其の二
「でも、実際に浄化の力を使ったのは神奈だろ。そもそも俺は、闘いの神だって言ってるじゃねーか。浄化なんてムリムリムーリ。この世ならざる者の面倒なんか、逆立ちしたって俺は見ねーぞ。しかもそんな偉そうなガキの願いなんか、聞けねえって」
「神って言う割に浄化もできないし、口も悪いなんて、めっちゃ最悪・・・・」
「あ? やる気かコラ。炎の剣で八つ裂きに・・・・――わ。神奈、だめっっ! ぎゃー、冷たいです、はい。ごめんなさい!!」
軽く念じるだけで、勾玉を通じて天人に冷気を送る事ができるようになった。
私も、随分力のコントロールができるようになっていると思う。昨日、寝る前にイメージトレーニングしたのが良かったのかも。
「んー、オマエ、冷気が弱点なの?」
「オマエとか気安く呼ぶな、このクソ小童が。俺には天人って言うれっきとしたカッコイイ名前があるんだよ!」
「天人? ・・・・ダサい名前(小声)」
ぼそっと子供が呟いた途端、天人の目の色が変わった。怒りにメラメラと燃えている。
「こんのクソガキが――!! こっちが大人しくしてりゃ、つけあがりやがって!」
「だめっ、天人――」
私が止めるより早く、天人の拳が子供めがけて振り下ろされた!
「変化っ」
小さな声が上がったのと、天人の拳が子供の頭上で炸裂したのと、ほぼ同時だった。
「ぎゃいいいい――――ってええええええ――――!!」
悲鳴を上げたのは、天人の方だった。「おいコラ小僧! お前っ、石みたいに固えじゃねーかあっ!!」
――元は地蔵だし。石やもん。
頭に直接声が響いてきた!
子供を見ると、着物や頭巾はそのままなのに、中身というか見た目が昨日のお地蔵様になっちゃってる!
優しい顔で微笑まれている、あのお地蔵様に・・・・。うそでしょ・・・・!
負傷した天人じゃなくて、キャパオーバーの私が倒れそうになった。
「おいテメー! コラ、地蔵!! 俺が神様じゃなかったら、手ぇ破裂してるトコだぜ!! ったく、石に化けられるんなら、最初から言っておけよな!」
天人が罰当たりにも、お地蔵様になっちゃった子供を軽くキックしているけれど、石だからビクともしない。
――無駄やでー。オマエの攻撃なんか、ボクには通用しないよーだ。
「クッソムカつく地蔵だな! おい、神奈。面倒だから氷漬けにしてくれ! 石は焼いても熱くなるだけで、燃やせねえから俺の力じゃ倒せん。でも、氷漬けなら動かなくなるだろ!」
「そんな罰当たりな事、出来っこないわよ!」
――変化。
頭に声が響いたかと思うと、再び目の前のお地蔵様が子供の姿に戻った。
もう・・・・どうなっているんだろう。これは、この世で起こっている物語なのだろうか。
現実世界と夢の狭間に私は放り込まれて、目を覚ましていないだけなんじゃないだろうかと、神と名乗る男と地蔵と名乗る男の子とのやりとりに付いて行けず、本気で倒れたくなった。
「でも、実際に浄化の力を使ったのは神奈だろ。そもそも俺は、闘いの神だって言ってるじゃねーか。浄化なんてムリムリムーリ。この世ならざる者の面倒なんか、逆立ちしたって俺は見ねーぞ。しかもそんな偉そうなガキの願いなんか、聞けねえって」
「神って言う割に浄化もできないし、口も悪いなんて、めっちゃ最悪・・・・」
「あ? やる気かコラ。炎の剣で八つ裂きに・・・・――わ。神奈、だめっっ! ぎゃー、冷たいです、はい。ごめんなさい!!」
軽く念じるだけで、勾玉を通じて天人に冷気を送る事ができるようになった。
私も、随分力のコントロールができるようになっていると思う。昨日、寝る前にイメージトレーニングしたのが良かったのかも。
「んー、オマエ、冷気が弱点なの?」
「オマエとか気安く呼ぶな、このクソ小童が。俺には天人って言うれっきとしたカッコイイ名前があるんだよ!」
「天人? ・・・・ダサい名前(小声)」
ぼそっと子供が呟いた途端、天人の目の色が変わった。怒りにメラメラと燃えている。
「こんのクソガキが――!! こっちが大人しくしてりゃ、つけあがりやがって!」
「だめっ、天人――」
私が止めるより早く、天人の拳が子供めがけて振り下ろされた!
「変化っ」
小さな声が上がったのと、天人の拳が子供の頭上で炸裂したのと、ほぼ同時だった。
「ぎゃいいいい――――ってええええええ――――!!」
悲鳴を上げたのは、天人の方だった。「おいコラ小僧! お前っ、石みたいに固えじゃねーかあっ!!」
――元は地蔵だし。石やもん。
頭に直接声が響いてきた!
子供を見ると、着物や頭巾はそのままなのに、中身というか見た目が昨日のお地蔵様になっちゃってる!
優しい顔で微笑まれている、あのお地蔵様に・・・・。うそでしょ・・・・!
負傷した天人じゃなくて、キャパオーバーの私が倒れそうになった。
「おいテメー! コラ、地蔵!! 俺が神様じゃなかったら、手ぇ破裂してるトコだぜ!! ったく、石に化けられるんなら、最初から言っておけよな!」
天人が罰当たりにも、お地蔵様になっちゃった子供を軽くキックしているけれど、石だからビクともしない。
――無駄やでー。オマエの攻撃なんか、ボクには通用しないよーだ。
「クッソムカつく地蔵だな! おい、神奈。面倒だから氷漬けにしてくれ! 石は焼いても熱くなるだけで、燃やせねえから俺の力じゃ倒せん。でも、氷漬けなら動かなくなるだろ!」
「そんな罰当たりな事、出来っこないわよ!」
――変化。
頭に声が響いたかと思うと、再び目の前のお地蔵様が子供の姿に戻った。
もう・・・・どうなっているんだろう。これは、この世で起こっている物語なのだろうか。
現実世界と夢の狭間に私は放り込まれて、目を覚ましていないだけなんじゃないだろうかと、神と名乗る男と地蔵と名乗る男の子とのやりとりに付いて行けず、本気で倒れたくなった。
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