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nyちゃんねる

家に帰る途中で食材を買って帰ってきた。ここ数日はレトルト食品ばかり食べていたので、久しぶりに自炊しようと思った。


今日はチンジャオロースにしようと思った。久しぶりにしっかり食べたい。スーパーで白ご飯を買ってきているのでチンジャオロースを作ればOKだ。




まず、豚肉は細切りにして、ボウルに片栗粉を除く下味の材料と入れてもみ込む。全体になじんだら片栗粉も入れて混ぜる。ピーマンを縦細切りにする。たけのこはすでにカットしてある水煮のものを使用した。


フライパンに油を熱して肉をほぐし炒め、ピーマンとたけのこを加えて炒める。


合わせ調味料を入れて、手早く炒め合わせる。そして完成。彰人は食費を節約するためもあるし、自分で料理を作ることも好きなのだ。レシピはネットで見ればいい。


食欲をそそる香りが台所に広がる。ご飯をレンジで温め、テーブルに持っていく。




「いただきます」


手を合わせてから食事を始める。やはり自分で作った料理はおいしかった。


使ったフライパンなどを洗い、ひと段落つく。コーヒーを淹れパソコンデスクへ座った。




パソコンを使って動画とネットの掲示板であるnyちゃんねるを閲覧していた。


まずは動画。YourTubeというこの世界最大級の動画サイトである。VTuber達もこのYourTubeに投稿している。ほかにも動画投稿サイトあるものの、そもそもの規模が違いすぎる。YourTubeはもはや動画投稿サイトのデフォルトスタンダードだった。




そこでサラリーマンファイターⅡXの攻略動画を検索してみる。人気格闘ゲームなだけあってたくさんヒットする。その中から”勝てるWeb!SFⅡX~ドスコイ対策編~”という動画が目に留まった。今の自分にぴったりだと思いクリックしてみる。


その動画を見ているとドスコイ使いはタカシ対策が万全らしかった。”飛び道具があれば勝てるだろう”といった安易な発想はやめるべきだと動画のテロップにあった。


彰人は自分のことを言われているようで苦い顔をした。


キャラはタカシから変えるつもりはない。あくまでタカシを使って勝ちたいのだ。


そうやって動画を閲覧しつつ、最大の大型匿名掲示板”nyちゃんねる”にアクセスする。




その目的は”虚空さん”のことだった。ネットの掲示板には様々な情報が飛び交う。


VTuberとしてデビューしたのであれば専用スレッドがあってもおかしくはない。


VTuber板へ行き、検索をかけてみる。すると”虚空”の文字を発見した。




[現役JK][かわいいやったー]虚空たんスレ パート1




とある。現役JKがバレているのはおそらく空は嘘をつけないのだろう。何歳?などの問いに対してそのまま答えたに違いない。彼女にネットの恐ろしさをきちんと教えてあげないと、と彰人は思った。


nyちゃんねるの住人は煽りなどの”超攻撃的ねらー”が多く存在する。




<超攻撃的ねらーとは>


煽り:4 暴言:2 不幸自慢:2 ニート:1 躁鬱:1 ボランチ:1 ゴールキーパー:0


と言った割合で攻めてくる人たちのことだ。




とりあえず開いてみる。そこにはnyちゃんねる独特の空気があった。


「ぼっちで陰キャの虚空たんを応援するスレッドです」とある。そして何件かの書き込みがあった。




栗鈴「陰キャっていうな」


名無しさん「と陰キャが申しております」


名無しさん「つかあのアバターどうにかならん?キモい」


名無しさん「あれが虚空たんだろ!いい加減にしろ」


名無しさん「俺もあのアバターは変えたほうがいいと思うが」


そこまで見て彰人も思う。あの堕天使のようなアバターは虚空さんには似合わない。


見た目で損しているなと感じていたのだ。もっと似合うアバターがあるはず。空の部屋でいじらせてもらおうと思った。


その後もポツリポツリと書き込みはあったが、いつも通りの流れなので流し読みするにとどまった。




そうしているうちにLINEがメッセージを受信する。そのメッセージは悟からだった。写真も添付してある。


「お、スーパー配管工ブラザーズと3、岩男2か」


悟の従兄弟の兄ちゃんはセンスがいいと思った。特に配管工ブラザーズは1と3を持っている辺り、アクションゲームが好きなんだろう。


配管工ブラザーズ2はハードが違うため、なかなか持っている人はいない。そして1と比べて難易度もかなり高めなのだ。


岩男2は知らない人がいないくらいの名作ゲームだ。アクションゲームの金字塔と言ってもいいだろう。彰人も久しぶりにやってみたくなった。


「サンキュ。今度飯でも奢るから」


そう悟に返信したのだった。




それからの毎日は穏やかに過ごしていた。相変わらず彰人を無視するクラスメイトはいたがもう気にならない。空も悟に言われたんだろう。学校では一定の距離を保って接してくれていた。それに空と朱里、そしてクラスメイトである女子が混ざり談笑しているあたり、新しい友達も増えたんだろう。学校生活は順調のようだ。彰人はそれを嬉しく思う。部屋に行ったらいろいろと聞いてみよう。




そして日曜日。悟から受け取ったAV家庭的機械や必要な機材も持ち駅に向かう。空の家は彰人の家から3駅ほど離れた場所に存在した。駅に着いたら空にLINEを送る約束をしていた。そして電車に乗り込み、目的地へ向かうのであった。



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