第一章【この深い森の奥に】
三人称でした…
これから、頑張っていきます。
最高の起承転結にしたいです!!
ここルーズレイトはフランス郊外にある街。市街は賑わいに溢れ、この時代にしては珍しいことに、農民と貴族の関係は比較的親密な街である。
第一章【この深い森の奥に】
1754年4月14日6時30分
ここは、周辺の住人もめったに踏み入れない、神聖ささえ感じさせる老木の生い茂った深い森の中。その樹木の間を縫い、コラべール=レオンは人の通ることなどまるで想定されていない道を行く。
地面から表出した木の根、落ち葉や枯れ枝を踏みしめているレオンの額には、気温の下がった朝方にも関わらず、ぽつぽつと玉の汗が浮いている。
そのまましばらく歩くと、ついに森が途切れ、高原のような開けた空間にたどり着いた。清々しい心地の良い風がレオンの頬をかすめ、思わずほっと一息。辺りには背の低い芝が地面いっぱいに茂り、そこかしこから涼やかな虫の音が響く。
レオンは耳を澄ませてしばし虫達の静かな歌声に聞き入り、その疲れを癒した。
生い茂った植物達は風に吹かれ、まるで誰かに語りかけるかのように、そよそよと体を揺らしていた。
その光景を見たレオンは、さも気持ちが良いという表情をすると大きく背伸びをした。
山の中腹に存在するこの高原は、レオン以外誰も知らない秘密の場所である。
そもそもこんな朝っぱらから、レオンがこの場所にいる理由は勉強をサボったのだ。年齢は15才と幼いため立派な貴族になるための英才教育がレオンにとって苦でしかないのだろう。
今日の教育が終わるまで、ここで睡眠を取るつもりなのである。
慣れた足取りでここまで来たレオンは、一あくびすると高原の中心に歩を進めた。
この高原の中心には、他に類を見ない巨木が一本、その存在を誇示して佇んでいる。天に届けとばかりに伸びたその枝の真下、青々とした葉群によって生じた、涼やかな風の吹く日陰が、レオンのお気に入りの場所である。
まだ体力のあり余っているレオンは、浮足立ちながら足早にそこへ向かった。
ここまでは、レオンにとってはいつものことである。が、その樹の中心から十歩ほど離れた地点まで近づいた時、今日は何か、いつもにはない違和感を覚えた。
「うん?なんだアレ」
レオンの位置からは良く見えないのだが、木の裏側になにかが落ちてあるのだ。
人が来ないはずのこの場所に落とし物が落ちるなんてありえない事だ。不思議に思ったレオンは、恐ろしい気持ちもあって悩んだが、大きな木の裏を覗いた。
すると、いつもは冷静なレオンなのだが珍しく驚いた表情をした。
「ひっ人!!」
不意に出てきた言葉の通りなんと木の裏にあったのは、物ではなく一人の少女だった。
片手を大空に上げ背伸びをしたポーズという少しおかしな体勢をとっていたその少女は声に気がつき、レオンの方向に顔を向けた。
すると、レオンは一目で、彼女がルーズレイトの人間ではないと直感で分かった。
何故なら彼女はこの世の者とは思えない程、可愛らしかったのだ。
まだ、16歳前後なのだが、肌は透き通るように白く、目の色は宝石の様な澄んだな青色で、吸い込まれてしまうのではないかと思う程大きな瞳をしている。
髪色は鮮やかな金色で風に揺られるのを見るだけで気持ちが良くなるほどだ。
その姿を見たレオンは、心の中で有らぬ思考になっていた。
『なんだこの可愛らしい物体は、人形か?』
服装は目立たない控えめな白のドレスを着ているだけなのだが、その控えめなドレスも彼女が身に着けているだけでまるで、全身シルクの生地で作られたドレスのように高級な品物じゃないかと勘違いしてしまう程なのだ。
こんなキレイな美少女が街にいたら、ここではかなり浮いてしまうだろう。
一瞬動きの止まってしまったレオンにたいして、少女はこう問いかけた。
「アナタ…誰?」
混じりけの無い瞳でそう問いかけた少女、しかし、レオンの口からとんでもない返事が返ってきた。
「うわっ!喋った!!」
流石のレオンでも、少女が振り返った時点で、人形という選択肢は捨てておくべきであろう。
しかし、レオンは、その言葉を聴き我に帰ったのか、また違った返事に変えた。
「そこ、どいてくれ、休ませてくれ」
恐らく多少の照れ隠しも混じっているのだろう、少しぶっきら棒に振る舞いそう言い放った。
しかし、この山はコラベール家が管理している山なのであながち間違ったことを言っている訳でもないのである。
すると、少女は控えめな様子でこういった。
「あっうんすぐ、どくね」
そういうと、慌てて少女は3歩程木から離れ、この大きな木をぼんやりと見つめていた。
直ぐにレオンは少女のいた木の真下に移動すると、そこに仰向けで寝転がり一息ついた。
その瞬間レオンにとっての体感時間がとてもゆったりとした時間になり、やすらいだ気分になった。
眼をゆっくりとつぶったレオンは改めてなんでここに人が来たのかと思った。
確かにおかしい話である。ここは、誰も入らないような山の奥深く、レオンの様に近道でも知らない限り相当時間が掛かってしまうのだ。
レオンもこの場所を昔は知らなかった。
しかし、大好きだったレオンの父が死の数日前にこの場所を教えてくれたのだ。
もし、お前が困った時この場所にいきなさいと
レオンはその言葉の通りこの場所に今も良く顔を出している。
体の調子が悪い時や困った時この場所に行くと何故だか自然と体が楽になり、とても心地のいい気分になった。
今日も面倒な教育を抜けてゆっくりとした気分になりたいために此処に来たのである。
父はレオンに人が来ない場所と言って此処を教えた。
それにも、関わらずこの場所に人がいる。
レオンは少し考えた後、小さな声で呟いた.
「もしかしたら、あの子は幽霊なのかもしれない」
人形の後は、幽霊である、変な事を考えてしまいどうしても気になったレオンは目を少し開けて様子を伺った。
すると、目の前にはもじもじした少女がまだいるのである。
「そんな訳ないか」
そう小さく呟くと、少し安心したが、ずっと目の前で突っ立っていられるのも、少し変な気持ちである。
「……。」
時間がゆっくりと過ぎていく中、レオンは少女がまだ目の前に立っていると思うと気が気でゆっくり休めなかった。
すると、レオンは目を開けると同時に少女に向かってこう言った。
「俺の目の前でそんなにもじもじされても困る…ん…だが」
しかし、レオンの想像に反して目の前に少女は居なくなっていた。
まさか、本当に幽霊!!
そんな馬鹿な想像が頭をよぎったレオンは、辺りを見渡した。
すると少女はいた。
しかも、レオンの真上にある大きな木に抱きついてよじ登ろうとしているのである。
「なっなにしてんだっ!!」
レオンはそんな事をつい叫んでしまった。
すると、少女はこう言い放った。
「この木に登りたいの」
レオンはその言葉に強く反応しこう考えた。
『乗って欲しいのか、最近の民衆のボケは此処まで発展しているのか!!』
馬鹿な考えに至ったレオンはその瞬間こう言った。
「最近の奴って木登り好きなんだな~てっ、んな訳あるかい!!」
レオンの貴族なりの誠意一杯の乗り突っ込みだった。
しかし、レオンは驚愕した、なんとあれだけ捨て身の突っ込みをかましたにも関わらず、少女は未だに木登りに夢中なのである。
「勝手にしろ」
ため息混じりでこんな事を呟いてレオンは馬鹿らしい事をしてしまったという様に、また再び木の真下に行きゆっくり目を閉じた。
前書きにもある通り初めての連載小説です。
まだまだ至らぬ点がございますので、感想からアドバイスまで幅広く聞きたいです。
これから、頑張って行きたいので清き一票よろしくおねがいします(アレッ選挙?)