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第7回:大闇

 数日後の朝、マンションの1室、菊永剛がリビングで緑茶を飲んでいる。そこへ、桜野勇が起きて来る。2人ともスウェットの上下を着ている。

「おはよう、兄貴」と桜野が言うと、「おはよう」と菊永が答えた。桜野はベランダに通じている窓にかかっているカーテンを開けると、「あれっ、まだ夜が明けてないのかな」と言った。

「そんなはずはない。もう7時を過ぎている」と言って、菊永は窓から外の様子を見て、「真っ暗だな。きのうの天気予報ではきょうは一日中晴れと言っていたが」と言った。すると、菊永の左腕の腕輪から日巫女の声がした。

「菊永さん、桜野さん、テレビをつけてください」

桜野がリモコンでテレビをつけた。テレビでは女性のキャスターがニュースをつたえている。画面が切り替わり東京の現在の様子を映した画面になる。

「けさから真っ黒な闇が日本の上空を覆っています。気象庁は今のところこの闇が発生した原因はわからないと言っています」

また画面が切り替わり、シドニーの様子を映した画面になる。

「同じような闇がオーストラリアとニュージーランドの上空も覆っています」

また画面が切り替わり、ソウルの現在の様子を映した画面になる。男性のリポーターが現地から報告する。

「韓国の上空も闇に覆われており、ご覧の通り、ソウルは本来夜が明けている時刻にもかかわらず、夜中のように暗い状況です」

テレビを見ていた菊永が「これはどういうことなんだ」と言うと、日巫女が「とうとう始まったのです。大いなる闇が地球全体を覆い始めたのです」と言った。

「この世が終る時に現れるという闇なのか」

「そうです」

「どうすればいい」

「闇を生み出しているオロチを鎮めてください」

「オロチがいる場所は?」

「オロチは地下深くにいますが、正確な居場所はわかりません」

「それは困ったな」

すると、窓のほうでカラスの鳴き声がした。菊永と桜野が窓を見ると、窓の向こうにカラスが1羽いて、「ここを開けてください」と少年の声で言った。桜野が窓を開けると、カラスは室内に入った。

「ニキ様、アラ様、随分と探したんですよ」

「お前、もしかしてオオガラスか」と菊永は少し驚いた様子で言った。

「そうです」

「それで何の用だ」

「お役にたちたいと思いまして」

「役に立ちたい?」

「僕はオロチのいる場所を知っています」

「お前、俺たちをだまそうとしてないか」と桜野が警戒した様子で言った。

「違います。命を助けていただいて、僕は変わりました。信じてください」

「信じよう」と菊永は言った。

「兄貴、そんな簡単に」

「今はこいつを信じるしかない。オオガラス、案内してくれ」

「喜んで」

菊永は立ち上がり、腕輪に光を当てて、「変身」と言った。左腕の腕輪が金色に光り、この金色の光が彼の体全体を包んだ。そして、菊永の姿が青い装甲をまとった神聖戦士ニキに変わった。

「わかった。俺も行く」と言って、桜野も左腕の腕輪に光を当てて、「変身」と言った。左腕の腕輪が金色に光り、この金色の光が彼の体全体を包んだ。そして、桜野の姿が赤い装甲をまとった神聖戦士アラに変わった。2人の神聖戦士とオオガラスはベランダから空高く舞い上がり、はるかかなたを目指して飛んで行った。

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