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3(彼女に、会わせてください)



なにを、求める?

神よ。

僕が支払うべき対価は、なに?


寂しくても、

その寂しさを見つめることだけは、しない。


この広い世界の、

ふたつの真実が、

忘れられない失望を

僕の心に焼き付ける。


《人の心は、そう簡単には変わらない。》

《1度死んだ人は、2度と生き返らない。》

このふたつの真実が

僕と彼女のあいだに、

越えられない暗黒の

這い上がれない深い谷間を、

地表を走る、見えない絶望の黒い溝を、

刻みこんでくれる。


僕と彼女のあいだに刻みこんで、

2度と元へは戻らない。


それは、

僕がけっして認めたくない

バカげた真実。


その寂しさを見つめないと宣言したから、

その日限りの、耐えなければならない嘘。

昨日もつきとおした、「寂しくない嘘」

明日をつきとおすはずの「寂しくない嘘」


吹きつける冷酷なブリザードは

僕の瞼を凍てつかそうとするだろう。

そうすることで、

真実から目をそむけさせてくれるだろう。


それはまるで彼女の

僕を突き放したかのように見える

にじみ出る優しさ、

うつむいた微笑みのような、

けれど疾風をよそおう優しさ。



違うんだ。

優しくなんて、なくって良いんだ。

ただ、もう一度さ、

もう一度、会いたいんだ。


僕は、なにをすれば良い?


なんでもするから。


なんでもするから、

「なにごとも起こらない、」

というような真実を告げて終わり、

それだけは、やめてくれ。


神よ、

僕が支払うべき対価を教えて?

ほんとうに、頼むから。


頼むから、教えて、ください。







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