青色のバンテージ
青々とした雑草が歩道を遮り、白や黄色や黒色の鳥の排泄物達が異臭を放つ季節。
私は炎天下の中、湧き出る汗をタオルで拭きながら、4㌔の道のりを歩いて会社に向かっている。
さて、こちらも学校へと向かっているのだろう、女子高生が一人自転車を若さに任せて軽快かつ颯爽に漕ぎながら後ろから私を追い抜いていく、曇天模様の朝だった。
そして、前触れもなくいつものように女子高生は私を追い抜いていく・・・そのとき・・・自転車が大きく左に傾き、女子高生は地べたへ自転車に覆い被さるように転がり込んだ。女子高生の白くて細い膝には新たにできたと思われる赤褐色の傷が覆い、女子高生は急いでいたのか、それとも恥ずかしかったのか、自転車を早々に立て直し、走り去ろうとしていた。その時私は咄嗟に声をかけた。
「大丈夫?怪我はない?」と。女子高生は「あっ、大丈夫です。すみませんでした」。
はにかんだ顔がたまらなく愛おしく見えたのは、私が好意を抱いていたからだろうか。