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第4戦闘部隊~コア~  作者: きと
第1章 アリステル編
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第7話 参謀の能力

 北の村メニアは、機械生産で有名な村である。工場が多く、他の村から出稼ぎに来ている者も多くいる。そのため村はいつも多くの人で賑わっている。

 メニアに着いたルドルフ、レオ、ゼクス、ニーナは、その光景に目を見開く。すでにオーリウスは殺戮を始めていた。


「くそっ。レオ!」


「はい。おそらくまだ生き残っている人はいます。そちらを優先しつつ、オーリウスを退けましょう。アスカはまだ着いていません。各々、暴れてきてください」


「了解ッス」


 ルドルフたちは、散らばってオーリウスの兵士たちと戦闘を始めた。



「ジャンさん。メニアに行かないと」


 アスカは戦略室から出ようとする。その腕を、ジャンが掴んだ。


「おぬしは今日はこっち手伝え。第9戦闘部隊は今日人が足りないんじゃ。それに、血を見ないと、強くなれないんじゃろう」


「え。どうして、そのこと」


「ここでも出来ることはたくさんある。それをおぬしに教えてやるわい」


 ジャンは、地図を広げる。


「これは、メニアの地図じゃ。こっちからオーリウスが攻めてきた」


 ジャンは、地図の北から南にかけて指を下ろす。


『こちら、第4戦闘部隊隊長ルドルフ。ジャンさん。民衆はどっちに逃がせば安全ですか』


 通信機器から、ルドルフの声が聞こえてくる。

 通信機器は今、メニアに駆けつけている戦闘部隊と繋がっている。全体を把握し、指示をするのが、第9戦闘部隊の仕事だ。


「だそうじゃぞ。おぬしなら、どうする」


 第9戦闘部隊の仕事を理解したアスカは、一歩ジャンに近づく。そして、地図に手を伸ばす。


「普通に考えれば、こっち。南に逃がせばいいですよね。でも、周りを囲まれている可能性はあります」


「そうじゃ。たとえ一か所の敵を倒して穴を作っても、周りからすぐに敵が来る」


「なら、どうすれば」


 アスカは地図を見渡す。

 村の東側に工場のマークが集まり、西側は住宅街になっている。


「あれ。何で、工場は東だけなんですか?」


「それは、ここに山があるからじゃ。川から流れる山水を工場に使っているんじゃろう」


「山? そして川。それなら!」


「なんじゃ。アスカ」


 アスカは、通信機器に叫ぶ。


「隊長! 聞こえてますか?」


『アスカか? お前、戦略室にいたのか』


「隊長。東側に山と川があります。それなら、谷となる一本道があるはずです。そこから民衆を逃がしてください。一本道なら、敵が流れ込んできても、数人で対処できるでしょう!」


『……分かった!』


 通信機器から、ルドルフの声が消える。


「よく思いついたのぉ。アスカ」


 ジャンが、嬉しそうな顔をする。


「でも。成功したかどうか」


 アスカはまだ、不安そうな顔を止めない。

 戦略室にいて指示するだけでは、実際にどうなっているのか見ることはできない。


『アスカ! よくやった。民衆は無事逃げれたぞ』


『戦闘終了しました』


 ルドルフの声とスピーカーの声が同時に響く。


「良かったぁ」


 アスカは、安心した顔で椅子に座りこむ。


「アスカ。確かに、実際に助けに行くわけではない。でも、自分の力を活かせる場所ではあるのではないかのぉ」


「でも僕はコアで人を助けたいです。トラウマからも、逃げたくないです」


 アスカは、遠慮がちに、しかしはっきりとした口調で言った。ジャンは、アスカの答えを聞き、笑う。


「まあ、チャンスはいくらでもあるからのぉ。気長に行くとするかの」


 ジャンの言葉を聞き、アスカは寒気を感じた。


「それより、答え合わせの続きと行くかの」


「あ、はい。末尾にいる強者のみが使える、見えない言の葉。末尾っていうのは最後。強者は言い換えると、兵。つまり、兵士。最後の兵士っていうのは、第9戦闘部隊ということ。見えない言の葉は、情報。そして、第9戦闘部隊のみが使える情報がある場所っていうのは、ここ、戦略室のことだと思いました」


「正解じゃ。戦略室のことは知っとったのに、王室のことは知らんかったんじゃのぉ」


「あ、それ。2つ目の暗号の」


 2つ目の暗号は、半分違うとイニスが言っていた。それは、王室についての情報と関係がある。


「王室は、アリステル王国のちょうど中心にあるんじゃ。つまり、連想なんかしなくても、国の中心でそのまま、王室を指しておったんじゃよ」


 アスカは、暗号までは正確に解いた。しかし、王室の情報を知らなかったため連想して解くしかなかった。だから、半分正解なのだ。


「じゃが、ここまで辿り着いた。訓練は合格じゃ。参謀の能力も見ることが出来たし、おぬしの力は認めてやるわい」


 ジャンがアスカの手に何かを乗せる。


「何ですかこれ」


 アスカは、手の平に置かれた物を見る。

 それは金属で出来た、小さい細い棒だった。


「第9戦闘部隊隊長が認めた証じゃ。全ての隊長に認めてもらってから意味を成す物になるから、なくすなよ」


 アスカは不思議に思いながらも、その細い棒を受け取った。


「はい。ありがとうございました」


 アスカは、頭を下げて、戦略室を出て行った。



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