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刀工、三条宗近の転生物語  作者: 鳳凰寺未来
異世界編
3/55

第三話

「ムネチカさま、かっこいい……」

「ねー。なんか、オーラがちがうよね」


 おーら?

 うむ……。分からぬ。

 もっと勉強せねばな。


「はい皆さーん! お勉強のお時間ですよ〜!」


 「集まって下さーい!」という職員の呼び掛けに、御喋りをしていた園児達が渋々集まる。


 ふむ。

 勉強が嫌いなのか、職員の言う通りにするのが嫌なのか……。

 まあ、これからは共に過ごすのだ。

 愛想は良くしておこう。


 全員が集まったのを確認した職員が、何かを取り出す。


「では、今日はこの世界の歴史についてお勉強します」


 ほう。興味深いな。

 知っていて損は無いだろう。聞いておくか。


「この世界の始まりは、約1万3千年前と謂われています。創造神様が0から生み出した世界がこの世界。創造神様は、初めに魔力を世界に与えました。魔力は地を潤し、植物を育て、空気を浄化し、精霊を生み出しました。最初に生まれた精霊3柱それぞれの属性を司る神になりました」


 精霊は実体を持たない。

 故に、実体を持つ生物より神に近い存在だからな。

 有り得る話だ。


「そして、今から1万年前。急激に発達した魔力から魔物が生まれ、魔物から魔族が生まれました。神々は残虐な行為をし続ける魔族と魔物に対抗できる生物を生み出しました。それが、私達人間です。人間に、神々が魔族に対抗できる力、魔法を使う力を与えてくれました」


 ふむ……。


「それから更に5千年後。人間と魔族の戦いは続いています。人間側が不利になり、世界滅亡の危機に陥ってしまいました。そこで、人間達は召喚魔法で異世界から勇者を召喚する儀式を行い始めたのです」


 良くそんなことを思いつくものだ。

 俺は異世界があるなど思いもしなかったぞ。


「1千年前。魔王が誕生し、急激に力を付け始める魔族達。人間の国と激しい戦争が始まってしまいます」


 魔王、か……。

 まあ、魔族も生きて居るのだから、王は居るだろう。


「時は進み、10年前。再び勇者召喚を行う国が増え始め、魔王軍を押し返し始めています。3年前の大規模戦争にてどちらも消耗し、今は休戦状態になっています」


 あの天使に頼まれた、勇者召喚を促している者達が現れたのは十年前、か。


「以上が、言い伝えられて来た歴史です。難しすぎましたかね?」


 否、興味深い。……とは言えないな。

 微妙に分かっていない振りをしておくか。


「ムネチカ様、ありがとうございます。私の様な者の話を最後まで聞いて下さって」


 周りを見渡してみるムネチカ。

 周囲に居た園児全員が寄り掛かったり横になったりして寝ている。


 ならば、猫を被る必要は無いか。


「いえ。きょうみぶかかったので。ついむちゅうになってしまいました」


 「えへへ」と成る可く子供に見えるように言う。


「まあ……。っと。そろそろお昼寝のお時間ですね。ムネチカ様もお眠りになられて下さい」


 と言われても、眠くないしな……。


「せんせい、ほんはありますか?」

「本、ですか? ありますが……」

「みにいってもいいですか?」


 少し悩み、「職員と一緒なら」と了承する職員。

 ムネチカは喜ぶ、振りをする。

 図書室へ向かう途中、違う職員に交代し、交代した男性職員に着いて行くムネチカ。


「此処ですよ。俺も調べものをしたいので、眠くなったら言って下さいね」

「はい。ありがとうございます!」


 早速中に入って本を物色し始めるムネチカ。

 それをじっと見つめる男性職員。


 おお……。

 結構難しい本もあるな。これは是非とも読破したいな。

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