第十一章【≪過去編≫不安】
こんな、幸せがいつまでも……。
これが二人の願いだった。
しかし、そんな矢先の出来事だった。
サーシャは鬼ごっこについ夢中になり公園の外に駆け出してしまった。
「あっ」
シチュアーノから自然に声が漏れ出した。なぜならここは、街の中でも大都市なため、公園の外は交通量が多く危険があるため公園の外に出るのはあまり良くないのだ。
「サーシャちゅーん危ないよ~」
シチュアーノはそう叫んだが、公園の外に居るサーシャの耳には入っていない様子である。
シチュアーノはサーシャに声を掛けるため外に出て注意にいった。
すると、驚く事に先ほどまで向こうの外灯の側にいた馬車が突然サーシャの方に向かって、蛇行しながら凄い勢いで走ってくるではないか。
このスピードで、馬が走ってきたら、もしかしたらサーシャはひかれてしまうかもしれない。
「サーシャちゃん逃げてー!!」
シチュアーノは大きな声でそう叫んだのだが、楽しそうに走るサーシャの耳には聞こえていない様子である。
シチュアーノはすぐさま、サーシャの方に走って駆け寄っていった。
そして、サーシャに追いついたかと思うと、力一杯サーシャの背中に体当たりした。
「エッ……」
サーシャがそう呟やいたかと思うとサーシャの真後ろを物凄い大きな鈍い音が通り過ぎて行った。
サーシャは慌てて後ろを振り返ると、其処には馬車に引かれゴロリと倒れた状態のシチュアーノの姿があった。
「シチュアーノちゃん!!」
慌ててシチュアーノに歩み寄るサーシャ、しかし、シチュアーノから返事はない。
「ああぁぁぁぁあ起きて起きてよ!」
何度も呼びかけて、揺すってもみるが、意識を取り戻す様子が無い。
そうこうしていると、サーシャの声を聞いた街の住人が声を掛けてきた。
「おいっ譲ちゃん大丈夫か」
「シチュアーノちゃんがシチュアーノちゃんが……」
声を震わせてそう言ったサーシャは抱きかかえていたシチュアーノを見せた。
「こりゃ、大変だ。直ぐに病院に連れて行こう」
そう言うと、おじさんは慌てた様子でシチュアーノを背中に背負うと病院目掛け走った。
「すいません、どいてください」
サーシャはシチュアーノを背負ったおじさんの道案内をしながら病院に移動した。
幸いこの街で育ったサーシャにとっては、入り組んだ近道も庭の様なものなのである。
直ぐに、病院に駆け込んだ二人は、急いでシチュアーノを医者に見せるため走った。
医師の前に立ち涙をぼろぼろとこぼしながらサーシャはこう言った。
「うっうっお願いです。シチュアーノちゃんを助けてください」
医師はその言葉に対しコクリとだけ頷き治療を始めた。
治療から3時間が経過した、そこで不意に後ろから声を掛けられた。
「サーシャちゃん、シチュアーノちゃん助かりましたよ」
すると、その声を聞いたサーシャは涙を流したままの状態で、キョトンとした顔をしている。
「今なんて?」
「シチュアーノちゃん助かったの」
その言葉を聞いたサーシャの瞳はこれでもかと言わんばかりに、見開いた。
「ホントですか?やったー」
とても嬉しそうな表情をしたサーシャの表情を見るに、相当心配をしていたのだろう。
しかし、喜んで居るサーシャに言いずらそうに、看護婦は一息分の空白を空け続けてこう言った。
「腕の方を骨折しちゃったみたいなの……」
その瞬間サーシャの表情は凍った。
「うっ腕が骨折……?」
そう呟くと、サーシャはまた泣き出しそうな顔になった。
普通あれだけの事故があった分、命は助かっただけ喜ぶべきことだったのかも知れないがサーシャは想像以上に辛そうな顔になった。
何故ならシチュアーノは、バイオリンを演奏出来なくなってしまうからだ。
サーシャはシチュアーノの両親よりも知っていた。
シチュアーノがどれだけ努力して時間を使って、バイオリンに向かっていたかと言う事を……。
「すっすいません、シチュアーノちゃんの様子を見せて下さい」
慌てて看護婦に尋ねると、看護婦は悩むそぶりを見せた後了解した。
サーシャはすぐさまシチュアーノの居る病室に行くと、ベットの側に駆け寄った。
「ごめんなさい、私のせいで」
震えた声で誤るサーシャ、しかしシチュアーノからの返事は無い。
「サーシャちゃん、シチュアーノちゃんはまだ、気絶してるの安心して、時期に目が覚めると思うわ」
看護婦がそう言った。
しかし、サーシャはベットの裾に縋りつき頭を埋めて泣いていた。
それを見た看護婦はゆっくりと、部屋を後にした。
すると、突然何かが走ってくる音が聞こえる。
すると、シチュアーノの病室の目の前で、その音は止まり力一杯戸が開けられた。
「シチュアーノ大丈夫か!!」
その音を聞いた。サーシャはビクリと体を震わせた。
そうシチュアーノの父、ノークスがやってきたのである。
すると、ノークスはすぐさまシチュアーノの元に駆け寄った。
直ぐに、ノークスの邪魔にならない位置に移動したサーシャはノークスにシチュアーノが怪我しててしまった事をあやまった。
「ごめんなさいシチュアーノちゃん私なんかを、かばったばっかりにこんな事に、本当にごめんなさい」
頭を深々と下げ誤った少女すると、ノークスからこんな返答が返ってきた。
「少し、どこかに行ってくれないか」
「エッ」
半分裏返った声で、驚いた声を出したサーシャ。
「聞こえなかったのか、何処かに消えてくれと言っているんだ!!」
突然大きな声で怒鳴り上げたノークス、恐らくコレがもし同じ貴族ならこんな口調にはなっていなかったのかも知れない。
「ごめんなさい……」
先ほどから泣いていたこともありサーシャの目からはただただ涙が溢れ出し、お辞儀を一回すると、急いで外に出て行った。
深刻な事態です。
この感想を見てくださったという事はこんなに呼んで下さったという事でしょうか?
ありがとうございます!
そして、いつになったら二人は旅をするのでしょうか?
次回もお楽しみに!!