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女騎士育成記  作者: ベルベル
7/81

風邪

「ゲホッゲホッ」

「咳が出ますね…これを脇に挟んで下さい」

「ずびびび…うん。」

「んー、これは風邪ですかね」


エミリアさん、どうやら風邪をひいたようだ。

だが、病院について教える良い機会だ。今日は病院に行こう。


「かぜ?」

「病気の一つですよ」

「びょうき?」

「体の調子が悪くなることです。安心して下さい、風邪くらいでは何ともなりませんよ」

「分かった。」


とりあえずマスクを渡した。


「これはマスクです。他の人にうつさない為に、咳が出る時はこれをつけて下さい。」

「うん…ゲホッ」

「じゃあ、これから薬を貰いに行きましょうか」

「くすり?」

「体の調子を良くする物です」

「分かった。ずびびび…」




やぁ、エミリアだ。

今日は「びょういん」なる場所に来た。

病を癒す、賢者の様な者がいるそうだ。


「エミリア・ルイツァーリさーん」


次は私の番らしい。


「行きますよ」

「うん」


案内された部屋に入ると、白く長い服を着た人物が座っている。


「よろしくお願いします」

「よ、よろしくお願いします」

「あぁイツキ君、この方がエミリアさん?」


知り合いなのか。危険では無さそうだ。


「はい、じゃあ座って~」

「エミリアさん、ここに座ってください」


回る椅子だ。一体何が始まるのか。


「じゃ、前めくって~」


ん…?どういうことだ?


「エミリアさん、服をめくってください」

「な…!ゲホッ」


イツキ殿は、ここで脱げと言っているのか!?

いや、イツキ殿が私にそんな仕打ちをする筈がない。

まさか…この「いしゃ」とやらはイツキ殿を操っているのか…?


「ほら、音聴けないから」


なんだあれは?まさか、あの形状…まるで蛭の口のようだ。

…あれは血や魔力を吸う道具か?


「ダメ!イツキ!ゲホッ」

「エミリアさん、暴れないで!」


イツキ殿、正気に戻れ!


「イツキ!」

「エミリアさん!」


ギュッ


「へ?」


な、なんだ!?やはり操られているのか!?

…しかし、操られているにしてはこの安心感は…


「え、あ…」

「大丈夫、危ないものじゃないです」


イツキ殿が道具を自分の胸に当てさせた。

お、おぉ…中々良い体を…はっ!私は一体何を!?


「ほら、なんとも無いでしょう?」

「…うん。」

「すごい心拍数だねぇ」

「そ、それは気にしないでくださいよ」


これは、こーらの時と似ているな。

まったく、安心させるのが上手い奴だ。


「じゃぁ、服をめくってくれますか?」

「うん。」


恥ずかしいが、私を思っての事だろう。ここはイツキ殿に従おう。

後ろから手を私のお腹に回している。

この包まれている…守られている感じ…とても落ち着く…


「こっちもすごい心拍数だねぇ」

「こうしてエミリアさんの音を聴いて、異常がないか調べてるんです。」

「はい、後ろ向いて~」

「うん」


今度は私の頭を優しく抱き締めてくれた。

…なぜ、こんなにも落ち着くのだろう。




「今日はどうもすみませんでした。」

「いえいえ、初めては怖い物ですから。それでは、お大事に」

「あ、ありがとう。」

「はい、お薬ちゃんと飲んで下さいね~」


まさかここで暴れるとは思わなかったが、なんとか診て貰えた。

てか、とっさにハグなんてしちゃったけど、超恥ずかしかった…


「イツキ、ごめん」

「気にしないでください。やっぱり、まだ初対面の人は怖いですか?」

「ちょっと」

「少しずつ、急がず焦らず、ゆっくりとでいいですから、頑張って慣れましょうね」

「うん」


そういえば、一つ気になったことがある。

薬を受け取った時、お医者さんに「元気な君たちにサービス入れといたよ」と言われた。一体なんだったのだろうか。


「ん…?」


一つだけ風邪薬とは違う物がある。

…これ、避妊具やん

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