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第十二章【≪過去編≫幸福】

それから、3日後……。




誰も居ない小さな病室で、シチュアーノは目を覚ました。


ベットに寝そべっていた体勢のシチュアーノは少し気だるそうしている、どうやらまだ頭の整理が出来ていないらしい。


シチュアーノは、ふと腕の痛みに気がつき、見てみると腕を包帯の様な物でグルグルに巻かれていた。


その腕を見た瞬間、シチュアーノは突然起き上がった。

「サーシャちゃん大丈夫かな」

ひかれた後の事は何も覚えていないため、サーシャも一緒にひかれてしまったのでははないかと、心配になったのであろう。



すると、突然病室の扉が開かれた。

「サーシャちゃん!!」

シチュアーノは反射的にサーシャの名前をよんでしまった様だがカラフルな服が好きなサーシャとは異なり真っ白な服を着ているため、どうやら違うみたいだ。


「アラッもう元気になったの?」


その扉から出てきたのは、看護婦だった。


「な~んだ?看護婦さんか~、あっそうだ看護婦さん!」

「どうしたの?」


シチュアーノは看護婦に向かって聞きたかったことを尋ねてみた。


「看護婦さんサーシャちゃん、って知りませんか?」


看護婦は、少し分からない様なそぶりを見せたのだがハッとした表情をすると、思い出したのかこう言い放った。


「ああ~あの子ね、アナタを連れてきたかと思うと泣いて泣いて、でもしばらくして、走って何処かへ行ったみたい。ああいう子は大体頻繁に様子を見に来るものだけど、そう言えばあれ以来病院に来てないみたいね」


それを聞いて安心したのか、うるうると瞳をうごかして安堵の笑みを浮かべている。


「良かった~サーシャちゃん、無事だったんだ~、ふわ~それ聞いたらなんか眠くなっちゃったよ~」


サーシャの安否を確認したシチュアーノはゆっくりまた眠りについた。

あの事故から更に14日という日にちが過ぎた、シチュアーノはずっと病院で入院暮らしをしているのだが、サーシャは中々姿を現さなかった。


「サーシャちゃん、来てくれないんじゃないかな~?」


サーシャの心の中に半分諦めという文字が浮かんで来ており、少し辛そうである。


すると、病室の扉がゆっくりと開かれた。

いつものことである。

恐らく看護婦さんが定期的に見て回っているのであろう。

そう考え大して目線に入れていなかったシチュアーノなのだが、今日はやけに近づいてくるのが遅いのである。


その様子がおかしく戸の方に目をやると其処には、サーシャの姿があった。


「サーシャちゃん」


そう呼びかけたシチュアーノ。


「待って」


その言葉を遮るようすで、何もゆうなと言わんばかりに、手を前に出しその拳を広げているサーシャ。


確かにサーシャの様子がいつもに比べおかしく下を向き俯き加減である。


「ごめん、私これだけ言いに来たの」

「な~に?」


その言葉に頭を傾げ問いかけるサーシャ。


「本当にありがと、シチュアーノさん、もう私アナタに合わせる顔が無いみたい」


そう言うと、後ろを振りむき帰ろうとするサーシャ

それにしても、かつてサーシャがシチュアーノの事をシチュアーノさんと『さん』づけで読んだ事があるだろうか?

「ちょっと待って!」



いきなりの事で、状況が読めず帰るのを留まらせ様とするシチュアーノだが……。

「ゴメン!!」


そう言ってサーシャはシチュアーノに背をむけドアに手を掛けた。

慌ててベットからシチュアーノは立ち上がろうとするが、急に立ち上がった事による目眩いを感じふらついてしまった。




『ああ~駄目だ、私サーシャちゃんを引き止められそうにないや』




心の中でそう思ったサーシャは、何処かに消えて行くサーシャの背中を見つめてぽろぽろと涙を流し手を伸ばしていた。



それから1ヶ月の月日が経ち退院したシチュアーノはある場所に向かった。

そうサーシャの家である。


結局

あれ以来姿を現さなかったサーシャが心配になり、様子を見にきたのである。

シチュアーノも、あんな事を言われた後である。


此処に来るのに相当勇気がいった事であろう。


少し古めな玄関の前に立ったシチュアーノは深呼吸を一回すると、その扉をノックした。

トントン!


木製のドアを叩いた独特の音が響き渡る。


サーシャは出てくれるのだろうか?


そんな、不安が脳裏をよぎりシチュアーノの表情は硬くなる。

数十秒経っただろうか。


なんの返事もなかった扉はゆっくりと開かれた。


すると、その扉から、俯き加減のサーシャの姿が見えた。

あれから、もう何日も経っているのだが、サーシャの顔に笑顔は無く暗い表情だった。

しかし、サーシャはその俯き加減から、顔を上に上げ、シチュアーノの姿を見るや直ぐにハッとした表情をした。


「サーシャちゃん」


シチュアーノは静かにそう呼びかけた。

しかし、サーシャはいきなり、開いていた扉を閉め鍵を掛けた。


「サーシャちゃん!」


鍵を掛けられてしまったシチュアーノは仕方なく外から声を出し戸を軽く叩いた。

「サーシャちゃん!聞いて」



シチュアーノはそう問いかけたが、サーシャから返事は返ってこなっかった。しかし、サーシャは鍵を掛けた戸の直ぐ目の前に座り込んでいた。


「サーシャちゃん?私ねアナタといつも、いられて楽しかった。だから、入院してる時、ずっと心の中で来ないかな、来ないかなって思ってた」


「だからずっとお友達でいたいの」

その言葉はサーシャの心には、全く届かなかった。


「ねえ、お願い其処から出てきてよ」

しかしそう言ったシチュアーノの問いに対して、サーシャは静かに扉を開き突然こんな事を言い出した。



「嘘つき!」


サーシャはシチュアーノに向かってそう言うと、シチュアーノから小さな声が洩れた。

「エっ!」

「アナタが気絶した後アナタに何度か会いに行ったの、そしたら、アナタのお父さんなんて言った

と思う」


シチュアーノは暫く考えたが何も思いつかなかった。


「ハッハハ!分からないんだ!家に帰って私の事なんて言ってたかって!!」


「シチュアーノはいつも、お前の事を家に帰ってこう言っていたって!『貴族にたかる邪魔な女って』!!ソレを聞いた時は、そうなんだってやっぱり貴族なんてそんな人ばかりなんだって思った!!」


「っち違う!私そんな事いわなッ!」

「嘘よ!!!」

「みんな嘘をごまかす時は、そんな事をいう、いつもいつも困ったら時はソレ、アナタだけは違うって、そう信じたかった!!」



「サーシャちゃん私ね!馬車に引かれかけた時こう思ったの。嬉しいなって、勿論轢かれる事がじゃないよ。サーシャちゃんの為に一生懸命に慣れた事に......。だから、なんの躊躇もなくあそこに飛び込んで行ったし、全く後悔なんてなかった」


サーシャも心の奥底では、シチュアーノの父の言っていたその言葉を嘘だと思っていたのだろう。

その言葉を聞きたかったという様にサーシャの目からはこれでもかと言う程大粒の涙が溢れ出し、サーシャはドアをゆっくり開けた。

「......ごめん」






「うん......許します!」




すいません

きりが悪くて話を無理やり

ちょっと次の更新には時間掛かるかも汗

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