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last dawn  作者: 水瀬 ハル
3/17

2

「サク、見えたか?」




「ーーうん。何度見ても、やっぱり慣れないね。」



「…そうか。」と、ソウが呟く。




先輩達と、話した事があった。

サクジンは、人であり、人ではない。


人と言うには少々異形をなしている。



一回サクジンになったら、もう戻れない。



ーーーそう語っていた先輩達も、もうココにはいない。




「!戦闘準備。西南西から一体こちらへやってくる!」



サクがそう叫ぶ。



アキはいつもの、表情の読めない顔で刀に手をかける。



ソウは目をつむり、開けてから懐の銃を握った。



ーーーーードォォオン!





体に地響きの衝撃が走る。

脳が警鐘を鳴らす。

体から冷や汗が吹き出し、少し震える。



だが、逃げる訳にはいかない。アレスでしか、生きれないから。




シュウウウ…と、

音を立てながら見えたサクジンはーーーーー



異様に頭がデカく、自分達の何十倍も体長があった。





「ーー行くぞ。」




ソウの言葉にアキは頷いた。

サクはいつものゴーグルをかける。


いつも住民を避難させる為に見ていたサクジンとは、少し大きく見えた。




まずは、陽動。




この役割は、素早いソウが引き受ける。



中距離戦を得意とするため、

その方が効率が良い。




サクジンの鼻と思われる所を狙い、銃を打つ。



凄まじい叫び声を上げ、サクジンはこちらへ向かって来た。



ひょい、ひょいと。

ソウがサクジンの手から逃げる。





一方その頃、サクはサクジンを倒すための弱点ーー



「コア」を見つける為に、パソコンを使い、一生懸命尽くしていた。



サクジンを倒すための方法は2つ。



サクジンは所詮人だ。




脳か、心臓を狙う。

心臓の場合特殊な液体を触れさせれば良い。




とどめを刺す為に三人はそれぞれ液体を持っている。



ソウは銃用の弾。アキは刀に染み込ませる用のビン。サクはその両方。




脳の場合、脳のどこかにある「コア」を自身の手で握り潰す。



だが、脳は見つけるのが難しい上、握り潰した本人の手が消える。なんてのはまだ良い。


最悪の場合本人がサクジンへと、変化してしまう。




だから通常は心臓を狙う。




その為、心臓のコアを見つけるための能力がサクのゴーグルに施されていた。

「!見えたっ!アキ!背中側真ん中ちょい右!」




「了解。」



そう短く呟いて、アキは刀を取り出す。




ビンから液体をつけ、サクジンの背中へ回る。






まずは、一太刀。



成功確率を上げる為、大体の肉を切り分け、狙う。




アキは大体わかったのか、最後の一突きを浴びせた。





ひゅっと辺りが明るくなる。

「……や…。~~~~。……だ…」




サクジンが何かを言いながら小さくなって行く。





とりあえず、初めての任務は成功した。らしい。



(呆気ない、)とソウは心の中で呟いた。



サクは安堵の息をつき、本部と連絡を取る。




「…任務成功。一体倒しました。」



『御苦労。戻ってこい。』




いつもの上官の短い返答と共に連絡が途絶える。





もう少し労ってもいいだろうに。



そう思いながら二人を見る。





だがそこに二人は居なく、少し離れた所で二人は熱心に何かを見つめていた。




「…どうしたの。」




怪訝に思い、二人の元へ行く。





「……なぁ。サク」





ソウが指した場所には、サクジンの小さく人型になった死体。




ーーーーではなく、サクジンの死体に掘ってある、





明らかに人為的なマーク。




「これ、なんだーーーー?」


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