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プロローグ
みんなは子供の頃何に憧れていただろうか?――俺、百瀬嵐は無論というか男の子なら当然と言うべきか特撮のライダー系に憧れていた。
単騎で複数の怪人相手に戦う姿が当時の俺にはかっこよく見えていた。その気持ちは今も衰退したと実感することはない。むしろ昔より強く思ってる日々だ。
数年前まではとても平和そのものだった世界も今じゃその影すらも見えない。まるで特撮の世界に入ったと言われても不思議とは思えないぐらい人の形を模した異形が現れたせいで毎日というほどではないが少なからず被害が増え続ける一方を辿っていた。
俺が今、呑気に高校へと向かう事が出来ているのはその異形達から守ってくれる存在がいるからだ。
――まさか、俺自身が守られる側から守る側になるなんてこの時の俺は知らなかった。