異世界脱出戦線始動
side士郎
「という訳で、俺達の状況確認だ」
状況確認会という名目で俺達3人は街にある喫茶店に集まった
「士郎、貴方はそう言って前も碌な事を考えていなかったでしょう。」
「それについては安心しろ、士郎はきっと考えてきている。奴はそういう男だ」
「ああ、一応確認するが………お前ら、元の世界に帰る気持ちがある奴は・・・まぁ、全員だよな」
二人とも目で語っていた・・・主に奨は元の世界でエロゲを隠すの忘れただの、パソのデータを消してからじゃないと死ねないとかだと思うけど、リオは・・・よく分からないけど帰りたそうな目だ
「そこで提案なんだけど、ゲームの裏表紙に《全ての願いを叶える万能の器》って書いてあったろ?・・・それを使えば帰れるんじゃないかと思うんだけど・・・」
俺がそこまで話し終えると二人が目を限界まで開いており、奨に至っては神様に願いを捧げていた
普通に戻った二人が口を開く
「盲点でした。しかし、それにはまだ証拠も何もありません。希望だけ抱いていても駄目だと思うのですが」
「それについては賛成だ。とりあえず今はそれがあるのかを調べよう。」
二人とも同じ意見のようだ。当然、俺も探す事には賛成だ。
「二人とも同じ意見で安心した。それで、誰を当たるのかが問題なんだけど」
「やはり年配の方が良いのではないでしょうか」
「そうだな、確かにそのほうが良いと思うぞ、士郎」
「お前はさっきからリオの意見に乗っかってるだけじゃねえか」
「そんなことはどうでもいい。ここは一度、偉い人に聞いてみるべきじゃねえか?・・・例えば・・・
そう。・・・王様とか」
そういった奨の後ろには、黒髪オールバックでイー〇ックと言ってるやつが見えた気がした
奨の意見は採用され、俺たちは王様に会いに行くことにした
王様がいつもいる玉座の間に行くとその前の扉で見張りの兵に呼び止められた
「隊長方!失礼ですが、王様に何か用でもあるのですか?」
「ああ、王様に聞きたい事があって・・・入ってもいいか?」
「失礼!少しだけお待ちしてください。」
そう兵が言うと扉の中に入る・・・少し時間が経つと扉の中からさっきの兵ではなく、フェルグスが出てきた
「お前たちか・・・今なら丁度我が主は忙しくない、入ってくれ」
フェルグスはそう言うと扉を開き、中に招き入れる
お邪魔しまーす・・・・心の中で言うことに意味があるんだ!お前らは黙れ!決して口にするのが怖いとかじゃないぞ?
一人心で呟いていると玉座の間に到着してた
・・・・これで二度目の玉座の間だが、俺を含め、リオも奨も緊張を隠せない面持ちだ。するとそれを見かねてか、王様が口を開いた
「ふむ・・・君たちがここに来るということは何か君たちに考えがあってのことだろう?言ってみなさい」
わーい王様すごーい、心が読まれてるみたいだー(棒読み)
「棒読みするのはそこまでにして、わしに話すことがあるんだろう?」
ってマジで心が読めてるのか?・・・やめよう、お見通しだったら怖い
「はい・・・王はこのような話を聞いたことはありますでしょうか・・・・願いがかなう万能の器を」
「ふむ・・・・・一度聞いたことがあるな。大陸を平定させし者、其の者の願いはあらゆる願いを叶える万能の器によって聞き遂げられる・・・・されど其れには気をつけろ。待ち受けるは其の者には倒せない物・・・・・・昔々の御伽噺に出てくる話だが・・・・ふむ、君たちは何か願いがあるのか?
それはもしや私に成り代わる事を願うか?・・・・・・・・ふむ、冗談だ、許せ・・・・わしが知っているのはそれだけだ、他に聞きたいことはあるのか?・・・・・無い様だ、では行くがよい。老いぼれに構う暇があるのならば兵を鍛えろ・・・・さらばだ」
王様はそういうとフェルグスを呼び、話し始めた・・・・どうやら俺たちがこれ以上居て良い事は無さそうなので・・・・・退却だな
ここは俺の部屋だ
広いとはいえないけど狭くも無い、本邦初公開の部屋です・・・・本当ですよ?
「・・・本当に万能の器が合ったのですね・・・・・・俄かには信じられませんが、今の私たちはそれに縋り尽くしかありませんね」
「ああ・・・そのためには大陸を平定させることが必要だな・・・・・ん?奨!追いかけろ!!」
「分かってるよ!・・・暗殺部隊集合だ!間諜だ!殺せ!」
扉の外には確かに気配があった。奨は迅速に行動を開始して・・・なぜ一瞬で部隊が集結するのかは分からないが・・・間諜を追いかけ始める・・・そう時間も経たないうちに捕まる筈だろう
俺たちはこれ以上話す事もないし、邪魔が入ると面倒なので、今回の集まりはここで終わった
間諜が紛れ込むということは確実に戦争が近づいている事を示していた
彼らは気付かない振りをする
平和を享受し続けたいが為に
次の回で登場キャラ増やしまくるぜ!
感想待ってまする