ダンジョンに潜入、行動を開始する!
第三話、スタートです
「疲れるな・・・・」
森の中を彷徨い歩く事数時間、太陽は頂点を越え、東に向かいゆっくりと動いていた
「季節は春なのかな・・・丁度よい陽気で眠いわ」
欠伸が絶えず出る気候はどうしようもないと思う
最初の猪から、時たま出てくる動物たちを狩りまくり、自分の勘に則って歩いてきたが
「これはどう見たってダンジョンだよな」
目の前には古びた門のようなものと、それを閉ざす扉があった
レベルは一応3レベになったが・・・
「無理だな、無理です、さぁやめよう」
一人で呟いて帰ろうとすると
「きゃぁーーーーーーーーー!!」
はい、悲鳴ですね分かります・・・ふざけてる場合じゃない、中に入った人が誰なのかは分からないけど助けに行かなくちゃな
来たばっかしですよ~と言わんばかりのみすぼらしい服と一応切れ味は落ちてない鉄の剣を装備してダンジョンに、俺は入っていった・・・この後、大変な目に合うことも知らずに・・・・・・・・
「くそっ!敵が多いな・・・」
俺は結構ダンジョンにはいって長い時間、気持ち悪い魔物を切り飛ばしていた・・・触手が無数にあるきもい魔物や、腐りきったアンデットetc、etc・・・
やっぱり魔物のレベルは高いらしく、普通の攻撃では相手のHPのゲージを極僅かに削るに留まるだけだった
だが、俺には異常なスキルの熟練度がある!
最初は様子見で通常攻撃だった俺も、相手が出てきたらすぐに二連撃スキル《ストーリーション》(袈裟切りの後一瞬の間も置かずに同じ軌跡を反対から描く一撃)を発動し、敵のHPを一撃で刈り取って行った
そのせいか、どんどんレベルが上がり、10レベに達したころに、状況が動いた
「さっきの悲鳴をあげた人かな?」
みるとでかい門の横で返り血を浴びた服装で魔物に取り囲まれていた
顔はちらっとしか見えなかった、どうやら女の子らしいけど、どこか凛々しい顔つきだった
取り囲んでいる魔物はおぞましい姿をしていた・・・おそらくはアンデットだと思うけど
とりあえず危なさそうだな・・・
「うおおおおおおおおおおお!」
雄たけびをあげてアンデットにスキルを発動する
「ストロークスラッシュ!!」
(前方に一撃をした後、剣で地面をたたき、衝撃波を放つ)スキルは遺憾なくその効果を発揮し、瞬く間に包囲網の一部を突破し囲まれていた女の子のところに行くと・・・・・・すげえ可愛いな
「おい!大丈夫か!?」
油断なく回りに気を配り、どっから来てもいいように背中合わせになり会話をする
「ええ、一応大丈夫ですが・・・もしかしてさっきの悲鳴を聞いてですか?」
少し、顔を赤くしてこちらに聞いてくる・・・運動のし過ぎかな
「ああ・・・それよりも世間話は後にしてさ、まずはこいつらから逃げようぜ」
未だに赤い少女に話しかけると
「・・・そうですね、では私が先陣を斬りましょう」
というと、何処からともなく2メートルもあるような大剣を持っていた
「・・・・・それはできないな、女の子の後ろに隠れるなんて、武人として恥ずかしい」
俺はすかさず反論して、女の子の前に立つ
目の前には、おぞましい数のアンデット・・・・だけど、負けられないよな・・・
「ソニックブーム!!!」
下級スキルのソニックブームは、その名のとおり、前方に鎌鼬を発生させ、敵を斬るという技だが
「ソニックブームですよね、さっきの」
女の子が後ろで聞いてくる。勿論俺は そうだよ、と答えたが
前方にはさっきまで居たアンデットの半分が消滅、包囲網の一角は完璧に崩されていた・・・残るのはドロップしたお金やアイテムだが
「走ろう!」
とりあえずここから脱出が一番だろ!
後ろの少女の手を持って走りだす
「えっ?ちょっ、待ってくださ」
何か言ってるが聞こえない。ええ、聞こえませんとも
目の前に出てくる魔物は全て切り伏せ、とてつもない勢いでダンジョンを走り抜ける
「うおおおおおおおお!!」
目の前に入り口が見えたと思った瞬間、くそでかいゾンビが居た
「なんでこんなところにボスが・・・」
後ろの少女が呆然とした声でそう言った
いやまぁね、此処で俺がやられたら格好がつかねえだろ。というわけで
「巌流・・・燕返し!!」
片手剣スキルの中では、最高の位に入る一撃を惜しげもなく披露する
一の太刀で首を斬り
弐の太刀で両足を斬り
参の太刀で十字を描き、斬り飛ばす
目の前から見たら「王」という文字が見える斬撃を繰りだすと、相手は一撃でHPを削られ、その体を地面に伏せた
「・・・嘘、ボスを一撃だなんて」
俺も驚いてるんだけどね・・・燕返し強ええええええ。と思っています、はい
「よし、じゃあ行こうか」
出口を阻むものはなく、ゆっくりと歩きダンジョンから脱出した
「自己紹介がまだでした。私の名をリオ・・・本名を白純里緒と言います・・・貴方もゲームをやっていたら引き込まれた人ですよね?」
おお、気付いてたのか・・・
「ああ、俺の名前はシロウ。本名を雨峰士郎って言う」
互いに自己紹介を済ませ、適当な場所(ダンジョンを脱出してから5分ぐらい歩いたところに丘があった)を見繕って座る
世間話?を少々した後、ある提案を持ちかける
「互いに、このゲームとも言えない奇妙な世界について、知ってることはないか、情報交換をしないか?」
まずは土台を知らなければ動けないからな
「それについては異存はありません・・・では、提案者のシロウから、どうぞ」
ミオが促してくる
「この世界はゲームでは無い・・・と思う」
「はぁ・・・ずいぶんと適当ですね」
呆れ顔でリオが溜息をつく・・・・・・・
「情報がないから情報をくれと、暗にそう言ったじゃないか」
「交換の意味を知りなさい!・・・まったく、では私ですが、旅人に聞いた話ではこの大陸の面積は大体150,000,000m
地球の大陸の総面積ぐらいだそうです・・・と言っても、雪に包まれたところなどが多数存在しているようなので、人が住んでいる面積はもう少し狭いとは思いますが・・・」
意外にもこの大陸が大きいことに驚いたが、それ以上に
「リオはこの世界に来てから長いのか?」
情報収集能力の高さに驚いた
「一応、一ヶ月程住んでいますが、国も何個かあるそうですね、まぁ大きな国は五つほどですが」
「国の名前はどうでもいいな、後々知ればいい・・・後は、この世界で死ぬとどうなるか・・・は俺の推測だが、永遠に元の世界には戻れないだろう・・・この世界が紛い物の、作られた世界ではないと、そう仮定したら、間違いなく俺の仮設が現実の物になるだろうな」
すこし神妙な面持ちでそう告げる・・・リオも薄々気付いていたのか、あまり大きな反応はないが、それでも「死」という言葉には小さく反応した
「なにはともあれ、街に行くべきだと思う・・・それに、一人より二人のほうが死ぬ確率は少ないと思うから、一緒に行かないか?」
「そうした方がいいでしょう・・・では、早速いかないと、明日の朝に街に行くことになりますよ?」
リオの言うことは正しいだろう、ダンジョンが街の近くにあってたまるかって話だ
なにはともあれ、美少女戦士、リオを仲間に入れ、俺達は街に向かうことにした
「あれは・・・士郎か?」
遠目から、誰かがそれを見ていることも知らずに
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