当たりする。メットカブットールは画面外へとスライドしていった。


だが直後、画面外からすごい勢いでメットカブットールが画面外から戻ってくる。その突然の出来事に対処できず配管工にぶつかり死んでしまった。


だいだい「あるあるwww」


ステルス忍者「どんまい」


彰人も視聴者と同じことを感じていた。どうしてゲームに不慣れな人というのは決められた行動を永遠に繰り返すのだろうと。効かないとわかっているはずなのに、その行動をやめようとしないのだ。


だがこれは”今までにない初見プレイ”になっているという手ごたえを感じていた。


二階堂紅しょうが「あいつにはファイヤーボールは効かない、いいね?」


病んでるとグレてる「もう打てないけどなw」


残機は3。少し戻った場所から再開する。今度は慎重に進めていき、3面を無事クリアした。


そうしているうちに彰人のスマホに新着メッセージが届く。彩香からだ。


「彰人、今もしかして空と一緒?」


なんでわかったんだろう?と疑問に思いつつ「ああ、今一緒にいるよ」と返信した。


すると「そっか。把握」というメッセージがすぐに届いた。


そして4面。カァッパ城へと足を進める。このステージの最後にいるカァッパを倒せばステージクリアだ。印象的なBGMとともに先にすすむ。


途中でパワーアップキノコを取ってスーパー配管工へとなり進む。


このステージは敵が出ない。その代わりに火の玉や火の棒を避けながら進まないといけない。途中、画面右から炎が飛んでくる。それを見た虚空さんは驚く。


「わっ!なんですかこれ!」


だいだい「なんですかぁって見りゃわかるだろw」


ステルス忍者「いや、こんだけ画面荒いし初見なら驚くだろ」


マジレスくん「カァッパの吐いた炎だね」


「カァッパ・・・?」


疑問に思いつつ先へ進む。そしてついにカァッパとの一騎打ちが始まった。


カァッパは出会い頭に炎を吐いてきた。それをジャンプでかわし距離を詰めるが・・・


「えっ?これどうすれば?」


”踏めば倒せる”というのをここまで来るのに学んでいたのでジャンプして踏もうとするが、ダメージを受け配管工は縮んでしまう。


二階堂紅しょうが「そのまま走り抜けろ!」


カエル軍曹「くぐれ!」


ダメージを受けた直後は”無敵時間”が存在する。その隙にカァッパを振り切りクリアである”金の斧”に触れればいいのだが・・・初見の虚空さんがわかるはずもなく、後退して距離を取った。


病んでるとグレてる「初見なら仕方ないな・・・」


戦慄の旋律「これクリアできるのか?w」


そうしているうちにカァッパの身体に触れてしまい死んでしまった。


そしてカァッパ戦の直前からスタートする。当然チビ配管工のままだ。


ステルス忍者「カァッパがジャンプしたら下をくぐり抜けて。金の斧に触れればクリアだから」


視聴者もここまで見てきてだんだん丁寧になってきていた。煽ったりせずに的確なアドバイスをくれる。それを確認し、再びカァッパに挑む。


じりじりと距離を詰めながら二人は対峙する。カァッパの動きは完全ランダムだ。炎を吐く動作とジャンプする動作を織り交ぜながら行ってくる。


そして、炎をジャンプで避けたとき、カァッパが前方向にジャンプした。


カエル軍曹「くぐれ!」


クソ汁「くぐれ!」


先ほど教えてもらった通りカァッパの下をBダッシュで駆け抜ける。そして橋の端まで到着したのだが金の斧に触れられない。


金の斧に触れるには段差があり、ジャンプする必要がある。カァッパがじりじりと後退してくる。


ここまで来たらなんとしてもクリアさせてあげたい。彰人はスマホにコメントを入力した。


イルポン「そこでジャンプして!」


コメントを確認した虚空さんの顔が笑顔に変わる。そして・・・


「イルポンさん!・・・わかりました!」


そうして金の斧に触れ、カァッパのいた橋が崩れ落ちる。そしてカァッパはマグマの中へと落ちていった。




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