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祖母について・その8

 私の見ていた祖母と、周りから聞く祖母。同じ人のはずなのに、別人と言っていいくらい全く違っていました。

 確かに祖母には優しいところもありました。私にご飯を分けてくれたり、お菓子を分けてくれたり。あんこが食べられない私のために、どら焼きの皮だけを私にくれたり(つまり祖母はあんこだけ食べていたわけですね。悪いことをしました……相当甘かったろうに)。

 祖母にはいろいろなことを教えてもらいましたし、いろいろなものをもらいました。独り立ちしているようなところを、尊敬もしていました。

 けれど……。

 ひょっとして私は、祖母の本当の部分を知らないまま別れてしまったのでしょうか。どうして、嫌な部分しか見ることができなかったのでしょうか。

 もっと長く一緒にいたら、たくさん、祖母の本当の姿を見ることができたのでしょうか。


「あの人は、不器用だったから」

 私が食い下がった時に、母親が言った言葉です。

 母親の言うとおり、確かに祖母は不器用だったのだと思います。でも、不器用だったのはきっと祖母だけじゃないのでしょう。母親も、父親も……私も、同じように不器用だったに違いありません。

 不器用で、頑固で、どうしようもない。

 だから、反発し合っていた。きっと、嫌っていたわけじゃないのに。


 多分、私たちはそんな家族だったのだと思います。


 実は今まで書いていませんでしたが、父親も祖母と折り合いが良くなかった……ように私には見えていました。二人の会話は常に殺伐としていて、笑いあっているとか、そんな状況は見たこともなかったです。はっきり言って想像もできません。

 まぁ、父親も祖母と似たような性格の人なので、仕方ないといえば仕方ないのかもしれませんね。

 ですが父親の口から祖母の話というのはあまり聞いたことがございませんので、今度詳しく聞いてみようかなと思います。……語ってくれるかは、知りませんが。


 私は当時「似た者同士やなぁ……」なんて思いながら二人を見ていたものですが、似た者同士は私だって同じなのかもしれません。まぁ、一応血繋がってますしね。


 それだけなら、まだわかります。血のつながりとか遺伝とか、そういうので済みますから。

 しかし我が家はそれだけでは終わりません。何の因果か、母親まで少々頑固な性格だったりするんですよね(……赤の他人のはずなのにね。似た者同士って惹かれあう運命なんでしょうか)。

 此処だけの話、両親の夫婦仲がアレなのも、似た者同士だからなんだと思います。


 私は今も、祖母に対して素直になれずにいるところがあります。

 人伝に祖母がどれだけいい人だったかという話を聞いても、やっぱり少し信じられないのです。

 皆が言うとおり、祖母は本当にいい人だったのか。祖母は本当に、私を愛してくれていたのか……わからないんです。

 それは、祖母と私が似た者同士だったからなのでしょうか。

 真実を確かめようにも、祖母はもういません。だから……もしかしたらもう、私たちは一生分かり合えないのかもしれません。


 でもね、おばあちゃん。

 私は、おばあちゃんのこと……嫌いじゃなかったよ。


 ……敢えてはっきりとは、言いません。

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