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星空の彼方へ

作者: 碧蜜柑

ポポとピピは仲良し。いつも丘の上の花畑で二人で遊んでいました。


ある日、ポポは花畑に来ませんでした。


次の日、花畑に来たポポにピピが声を掛けました。


「昨日は来なかったね、どうしたの?」


ポポは、ぽろぽろと涙を流しながら、言いました。


「うちのウサギのミミが死んじゃったんだ。」


ポポは、ミミのお葬式で昨日は花畑に来られなかったのでした。


「そうか、それは悲しかったね。」


ポポは、涙を流しながら、


「ミミに会いたい。」


と泣き続けました。


ピピは、ポポを抱きしめると、


「今夜、夜に、この花畑で会おう。」


と言いました。


ポポはよくわからず、泣き続けました。


その晩、ポポが花畑に行くと、ピピが天体望遠鏡を持って待っていました。


「亡くなった者は、星になるって、お祖父さんが言ってった。ミミを探そうよ。」


ポポは、そんなわけがないと思いつつも、気が付くと星を見るのに夢中になり、心が少し癒されていました。


「ポポ、忘れないでね、僕が亡くなっても、きっと星になって君を見続けるよ。だから泣かないで。」


ポポは、ピピの優しさに、さっきとは違う涙を流しました。



あれから何十年たったでしょう。


ピピは花畑に一人でいました。


今日はポポのお葬式でした。


あの日、ミミを失ったポポの気持ちは今では痛いほどわかります。


「僕はとても残酷なことをポポに言ったのだろうか?」


胸が苦しくなって、声をひそめて泣きました。


何時間たったでしょう。夜空には満天の星が輝いていました。


「ピピ、どうして泣いているの?」


いつもこの花畑できいていたポポの声が聞こえました。


「ポポ・・・!?」


ポポは、優しく微笑むと、ピピにこう言いました。


「亡くなった者が星になるって教えてくれたのは君じゃないか。」


ピピは涙が止まりません。


「星は、とても長い間光を放って生きつつづけるよ。だから、いつでも君に会える。寂しくなったら、空を眺めて、僕に会いにおいで。僕は、雨でも、曇りでもけして消えはしない。少し見えないだけさ。だから悲しまないで。」


ポポはそのまま、星の光に吸い込まれて、空へと昇って行きました。



数年のときがたち、ピピにも寿命が訪れようとしていました。


泣き顔の家族に、ピピは笑顔でこう言いました。


「悲しまないで、僕には星になった親友が空で待っているんだ。いつか君たちも会えるから。」


そういうと静かに目を閉じ、数時間後、眠るように亡くなりました。



花畑で戯れる子供たちは絶えません。


頭上に輝く星たちは、その子供たちを見守っています。


いずれ、命が尽きても、夜空の星になって大切な人を見守るという約束をずっとしてきたのです。


そしてこれからも、ずっとしていくのです。



おわり

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― 新着の感想 ―
[良い点] 寿命がある、ということは別れの必然性を意味し、命ある者は自分の死や親しい者との別れを怖れる。これは何時の時代も変わらない悲しいことでもあるけれど、人類はこの悲しみを何時も乗り越えて今まで来…
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