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逆異世界転生したチャラ神様、人間界でアルバイト(修業)始めました!  作者: さぶれ@Love Lesson 原作コミカライズ連載中
二章 / 天上界に還る為、人間界でアルバイト(修業)始める事にしました!
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其の五

 何なのあの男!!

 困っている人間が転がっているってのに、それを解っているにも関わらず、放置して行くなんて!!



 神様失格よ!



 本気で赦せな――いっ!!



 身体は動かせなくても、怒りのパワーは健在だ。ゴゴゴゴと私をとてつもないオーラが包み、青白く光った。その途端――



「あっ!? 冷てえ――っ! わっ、凍えるっ! 何だっ!?」



 少し距離が出来た天人が青白く光った勾玉を摘まみ上げ、私の怒りの視線に気が付いたようで、ヒイヒイ言いながら慌てて戻って来た。



「あのぅー、神奈様。お困りごとはありませんか?」


 目の前にしゃがみこまれ、媚びへつらうように聞かれた。しかも真顔で。


「見てわかるでしょ。大丈夫じゃないから困っているの。それなのに置いて帰るって、どういう見解? 氷漬けにするわよ」


「すみません。二度としません。神に誓います」


「その神様はアンタなんでしょーが! ふざけないで。これから私を置いて帰ったりしたら、承知しないからね。こうなる事を覚えておきなさい」


「はい。はい。もうしませーん! 反省してまーすー」


 相変わらずチャラいなあ。調子もいいし。

 でも、この力(怒りのパワー)は便利ね。天人を大人しくさせて、使えるわ。勾玉の力を借りて、気をコントロールしなきゃ。


「それよりお前、何時まで待てば回復するんだよ?」


 反省したと言う割には、やたらと偉そうだ。


「知らないわよ、そんなの。力が入らないんだから仕方ないでしょ」


「しゃーねーなぁ」


 天人が私の上体を起こし、何と背中におぶってくれたのだ!

 何時もはパチっと電撃が走るのに、何故か今はそれが無かった。あの電撃は一体何なのだろうか。危険人物だと認識しているから、近寄らないようにって事なのかしら?


 

「貸しだかんなー」


「貸しがひとつ減った所で、昨日からいっぱい私に借りを作りまくってるでしょ。全然足りないから、せいぜい働いて返しなさい」


「へーい」


 文句を言うと氷漬けにされると思っているのか、意外に素直に私を背負って歩き出す天人。

 イイヤツ・・・・なのよ、ね?

 大きく逞しい背中は、何でも守ってくれそうな気がする――そう思うと、ほんの少しだけ胸がとくりと動いた。


 ん? 何かしら。今の感情は。




――ありがとう。




「あれ。何か言った?」


「んにゃ、何も言ってねーけど」


「・・・・そう」


 確かに聞こえたんだけどな。ありがとう、って。天人のお父さんの声じゃなくて、お地蔵様に到着する前から聞こえていた、もっと可愛らしい声。

 もしかしたらお地蔵様がお礼を言ってくれたのかもしれない、と思って直した祠の方を天人の背におぶわれたまま振り返ったら、優しいお顔をされたお地蔵様が、にこやかに笑っているように見えた。

数ある作品の中から、この作品を見つけ、お読み下さりありがとうございます。


評価・ブックマーク等で応援頂けると幸いですm(__)m


定期更新は、毎日21時の時間帯です。

執筆連載中作品のため、固定更新&ゲリラ更新となります。

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