33.下校中
「で、今日の部活ってどうします?」
「あ、私が来るの遅れたせいでもうこんな時間か。今日はもうお開きにするか」
二条先生は時計を見ながら答える。俺も携帯で時間を確認するとも五時前になっている。
「あ、じゃあせんせ~、今日から車で送ってくれるの?」
「あ~、今日は面倒だしこの後、職員会議あるからダメだ」
職員会議があるっていう正当な理由があるのだから最初の一言絶対余計だろと思ったが二条先生が怖いので口には出さない。
「じゃあ、はるっち一緒に帰ろうよ」
「ひょ?」
突然俺と一緒に帰ろうと誘われて某インセクターみたいな声を出してしまった。
「何その変な鳴き声……」
成宮さんは軽く引いている。高橋さんあたりだったら爆笑していそうだが成宮さんは結構キツイ感じのようだ。いや俺が変な声を出したのが悪いのか。
「あ、ああ、大丈夫だよ」
「やった~、じゃ帰ろ、ていうか途中までみんなで帰った方が良いか」
「あ~、そうだな、極力みんなまとまって帰ってもらえると先生としても助かる」
と先生からのお達しがあったのでみんなで途中まで一緒に帰ることになった。部長の加藤さんが部室の鍵を閉めて二条先生に鍵を渡して下駄箱まで向かう。
「この後、どっかファミレスとか行かない?」
成宮さんがみんなに提案する。みんなはう~んと悩んで加藤さんが口を開く。
「でも早く帰った方が良いって先生に言われてるからね~」
「勿論、そんな長居しないよ。みんな駅の方でしょ?駅前のファミレスなら、ね?」
成宮さんは加藤さんにウィンクをしておねだりをしている。加藤さんはは~とため息をついて少しだけねと承諾した。下校中、女子達三人並んで歩いている中、俺は後ろに一人で付いていく。流石に女子達と並んで歩きながらはなんとなく気恥ずかしさを覚えたためだ。
「っていうかはるっち、何でそんな後ろ歩いてんの?」
そんな事を考えたら前を歩いていた成宮さんが俺に話しかける。するとほかの二人も俺を不思議そうな顔をして俺を見ている。
「い、いや、四人も並んだら邪魔かな~と思って」
俺は慌てて言い訳をする。
「まあ、他の人がいるならやめた方がいいけど今他に誰も通ってないから気にしなくても」
辺りを見渡すと車道に車は走っているが歩道を歩いているひとはいない。中途半端な時間なせいだろう。
「ま、まあ、そうだね」
慌てて出した言い訳なのであっさり論破されてしまった。どうしよう。
「まあまあ、女子達ばかりで照れてるんだよ」
「フヒッ、両手に花でござるな」
困っていると加藤さんが助け舟を出してくれた。あと、吹本さんは余計な茶々を出さないで欲しい。
「ふ~ん、そっか~、はるっち、めちゃくちゃモテるのに女の子慣れしてないんだね」
「そ、そんな俺はモテないよ」
成宮さんは何か難しい顔をしてそんな事を話した。俺はモテているのだろうか。そんな事を前の記憶の立花さんに言われた気がする。
一か月振りに書いたけど全く話が動いていない。
頑張って考えます




