最終回:光柱
マンションの1室では菊永剛と桜野勇が深刻な表情をしている。
「兄貴、俺たちが冒険をした時はいつもいろんな人に応援してもらったけど、神聖戦士はふたりだけで戦わないといけないんだな」と桜野がさびしそうな表情で言った。
「ふたりだけだな」と菊永は静かに言うと、しばらく黙りこんだ。そして、「いや、いつもと同じでいいんだ」と明るい表情になって力強い口調で言うと立ち上がり、「勇、俺についてこい」と言うと腕輪に光を当てて、「変身」と言った。左腕の腕輪が金色に光り、この金色の光が彼の体全体を包んだ。そして、菊永の姿が青い装甲をまとった神聖戦士ニキに変わった。桜野も左腕の腕輪に光を当てて、「変身」と言った。左腕の腕輪が金色に光り、この金色の光が彼の体全体を包んだ。そして、桜野の姿が赤い装甲をまとった神聖戦士アラに変わった。2人の神聖戦士はベランダから空高く舞い上がり、はるかかなたを目指して飛んで行った。
ニキとアラはある無人島に着陸した。
「サキタマ、クシタマ」とニキが言うと、緑色の玉と黄色の玉が空中に現れて1つになり黄緑色の玉になった。この玉に、ニキの体からは青い光が、アラの体からは赤い光が差した。そして、玉の色が紫に変わり、この玉から紫の光が地上に降り注いだ。すると、神聖巨人テントウが現れた。その姿はニキとアラに似ていた。ニキとアラは紫の光に包まれてテントウの中に転送された。
テントウは腰に下げている剣を抜いて剣先を天に向けて高々と上げた。そして、テントウの中でニキが「光よ集まれ」と叫んだ。戦場で敵味方の区別なく医療・看護に従事している人々、難民の救済活動に従事している人々、植林をしている人々、不正を告発する人々、災害に苦しんでいる人を応援する人々、こどもに笑顔を見せる人々など、世界中の様々な人々から光が剣に集まり、集まった光がテントウの体全体を包んだ。そして、テントウは剣を振るって大いなる闇に光を投げつけた。光は闇を押しのけ、地球全体から闇が一掃された。
すると、大空にオロチが体長100メートルくらいの白蛇の姿で現れた。オロチは、「よくやった。だが、忘れるな、人間の悪しき行ないが積み重なれば、ふたたび大いなる闇が地球全体を覆うであろう」と言って、空を舞いながら遠ざかっていた。ニキとアラはテントウから出て、菊永と桜野の姿に戻った。そして、2人が空を見上げると、美しい虹がかかっていた。
「兄貴、やったね」と桜野はうれしそうに言った。
「ああ」と菊永も満足した様子で言った。
2人は空の虹をずっと眺めつづけた。
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