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last dawn  作者: 水瀬 ハル
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second.man『sorrw』

『いつまで寝てるの。今日は森へ行くよ。』




『ほら、顔拭きなよ。それから歯磨かなきゃ虫歯になるよ?』



いつもの二人が微笑む。




『ゆ、め?』







『緊急警報!緊急警報!cherub、直ちに戦闘用意して上官室へ!緊急警報!緊急警報!cherub、直ちに戦闘用意して上官室へ!』






真夜中。




そんな慌ただしい警報でソウ達cherubは起こされた。




こういった夜中の警報に備え、昔から早着替えの特訓をさせられていた。




「ちっ、せっかく気持ちよく寝てたってーのに…」




ソウが走りながら倦怠感でいっぱいの顔で言う。



「仕方ないよ。サクジンは夜待ってはくれない。」




そうサクが言いながらアレス支給の対衝撃用のコートを着た。



先に上官室に着いたアキが乱暴に扉を開ける。




「cherub、到着しました」



リーダーのソウが短く告げると上官が一つ咳払いをし、情報を伝える。



「ここから東、ハナビ村だ。三体同時。命令だ、倒して生きて帰れ。」




「「「はっ!」」」



『cherub、出動。』




二度目の放送を聞き、各々夜道を飛び出した。





ーーーーー『ハナビ』ーー





「…三体、か。」



サクが呟く。




別の場所ではシュン達lusterとカリン達beatが住民を非難させているハズだ。





「いた!向かわずともこっちへ向かって来る!三体同時!


ソウは陽動、アキは合図したら三体切ってくれ。僕がトドメを刺す。」




「「了解」」





サクの指示でそれぞれ持ち場へ着く。




ズウゥウウゥゥン、という嫌な地鳴りと共に、それぞれ異形を成した三体が現れた。





ソウがまず、真ん中の何やら呻きながら暴走し、手が異常に大きいサクジンに攻撃して注意を逸らした。



サクはゴーグルをかけ、素早く長さ30センチ程の三本の短刀に液体を塗る。




「!アキ、真ん中のは右肩だ!全力で切れ!」



サクが鋭く叫ぶとアキは既に刀を抜いており、指定された場所に素早く、深く切り込みを入れる。



その後ろから、別の巨大な肉塊に腕と足が何本もついているサクジンが

アキを踏み潰そうとした。




アキは察知すると素早く横に跳び、足を一本切り落とす。


サクはアキとソウがサクジンの相手をしている隙にサクジンの近くへ跳び、先ほどのアキが入れた切れ込みに短刀を投げた。




すると丁度の所をついたのか、サクジンは光を放ちながら小さくなっていった。





「サク!」



ソウの叫びに顔を上げると、別のサクジンがサクに向けて口を開けていた。




「っ、!」



その中に素早く短刀を投げ入れた。残り一本。




サクジンが一瞬の気を逸らした所をソウが発砲した。



コアを壊す用と、傷つけるのが目的用とはやはり威力が違いサクジンが呻き声を上げる。




サクがコアを壊す用の弾を銃に込めながらサクジンから一端離れた。二人はもうそれぞれ一体ずつのサクジンを相手するようになっていた。





ーーこのままでは、埒が開かない。




だが、この状況は。



一瞬逡巡し、サクは「アキ!一端離れろ!」と叫んだ。




だがそう簡単に離れさせてくれるハズもなく、サクジンはアキを追いかける。



「ソウ!」

「わーってる!」




ソウは二体のサクジンの真ん中に跳ぶと、両方へ向けて発砲した。



「~~~~!」




完全に二体は標的をソウとする。



おかげでアキはサクの所へ来れたが、いくらソウでも長くは持たない。




「はやく。」



アキがサクを急かす。



だがサクは苦虫を噛んだような顔で何も喋らない。





「…。やっぱり、診断出来ない。見えない。」



やはり、人が作った物。完全ではないし、こういう時もある。




「…。」




アキは素早くサクジンの元へ向かった。



「アキ!」




「…見えるように、すればいいんでしょ?」




そう叫び、アキは二体の後ろ一太刀浴びせた。



それどころか、二太刀、三太刀と浴びせる。




回転しているので隙がない。

まるで、乱舞しているかのようだった。




「アキ!右の方皮膚が変色している所から!ソウ!ソウから見て右の方は腕が密集している所だ!」




見えた、訳ではない。

だが所詮、人が作った物なら。




サクはそう考え、試してみる事にした。



二人は指定の場所を攻撃する。サクがひゅ、と跳び、それぞれ短刀と銃弾を浴びせた。





強い光に包まれ、二体は小さくなっていった。

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