前書き
この前書きは「作者の宗教に対する考え方」を書いています。
本編とは全く関係ありません。
ですので、読んでいただかなくても問題はありません。
ですが、宗教について真っ向から小説で扱っておりますので、私自身の考え方と異なるご意見の方は本編自体も不快に思われるかもしれません。
以下、私自身の考え方をご参照頂き、適宜閲覧につきましてご判断いただければと、このような前書きをつけさせていただきました。
私自身は、現在特に信仰している宗教はありません。
ただ、幼いころは家の神棚に、毎月初めに祖父が灯明をあげ、それを拝むことを習慣とするような家庭に育っています。
宗教と言われると、私にとって関心があるのは学術的興味です。
「宗教学」という学問については、いつか専門的なことまで勉強できればと思っています。
こういう人間なもので、特に一神教とは相性が悪いと言いますか、自分では信仰できないだろうなと思っています。
ただ、勿論それが「信仰なんてくだらない」という考え方とイコールにはなりませんし、特定の宗教を信仰することそれ自体は、何ら問題もないと思っています。
というより、特に絶望してしまった人にとって、信仰というのは最後の救いになるのでは、と思っています。
そういう意味において、宗教とは人の社会にとっては必要なものだろうというのが基本的な考え方です。
しかしながら、個人の信仰が集団になり、さらに権力と結びつくと大変危険なものである、とも思っています。
宗教と政治集団が結びついた時、個人の純粋な信仰とは一線を画すものになるのは、歴史を学んでいれば自明のことではないでしょうか。
中世ヨーロッパのキリスト教や、古代日本の仏教など、例を挙げれば数多く出てくるでしょう。
私はこういった、「権力と結びついた宗教」に関しては、否定的な立場に立ちます。
もっと言うならば、「妥協点が見いだせない分、ただの政治集団より厄介」なものだと思っています。
個人の信仰は、尊重しますし、そうして一つの信仰を心に持っている方は尊敬します。
けれども、その集団化については、警戒してしまいます。
このような考え方を持つ作者が書いた小説が、「天上の教会」です。
特に「権力を持った宗教集団」に対し、否定的な考え方は、小説内にも色濃く出ていると思います。
以上、ご承知おき頂いたうえで、本編をお楽しみいただければ幸いです。