#3・・・怪物
「あぶねぇっ!」
声を張り上げると同時に、前足2本が刃のようになった、大きな蜘蛛のような怪物がアテナ目掛けて飛んできた。
「ふん。」
アテナは鼻で笑い、何かを投げた。
アテナが何かを投げたら、怪物の体は緑色の液体を撒き散らしバラバラになった。
「・・・すげぇ。」
「ふん、この程度・・・」
言い終わらないうちに蜘蛛が二体出てきた。
「・・・エビス、お手並み拝見と行くわ。あなたも戦いなさい。」
「・・・マジかよ。」
とりあえずかまえる。
「キシャァァ!」
蜘蛛が飛び掛ってくる。
バク転でよけて、辺りを見回す。
何か武器になるものは・・・。
あった。近くの瓦礫のたまっているところにナイフがある。
「ジャアア!」
右から刃が飛んでくる。
右に転がってよけて、ナイフの元に向かった。
これは・・・コンバットナイフか。
「キェェェ!」
振り返りざまに蜘蛛の攻撃を防ぐ。
前足の2本の刃で切りかかってきたので、胴体ががら空きだ。
刃を防ぎながら、腹部へもぐりこむ。
その勢いのまま、ナイフを突き刺す。
「グェッ。」
そのまま、ナイフを上に切り上げる。
蜘蛛は上半身が真っ二つになり、液体をあたりに撒き散らした。
「・・・意外と弱いんだな。」
そうだ、アテナは?
アテナが戦っていたほうを振り返ってみた。
「・・・?」
そこには蜘蛛のバラバラになった死体だけがあった。
・・・・・後ろに誰かいる・・・?
「のぅわっ!?」
後ろを向いた途端に、アテナに押し倒された。
「おそ~い♪」
「いきなり何すんだよ!」
「私、あなたのことが気に入ったわ。あなたについていってあげる。」
と、言うなり何なり、
キスしてきた
「!?」
そりゃあびびったぜ。初めてのキスをこんなところでするとは思ってなかったからな。
「なっ、ななななっ!」////カァァ
「あら、初めてだったの?大丈夫よ、別に取って食べちゃおうって訳じゃないから。」
どういう意味だよ。
「・・・じゃあ何でしたんだよ。」
「あなたに力をあげるため。これで魔法が使えるようになっているはずよ。」
「魔法!?」
「そう、魔法。」
「でっ、でも、魔法の使い方なんてわかんねぇよ!?」
ゲームの世界かよ?ここは?
「大丈夫よ。教えてあげるから。」