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熱の記憶

作者: 逆福

小学生の頃の話です、夏休みには家族で母方の祖母の家によく泊まりに行っていました。祖母の家の近くは田舎というほどではありませんが、辺りには木々が生えており近くには中に入って遊べる川があったため祖母の家に泊まりに行った時は兄弟達と一緒によく遊んでいました。

その時も兄弟達と一緒に川に遊びに行こうという話になり近くの川に来ていました。1時間ほど遊んでいると直射日光で疲れてしまったのか休める場所に行きたくなり、少し休んで来ると兄弟に伝えて川の近くにある橋の下に涼みに行きました。

丁度いい座れる石を見つけたので腰を下ろして目を瞑って休みました、そうしてしばらくすると体調が良くなってきたため目を開けて辺りを見回しました。

特に何もないなと見ていると橋の柱に一点黒い何かが見えました、あれはなんだろうと立ち上がり柱に近づいていくと黒い手形のような模様がついているのがわかりました。

黒い模様は絵の具やらの塗料で描かれたものではなく、何かの染みといった印象のものでした、一体なんだろうと丁度手の形をした模様に自分の手を重ねてみると一瞬涼しかったはずの周りが急に熱くなったように感じました。

驚いてすぐに手を離して兄弟達の元に戻りましたが自分の顔をが真っ青になっていると言われ遊ぶのをやめてすぐに祖母の家に帰りました。

家に帰るとすぐに両親に部屋で寝かされる事になり、体調が悪かった私はすぐに寝入ってしまいました。


意識を飛ばしてどれほどたったかわかりませんがふと橋の下で体験した熱さが身を包んでいるように感じました。

頭は起きているはずなのに目が開きません、一体これはと考えているあいだにどんどん体が熱くなっていきました。

熱い、熱い、水、水と叫んでるいると近くに水の流れる音が聞こえました。這うようしてどうにか体を動かして音のなる方に向かいました、音が近くなってきたと感じた時にふと体が浮くような感じがして、すぐに水の感触に変わりました。

しかし冷たさを求めていた水は焼けるように熱く、目が開けられない為に上も下もわからず、水面を目指してもがく度に熱さに体力を消費していき、しばらくすると息も続かなくなりだんだんと体から力が抜けていくのを感じました。

もうダメだと意識が薄れていくなかでようやく目を開けることができました。

鈍い光に照らされた水の底に無数の人のようなものが積み重なっているのを見ながら私は意識を失いました。

誰かに名前を呼ばれている気がして目を開くと両親が私の顔を泣きそうな顔をしながら覗いていました。家に帰って寝ていた私がいきなり叫び始め、体に触ってみると異常な熱を持っていた為すぐに病院に運びこまれていたということでした。

その後体調は元に戻りましたが大事をみて祖母の家から早めに実家に帰る事になりました。

その年に祖母は亡くなり、人のいなくなった家は売りにだされたとの事で、祖母の家に行く事はその年以来ありませんでした。


あまり良い記憶ではなかった為考えないようにしていましたが最近になって思い出しあれは一体なんだったのだろうと考えていました。

地域の歴史について調べてみましたが戦火に見舞われたということはなく大きな火事があったという事もないということでした。

橋についてもネットで調べてみましたが、特にいわくがあるようではなく、改装されてしまったようで実際に見て調べることもできなくなっていました。結局あの時みた光景は熱にうなされた自分が作り上げた幻覚だったのか、誰かの体験した記憶の一部だったのか私にはわかりませんでした。

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