平凡な女子高生
「ふぁ~」
でかい口をあけて欠伸をする目の前の友達。
その口の中に虫入っても知らねーぞーと云ったら気持ち悪いこと云うなと怒られた。
「ねぇ、私美味しいクレープ屋さん見つけちゃった。一緒に行かない?」
どでかい口あけて欠伸してた友達の左側を歩いている、おっとり系の友達が話しかけてくる。
「お~いいねぇ! 行こう行こう!」
欠伸をしてた友達は、アタシの腕を引っ張っていく。
アタシまだ行くと云ってないのになーとか思いつつも結局はいつもと同じく”どうでもいいか”という思考にたどり着き、考えるのをやめずるずると友達に大人しく引きずられていった。
「ねー、そう云えばさぁ。椎葉君、あれからどうなったのかな」
ふごふごとクレープに齧り付きながら話し出す友達。
「あーだよね。見付かったのかなー」
アタシはクレープに齧り付きながら、大人しく友達2人の話を聞く。
椎葉とは、アタシ達と同じ学年のクラスメイトである。性格は大人しいほうだが、イケメンという理由だけで女子にモテた。
本人はどんなに断ってもしつこく付きまとう女子達に迷惑してたようだったが。
ちなみにアタシと椎葉は幼馴染だったりする。椎葉がモテだしてからは、一緒にいる幼馴染のアタシを目の敵にする女子達が増え、相手するのも面倒なのでアタシは椎葉と距離を置くことにした。
ところがそんな椎葉が、一ヶ月ほど前に突然行方不明になったのだ。
学校の帰り、友達と別れたあと、椎葉はいなくなってしまった。
家にも帰ってない、学校にも戻っていない、友達の家にもいない。アタシは色んなところを探し回った。
距離を置いてても、椎葉はアタシの大事な幼馴染だから。
―――でも、どんなに探し回っても結局、椎葉は見付からなかった……。
椎葉は一体何処へ消えてしまったのだろうか。学校帰りだからお金だってそう持ってはいないだろうし。
「あ、ねぇねぇ。私面白い話聞いちゃったんだけどさ!」
楽しそうに目を輝かせて突然話し出す友達。
「なんかね、最後に椎葉君を見た人が云うにはね、椎葉君が突然地面にできた黒くて丸い穴に落ちちゃったんだーって云ってるんだって!」
……は?
どこぞのRPGじゃあるまいし、そんなことがあるものか。
呆れ顔のアタシ達に話をしていた友達は怒ったように云う。
「あ! その顔は信じてないな~。せーっかく話してあげたのにぃ」
ぷぅ、と頬を膨らまして怒る友達。
そんな可愛い友達の膨れた頬をつんつんしたい気持ちを抑え、友達に尋ねる。
「じゃぁ椎葉は、その穴に落ちて消えちゃったの?」
「そうなのよ! なんか不思議だよね~」
ファンタジーものが好きな友達は、うっとりとした表情で云う。
……椎葉本人からしたら、不思議どころですまないと思うが。
よくある展開でもしや椎葉は穴に落ちたあとRPGのような世界で「勇者になって魔王を倒してください」とか云われているのだろうか。
……うーむいかんな。ゲームばっかやってるせいで思考がおかしなことになっている。
アタシは頭をぶんぶんと振り、おかしな思考をどこかへ飛ばす。
「ホント、どこ行ったのかねぇ」
話に夢中になってる友達は、アタシの呟きに気づかない。
まったく、たくさんの人に心配や迷惑かけて……一体どこにいんのよ、椎葉のアホ。
そんな風に考えていたアタシも、まさか椎葉と同じ目にあおうとは―――
思っても、みなかったのである。
なんか文章でおかしなところがある気がします;^^
ちなみにこれはこれから書く(予定)の小説と繋がってたりします
まぁそれを書かなきゃ意味ないんだけど…w