32.部活の方針
全然話が浮かばない……。 ブクマや感想、レビューお待ちしております。
俺達が部室でしばらく話いていると部室の扉がばーんという衝撃音と共に開かれた。
「おうおう、やってるか~?」
二条先生がどうやら部活の様子を見に来たようだ。イスに座っていた俺と目が合ったので俺は軽く会釈をする。ただ誘拐されたときの記憶があるのでやはり警戒してしまう。
「おっ、杉下ホントに来たんだな~」
「は、はい」
二条先生と近付くために体験入部したとはいえ、やはり緊張するな。
「杉下、もう入部決めたのか?」
「い、いえ、今回取り合えず仮入部して考えようかな~って」
正直、事件の真相を確かめる為、先生に接触する事が目的だ。それが出来ないようであれば入部する必要も無いため、取り合えず濁しておこう。
「え~、はるっち入ろうよ~、可愛い女子達とハーレムじゃん」
成宮さんが机に肘をついてこちらを見つめて来る。誰がはるっちだと心の中で抗議をする。当然怖いので口には出さない。
「こら、咲、無理強いしちゃダメだよ。体験入部したいってことは興味はあると思うし、楽しそうって思ってくれたら……ね」
加藤さんは優しく諭しているが、その目には期待感がこもっているように見える。まあ、部長としたら貴重な部員を確保したいという事なのだろう。野々宮さんは何故か端でニヤニヤしてこちらの様子を眺めている。
「まあ、杉下は無理やり入部させるとしてこれからの活動どうするかだなあ」
二条先生は何か聞き捨てならないことを言った気がするがとりあえずスルーするか。
「どうするかというのは?」
「おう、部長、いや……、杉下の前で言うのもあれなんだが、佐藤の事件があって部活の活動の制限をという話が教師と保護者の間から出ていてな」
学校で生徒が殺されるという凄惨な事件があったのだ。普通に考えてそういった不安が出るのは当然と言えるだろう。放課後生徒達を残らせて何かあっては学校の問題にも関わるだろうし。
「なるほど……」
「実際、サッカー部や野球部とか遅くまで活動しているような部活は大分早く帰らせるように制限しているらしくてな。他の部活もどうするかって会議になってる」
「センセー、でもうちらそんな遅くまでやらないし、活動も週二回しかないじゃん」
成宮さんが抗議の発言をする。意外だ、彼女みたいなタイプは早く帰りたがると思っていたが本当にこの部活が好きなのだろう。野々宮さんも発言こそあまりしないが苦々しい顔をしている。
「だなあ、まあうちみたいな活動がそんなに大変じゃないのは制限しなくてもいいかなとは思ってはいるんだよな」
「あ、そういえば先生って確か車で出勤してるよね?」
「あ?そうだけど、それがどうした?」
「だったら部活が終わる時間先生が駅まで送ってくれればいいじゃん!」
「ああ!?」
成宮さんの提案に二条先生は面倒だと感じているのか嫌そうな顔をしている。だがその後、少し考えるようなそぶりを見せた。
「いや、でもそれもありかもなあ?」
「マジ?」
「いや、私的には凄い面倒なんだが、下校時間の後、車で登校路パトロールしろって上から言われてるんだよな」
「そうなの?」
確かに前の記憶でパトロール中の二条先生と会ってそのまま誘拐されたんだった。
「まあ、私も部員が危険な目に合うかもしれないって言うのは心苦しいしな」
「いや、先生、そんな事思ってないでしょ」
何となくで成宮さんは発言したのだろうが、二条先生がすごい睨んでいる。大丈夫なのだろうか。でもこれは俺にとってチャンスかもしれないな。帰りの車で一緒になる時に先生から情報を引き出せれば事件の事が分かるかもしれない。




