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叔母について・その1

 『母』のモデルは2人いる、という話を『似たもの~』のあとがきにて少しいたしました。

 その一人が、今回取り上げる方。私の叔母です。


 叔母は私の母親の妹にあたる人なのですが、母とは全然違うタイプと言いますか、正反対と言いますか…。この人たちは本当に姉妹なのか? というぐらい、母親には全く似ていない人でした。

 ちなみに私の母親は、どちらかというと控えめで内向的な人です。それから天然で忘れっぽくて、一人で行動させるのは若干危険を伴います。一言でいうと、しっかりしていない人です(その辺は、私も不本意ながら受け継いでしまったようです……)。

 対して叔母は活動的で、自我を持っていて、とてもしっかりした人でした。子供に対するしつけなどもきっちりとこなしていましたし……姪である私も、よく怒られたものです。

 そんな姉妹でしたから、傍目からは叔母の方が姉だとよく勘違いされていたようです。私自身も幼いころは、叔母が母親の姉だと思い込んでいました。実際は私の母親の方が年上なのですから、しっかりしていないといけないと思うのですが……。


 前述のとおり、私はよく叔母に怒られていました。

 特に怒られたのは食事をしている時でしたかね。私はよく物をこぼしては服を汚すような、落ち着きのない子供でしたから(まぁ、今もあまり変わりませんけれど)。母親があまりきつく言わない人なので、その辺の教育が足りなかったのかもしれません。……少し、私の母親が悪いみたいな言い方になってしまいましたが。

 叔母は私に「一人前のレディにならなきゃいけない」というようなことをよく言いました。

 しかし、女の子らしく……というのが私は昔からどうも苦手でして。自分は自分なのに、どうして女だからと気取ったことをしなければならないのか、なんて思っていたんです。自然体でいいじゃないか、と。

 今思えば、このようなことはレディ云々ではなく一般常識の範囲なわけです。昔私がやっていたことの数々は常識はずれで、失礼極まりないことだったんですね。

 ですが、その時の私にはそんなことを理解する頭が全く足りておらず……口うるさく細かいことで怒る叔母に対して、少々反発していた部分もありました。

 ……が、しかしそれよりも食事時の叔母がとにかく怖かったです。

 食事のたびにびくびくしていましたね。叔母の目が恐ろしくて、どうにか叔母が自分を見ていないうちに食べ終わろうと必死でした。


 叔母が恐ろしかった理由は、実はもう一つあります。それは叔母が、自分の子供に対しても容赦なかったからです(別に暴力をふるっていたとか、そういうわけではありません)。

 叔母には二人の子供がいました。私より一つ年上の男の子(以下「従兄」とします)と、私より三つ年下の女の子(以下「従妹」とします)です。彼らは私のいとこにあたり、兄弟のいない私にとっては兄と妹のような存在でした。

 ちなみに、彼らとは今でも仲良くしています。従兄はオタク街道まっしぐらな成人に、従妹はイケイケな(死語ですかね、これって……)今どきの女子高生に育ちました。

 叔母はその子供二人を甘やかすことはありませんでした。まぁ、実の子供ではない私にすら厳しかったのですから、当然と言えば当然ですね。何度か外に投げ出そうとしていたのを見たことがあります。あれは……子供ながらに恐ろしい光景でした。しかし内容的にはただのしつけにすぎませんでしたから、今見れば別にそうでもないのでしょうけれど。


 そんな熱血教師のごとく厳しい叔母でしたが、普段はいろいろなところに遊びに連れて行ってくれたり、一緒に遊んでくれたりと、優しい部分もありました。

 夏は海にもよく連れて行ってもらいました。ですが中でもしょっちゅう行ったのは、地元のテーマパークとか、銭湯とか、そういったところでした。子供三人でキャッキャキャッキャ言いながら遊んだものです。懐かしいですね。


 その頃からちょいちょい(ケガなどで)入院することはありましたが、それ以外は非常に元気で活発で、厳しくも優しい頼れる叔母でした。

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