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【第20話:ノアとラウマの王都活動】

王都にたどり着いたノアとラウマは早速ハンターオフィスで情報収集。

「泊まる所おそわるんだよね?」

「そうですね、カーニャから紹介された所は、結構高いのでアミュアからオフィスで聞くよう言われてましたよ」

二人にとっても王都は久しぶりにして2回めの訪問。

まだまだ情報が不足していた。

「でも夜霧で来るとはやいね!風もすごかったけど」

にっこりラウマもうなずく。

今回の訪問はあくまでカーニャからの調査依頼の形を取っている。

『王都の魔法学院に異常がないか調査して欲しい』

と依頼表にはかいてあり、こちらを現地のオフィスでだせば情報は一通りもらえる。

Aクラスハンターカーニャの名前は王都でも強い。

二人もCクラスに上がったので、もともとの条件も良いのだが、依頼で来たとなれば扱いが違う。

そこまでカーニャの作戦でもあった。


ホテルは結局内壁に近いという理由で、カーニャおすすめの近くにある宿を取った。

オフィス紹介の宿はどこも外壁寄りで、安いのだが立地が問題だった。

内壁内の学院まで距離がありすぎるのだ。

カーニャの定宿ほど高額にならないので、ここでも予算的には問題ない。

依頼料もたっぷり付けてもらうのだから。

「ラウマ!お風呂おおきいよ!一緒にはいろうよ」

ノアが部屋につくなり大騒ぎし始める。

「一回学院にいくので、後にしましょうね」

荷物を下ろしえ微笑んだラウマが、ノアをなだめるのだった。

「うぅ‥‥後で一緒にはいってくれる?」

「いいですよ。でも髪は自分であらうんですよぉ」

クスクスとノアの企みを見抜くラウまで有った。

「ちぇ、手伝ってくれてもいいじゃない」

未だに一人で洗うのが苦手なようだ。

次はテラスを見に行ったノアを、見送り装備を整えるラウマ。

ここからは戦闘を意識した装備になるのだ。

とはいえ魔法職のラウマにはさほどの準備もなく、ローブに着替え双葉のウッドロッドを腰に差しておわりだ。

あとは上から防寒の上着も着るが、それは出るときにと思っている。

ローブの腰にはツールバッグと空間収納のついたベルトポーチが付き、こまごまと用品が入っている。

ユアのおすすめで着替えも下着まで一式入れていた。

ノアの同じ収納装備も出してあげる。

あんまりみはらいよくないーなどと騒いでいるノアを呼ぶ。

「ノア!そろそろきがえましょうね~」

「はーい」

元気な返事がありもどるノアが、自分のカバンをごそごそしている。

ここで装備を整えると事前に打ち合わせていたのだ。

ノアの装備も簡単で、革の軽鎧が主な荷物でそれは空間魔法のポーチに仕舞ってあった。

最近もって歩いている短剣は既に装備済みなので、防具をつけるだけだ。

上腕と二の腕に防具を付けたがらないので、ユアの進めで手首の上から肘の手前に付ける革製の小手を付ける。

両手に付けて、手首と肘の可動を確認するノア。

「なんかやっぱり重い感じする」

実は縦方向に鉄心が入っていて、刃物を止めれる仕様なのだった。

「ユアは慣れたら感じなくなるって言っていましたよ。頑張ろうね」

「はーい」

あとは防寒用のマントだけとなったノアも仕上がり出かける二人。

金貨銀貨など金目の物も収納にしまうので、部屋に貴重品は残さない。

最悪取りにこれない事も想定して準備するのがハンターだった。

ロビーに向かいながら話し続ける二人。

「ミーナ達は今授業中でしょ?何しに行くの?」

「学院側にもカーニャから手紙を預かっているのと、ご挨拶ねえ。これから出入りしますよって」

「ふむふむ」

「ちゃんとおりこうにしないとダメですよノア」

「大丈夫!Cランクだからね!わたし達」

にこにこして出かける二人であった。




歴史ある魔法学院らしく、応接も立派なものだった。

「よろしくおねがいしますね、ハンターラウマ様、ノア様」

Cランクのハンターはどこに出しても恥ずかしくない経歴だ。

「こちらこそです。様はやめていただけますか?敬称など不要ですよ」

ラウマは遠慮するが普通は敬称で呼ばれる。

「これはありがとうございます。ではラウマ殿今後ともお願いしますね。ノア殿も」

年齢差を鑑みて、申し出を受けた女性は学院長と先ほど名乗りを受けていた。

「はい、許可証ありがとうございました。必要なときだけお願いしますね。寮の面会はあちらで受付とのことですよね?」

「はい、許可証も不要です。あくまで学院内の建物に関する許可ですので」

一応調査依頼となっているので、明日からは一通り敷地内を見て回る予定だ。

「了解です。なにごともなければ使わずに済むと思います」

建物内には入る予定はないのだが、一応と許可証を渡されたのだった。

ノアはさっぱり会話についてこないで、ソファの触り心地を試したり、出てきたお茶とお茶菓子で時間を潰していた。

結果、学院長と名乗る年若い女性とラウマの話となった。

手紙は最初にわたして「後ほど」としまい込んだ。


女子寮と男子寮の間にある食堂で、待ち合わせる手筈で昨日のうちに連絡してあった。

まだ時間があるので、少し寮内を見学させてもらった。

ミーナと同じくらいの女の子が何人か居て、廊下の奥からラウマとノアに手を振ってきた。

ラウマはあまり人見知りしないので、小さく笑顔で手を振り返しキャーと悲鳴を上げさせた。

「なんで叫ぶの?あの子達」

人見知りするノアはラウマに隠れていて、逃げていく女子を見て聞いた。

「さあ?なんででしょう。ああゆう遊びですかね?」

ラウマもノアも美形でスタイルもいいので、憧れての行動だったが、二人には全く自覚がないので理解できないのだった。

今日はえらい人と会うからと、と髪型もちゃんとしてノアはいつもの一本三つ編みを背に垂らし、ラウマはお下げにして三つ編みを二本垂らしていた。

二人共髪が長いので背中までくる、それもとても見事で、気になる女子達であった。

そろそろいい時間と食堂に戻る二人を遠巻きに大分人数が増えてちらちらされていた。

「ラウマさん!ノアさん!」

ミーナが金髪をゆらして早足で来る。

『廊下を走らない』と大書された紙が貼られていたので、そうゆうルールなのだろう。

ミーナも人気なのか来ただけで悲鳴があがり、手を振り返していた。

「ミーナさんお元気ですか?」

「ミーナひさしぶり!」

4人掛けのテーブルセットに座っていた二人に、ミーナが挨拶しながら座る。

「元気元気!大学も面白くて最高だよ!」

「お久しぶりです」

ミーナの後ろから追いついたエーラが挨拶。

「ミーナ早すぎるよ!走ってはいなかったけど、走った速さだった!」

エーラも頑張って早足で来たのだが、ミーナのほうが身軽だった。

エーラはグラマーであちこち揺れるのか無理が効かない。

「じゃあ最初はいちばん大事なこれをわたしますね」

そういって出したのは、カーニャからの手紙だった。

一度胸に抱きそっと上着にしまうミーナ。

「えへへ、ありがとうラウマさん。郵便がわりなんて申し訳ないです」

「良いのですよ、今回は依頼として来てますから。依頼主の手紙くらいはお安い御用です」

ミーナのはにかむ笑顔でノアもラウマも安心するのだった。

「カーニャが心配してたけど、大丈夫ねミーナ?」

ノアも笑顔で話しかける。

「もちろん!戻ったらそんなに心配要らないよって言ってあげてね」

ミーナの答えに本当に心配ないのだなとほっとするラウマだった。

実は結構問題が有っての依頼かも、と推理サスペンス脳が働いていたのだ。







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